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ラグビー コラム 2024年5月6日

【ハイライト動画あり】トヨタヴェルブリッツがシーズン最終戦で7トライ!若手台頭のリコーブラックラムズ東京を降す。NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24最終第16節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ブラックラムズ東京 vs. トヨタヴェルブリッツ

試合前日、6位だったクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、ボーナスポイント付きの勝点5で勝利した。

この結果、勝点差が逆転不可能な「6」に拡がったため、トヨタヴェルブリッツの7位は確定した。

この状況で、ヴェルブリッツのFL姫野和樹主将はどんな声を掛けたのか。

「順位ではなく、叶えたい未来に向かうためには今を頑張らないと未来はない、と伝えました。消化試合にするのではなく、来季へ向けてどういうラグビーをしたいのか、今から先を見るべきだと思いました」(ヴェルブリッツFL姫野主将)

ディビジョン1(D1)最終第16節。

7位のヴェルブリッツは5月5日(日)、10位のブラックラムズがホストの東京・秩父宮に乗り込み、シーズン最終戦に挑んだ。

「(今日は)PGは蹴らずにコーナーに蹴ろうと言いました」(ヴェルブリッツFL姫野主将)

まずチームのスタイルでトライを獲りにいく。そんな明確な意志をもったヴェルブリッツは開始早々にトライを奪う。

和田悠一郎(トヨタヴェルブリッツ)

序盤、ブラックラムズが自陣で反則を犯すと敵陣へ。モールは止められたが、CTBチャーリー・ローレンスが右隅の数的優位を察知。クイックパスでWTB和田悠一郎の先制トライ(5点)を演出した。

ホストのブラックラムズもすぐに反撃。

「『僕らが相手に何をするか』にフォーカスしていました。自分達にフォーカスするという点は、試合の途中までは出来ていました」(ブラックラムズFL松橋周平

先発予定だったPR中村公星が直前に肩を怪我したことにより、急遽リザーブからスタメンとなったリーグワンデビューのルーキーPR津村大志(帝京大学)。前半5分、最初のスクラムで8人でペナルティを奪った。

ここから敵陣に入ったブラックラムズ。

ネイサン・ヒューズ(ブラックラムズ東京)

モールは止められたが、NO8ネイサン・ヒューズのピック&ゴーでゲイン。ショートサイドでCTBロトアヘア アマナキ大洋が同点トライを決めてみせた。

しかしブラックラムズがPG加点で3点リード(8-5)とした前半34分。

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 D1

【第16節ハイライト動画】ブラックラムズ東京 vs. トヨタヴェルブリッツ

混戦状態から絶好調だったWTBヴィリアメ・ツイドラキが1対1で相手を弾き、左隅を突破。

ここで巧みにフォローしていたSH茂野海人の今季初トライで逆転。ヴェルブリッツが12-8とリードして後半へ向かった。

後半ようやくスコアが動いたのは50分だ。

ブラックラムズが敵陣攻撃中に相手オフサイドを誘発。このペナルティで左隅に侵入すると、モールで勝負。

圧力は受けたが、NO8ヒューズがキャリーに切り替えて逆転のトライ。個人では今季9本目を奪い、1点をリード(13-12)した。

が、ここからリザーブ陣も戦力豊富なヴェルブリッツが逆襲する。

「残り20分で相手に流れを渡してしまいました。ラスト20分、リザーブを含めてどれだけ集中できるかが課題です」(ブラックラムズFL松橋)

まずヴェルブリッツは後半18分、デザインされた連携プレーで再逆転する。

アーロン・スミス(トヨタヴェルブリッツ)

相手ノックオンのスクラムから途中出場のアーロン・スミスが仕掛ける。左隅のゲインを演出すると、CTBシオサイア・フィフィタが抜け出す。

フォローしていたのはこちらも途中出場、背番号18の須藤元樹。オフロードパスを受けて初トライ。リザーブ組がチームを勢いづける。

さら6点リード(19-13)を得たヴェルブリッツは62分、自陣22m内の相手ラインアウトで、背番号19の秋山大地がスチール成功。相手のチャンスを芽を摘んだ。

6点差から離されたくないブラックラムズだが、後半26分。

ヴェルブリッツは途中出場のPR須藤がロングゲイン。そして流れの中でSOボーデン・バレットがインゴールへ、前節のサヨナラトライを彷彿させる絶妙グラバーキック。

古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)

フィニッシュは背番号23の古川聖人。チーム4本目を決めると、終盤3連続トライで突き放した。

最終盤に1トライを返したが、結果的に18-45で大敗したブラックラムズのピーター・ヒューワット ヘッドコーチ。

「最後の40分は疲れが見えていました。若い選手たちにとっては良い学びになったでしょう。80分間高いレベルを続けなければなりません。それが出来なかったときにどうなるかは、辛い思いながら経験をすることも必要です」

この日途中出場からデビューした明治大学出身のルーキーSO伊藤耕太郎。指揮官が「イチゴ(中楠一期)とコウタロウ(伊藤耕太郎)はレギュラーを奪い合うことになるでしょう」と言及するなど、期待の高さを窺わせた。

試合後にはブラックラムズのハードワーカー、ロトアヘア ポヒヴァ大和の公式戦100キャップ表彰式が行われた。

一方、シーズン最終戦を7トライの大勝で締めくくったヴェルブリッツ。

9勝7敗で7位に終わった今季を振り返り、ベン・ヘリング ヘッドコーチは、戦力や技術よりもメンタリティへの課題感を明かした。

「今季は僅差の試合を落としてしまいました。接戦のメンタリティは今後重要になっていくでしょう。プレッシャーとの向き合い方が大きな課題です」

FL姫野主将も「メンタリティは常々言っていて、一貫性は非常に重要です。ビジョン、方向性もあるので、そこに対して一貫して努力することをリーダーとして引っ張っていくことが大事です」と来季を見据えていた。

ヴェルブリッツはシーズンを終えたが、ブラックラムズはここから重要な決戦がある。ディビジョン2の3位チームとの入替戦(2試合)だ。

「残り2試合(入替戦)は、80分通して勝たなければならない。リーグワンで戦えることは証明している。相手に容赦なくやり続けたい」(ブラックラムズFL松橋)

ビジターとなる入替戦第1節は5月18日。第2節は5月25日で舞台は相模原ギオンスタジアム(神奈川)。ブラックラムズはD1の戦場を守り切れるか。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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