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先制トライを挙げた慶應のCTB山本
4月21日(日)から、13回目を迎えるラグビー関東大学春季交流大会が始まった。昨シーズンの順位に基づいて、関東大学対抗戦と関東大学リーグ戦の各9チームを、A~Cの3つのグループに分けて総当たり戦で行われる。
◆Aグループ:対抗戦A、リーグ戦1部の1~3位
・帝京大学、明治大学、早稲田大学/東海大学、流通経済大学、法政大学
◆Bグループ:対抗戦A、リーグ戦1部の4~6位
・筑波大学、慶應義塾大学、立教大学/大東文化大学、東洋大学、日本大学
◆Cグループ:対抗戦A、リーグ戦1部の7位・8位と対抗抗戦B、リーグ戦2部の1位
・青山学院大学、日本体育大学、成蹊大学/立正大学、関東学院大学、拓殖大学
21日(日)には、オープニングマッチとなる、Bグループの一戦、創部125周年目の慶應義塾大学(昨季対抗戦5位)と、101周年目の立教大学(昨季対抗戦6位)が、慶應義塾大学のグラウンドで激突した。
慶應のHO中山主将
慶應義塾大学はキャプテンHO(フッカー)中山大暉(4年)を筆頭に、FW(フォワード)8人中7人が4年生、BK(バックス)は、U20日本代表経験のあるCTB(センター)今野椋平など3年生が中心のメンバーだった。
立教大学はキャプテンのSH(スクラムハーフ)伊藤光希、SO(スタンドオフ)中優人(ともに4年)のハーフ団、副キャプテンHO三村真嶺(4年)はコンディション不良で欠場となったが、PR(プロップ)八代デビット太郎(4年)を中心にセットプレーに自信を持っている。また、東福岡出身のWTB(ウィング)村上有志が、1年生ながら先発した。
立教のSH伊藤主将(中央)
昨秋の対抗戦では、慶應義塾大学が28-21で接戦を制していた一戦は、午後0:30にキックオフされた。試合の主導権を握ったのは、ホームの黒黄ジャージーだった。
前半6分、キックカウンターからCTB山本大悟(3年)が抜け出して中央にトライ。CTB今野のゴールも決まり、7点を先制する。さらに18分、自陣からボールを継続して、SO大川竜輝、SH橋本弾介とつないで、中央にトライを挙げ、14点をリードする。
ラグビー関東大学春季交流大会2024
【ハイライト動画】Bグループ 慶應義塾大学 vs. 立教大学|慶應、開幕戦を快勝
立教大学もスクラムで相手の反則を誘うなど、FWが力強さを見せた後の30分、SO中のグラバーキックから好機を得て、WTB長島朔良(2年)が左隅に飛び込んで5点を返した。だが、慶應義塾大学もすぐに反撃し、36分には相手ゴール前でFWがスクラムを押し込んでNO8(ナンバーエイト)冨永万作(4年)が押さえ、21-5とした。
2トライを挙げた慶應のSH橋本
ロスタイム、インターセプトから再び立教大学のWTB長島にトライを許したが、慶應義塾大学はキックカウンターからCTB今野が抜け出して、SH橋本がファイブポインターとなり、28-12で前半を折り返した。
後半も3分に、慶應義塾大学がゴール前で、FWにこだわりPR(プロップ)吉村隆志(4年)がねじ込んで、35-12とリードを広げた。7分、立教大学にボールをつながれ、途中出場のCTB安食龍之介(4年)にトライを許したが、18分には慶應義塾大学の武器であるモールから、キャプテンHO中山がインゴールに押さえて42-17とした。
その後、立教大学のCTB江田優太(4年)にトライを与えてしまったが、32分とロスタイムに、WTB笠原、途中出場のNO8遠矢虎太郎(4年)がトライを決め、54-22でノーサイド。試合を通してセットプレーとディフェンスで、相手にプレッシャーをかけた慶應義塾大学が、8トライを重ねて立教大学に快勝し、白星スタートを飾った。
今季、悲願の大学選手権出場を目標に掲げる立教大学の元治裕一監督が、「春、もう少しいい試合ができると思ったが、まだまだ反省点がある。見ていると止まっていた部分があったので、1人1人がもっと連続したいいプレーができるようにやっていかないといけない」と話した。
立教の伊藤主将 慶應の中山主将とは桐蔭学園の同級生
SH伊藤キャプテンは「慶應さん相手に全体的に受けてしまった。もう少しセットプレーでは優位に立てると思っていたが、(できずに)少し動揺してしまった。大学選手権に出場するためには3勝しないといけないので、そこを視野に入れて練習していきたい。まだ伸びシロがあると思うので、秋までこれからしっかり改善したい」と先を見据えた。
2シーズン目を迎える慶應の青貫監督
就任2シーズン目を迎える慶應義塾大学の青貫浩之監督は、「2月からやってきたディフェンスのところは良かったが、接点のところはまだまだ」と話した。
HO中山キャプテンは「昨季はキックでエリアを取ることがメインになっていたが、今季はアタックでもディフェンスでも前に出るというマインドで練習してきたので、それが出せて良かった。スクラムは、最初は組みづらかったが、うまく適応できたかな。今季はチーム一丸となって年越し(大学選手権ベスト4以上)をしたい」と笑顔を見せた。
快勝スタートとなった慶應義塾大学は、5月5日の早稲田大学との招待試合を挟んで、春季大会の2試合目は5月12日(日)、アウェイでリーグ戦の東洋大学(昨季リーグ戦5位)と対戦する。立教大学は5月5日(日)にアウェイで、対抗戦の筑波大学(昨季対抗戦4位)と相まみえる。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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