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ラグビー コラム 2024年4月25日

スタイル貫き、来季につながる試合をしたいスティーラーズ。勢いあるレヴズは、最後まで成長し続ける

ラグビーレポート by 田村一博
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コベルコ神戸スティーラーズ vs. 静岡ブルーレヴズ

プレーオフトーナメント進出(4今日)の道は、両チームとも前節の結果により途切れた。
今季の残り2試合は、来季へのスタートでもある。しかしその前に、今季の集大成を刻みたい。それこそが、チームが前へ進むエナジーを産む。

4月27日(土)、東大阪市花園ラグビー場で開催されるリーグワン、ディビジョン1のコベルコ神戸スティーラーズ(第14節を終わって5位/勝ち点36)×静岡ブルーレヴズ(同8位/勝ち点33)は、互いのプライドを懸けた戦いとなる。

今季、第2節で戦った際は30-26とスティーラーズが競り勝った。30分過ぎまで同点と、スリリングな展開だった。
あの日から4か月ちょっとの時間が経過したいま、アーリーエントリーの選手たちも加わって、それぞれ陣容が少し変わった。
ただ、力が接近している状況は変わらない。

前節の4月21日(日)、クボタスピアーズ船橋・東京ベイと札幌で戦ったスティーラーズは、負けたら4強へ進む可能性が途切れる試合に29-39のスコアで敗れた。

トライを重ね、勝ち点5(トライ数差3以上での勝利)で勝たねばならない一戦だった。
ラグビーは激しく体をぶつけ合いながらも、繊細なマインドがプレーに如実に反映される。勝ち方も求められる80分に苦しんだように見えた。

勝ち点5をつかむためにスティーラーズ選んだ道は、まず勝利。SOブリン・ガットランドが5PGを決め、後半20分過ぎのスコアは22-22だった。
LOブロディ・レタリック主将は「勝たないことにはプレーオフには進めない。まず、同点に追いついてからボーナス点を狙おうと考えた」と試合後に話した。

しかし、事は思うようには進まない。逆に終盤に2トライを追加されて勝利も逃してしまった。
デイヴ・レニー ヘッドコーチは試合運びそのものより、「ソフトな(簡単に)トライを許していては勝てない」と防御面に苦言を呈した。
トライラインを背にしての守りに粘りが足りなかったと指摘した。

しかし、いくら悔やんでもやり直しはきかない。指揮官は、「今シーズンの学びを活かして、チームは来年成長できると思う」と話している。
今季の残り試合にも、同様の取り組みをする。まずは得点の刻み方より、自分たちのスタイルを実現する。レヴズ相手に、攻撃的な80分を過ごすはずだ。攻守ともに激しさを前面に出す姿が見られそうだ。

スティーラーズ同様、レヴズも4強への道は閉ざされたものの、そこに悲壮感はない。
チームは直近の5試合に3勝2引き分けの成績を残して勢いがある。藤井雄一郎監督は「(残り2戦は)来年につながる戦いをする」と明確に話す。

前節(4月19日)の東京サントリーサンゴリアス戦では、一時は7-21とリードされる展開も、逆転してみせた。最終的に引き分けるも(31-31)、代表レベルが並ぶ相手と互角に戦ったのは自信になった。
その前のスピアーズ戦も同じスコアで引き分けている。その時は7-31から終盤に追いついた。青いジャージには、いま、勢いがある。

アーリーエントリーで加わったPRショーン・ヴェーテー(環太平洋大)、FWバックファイブを務めるヴェティ・トゥポウ(摂南大)、日野レッドドルフィンズから移籍、今季加わったシオネ・ブナらハードパンチャーたちを、先発で起用するか、後半にとっておくか、相手によって使い分けて自分たちのペースに引きずり込んでいる。

指揮官は、クラブの方針に沿って、若手を試合に出し、育てることを実践。それによって、「若い選手たちが自信をつかんできています。ベテラン選手たちの仕事ぶりも素晴らしい。あと2勝すれば5位になれるチャンスもある。しっかり来季のトップ4入りを射程圏内に入れてシーズンを終え、来季につなげたいですね」と前向きだ。

両チームの選手たちも、すべての力を出し切ってシーズンを終える気持ちが強いはずだ。
スティーラーズのSOブリン・ガットランドは191得点でリーグの得点ランキングのトップを走っている。レヴズのWTBマロ・ツイタマは15トライでトライランキングの先頭。個人タイトルの行方も楽しみだ。

 

レヴズ戦で18番のジャージーを着るスティーラーズのPR山下裕史は、出場すると、トップリーグ時代も合わせての通算出場試合が177となり、歴代最多出場記録と並ぶ(元日野レッドドルフィンズのPR久富雄一とタイ)。
チームは節目の試合で白星を贈りたい。

NO8で先発するアーディ・サベアが日本でプレーするのも、あと2試合だけ。世界最上級プレーヤーのパフォーマンスを目に焼き付けておきたい。

 

レヴズは、今回もトゥポウをFLで起用。PRヴェーテー、NO8ブナを後半に投入し、相手にダメージを与えるプランを立てている。
HO日野剛志、PR伊藤平一郎、LO大戸裕矢ら経験ある選手たちが前半に疲弊させ、若手がとどめを刺す勝利への道筋が出来上がりつつある。来季のためにも、武器を磨き続ける。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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