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ラグビー コラム 2024年4月3日

若きラグビー日本代表『JAPAN XV』、『パシフィック・チャレンジ』でアイランダーの強豪に挑む

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ハードタックラーの太安キャプテン

4月2日(火)、サモアで開催される『ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2024』に向けて合宿中の『JAPAN XV』が練習を公開した。

コンタクトをともなうアタック&ディフェンスなど激しい練習を1時間半ほど行った後、大久保直弥HC(ヘッドコーチ)やキャプテンに指名されたFL(フランカー)太安善明(天理大学2年)、そして日本代表の指揮官であり遠征も視察するというエディー・ジョーンズHCも報道陣に対応した。

『JAPAN XV』は、2月から合宿を行い、リーグワンのチームの胸を借りてきた『U20日本代表候補』の24名に、2月に福岡で開催された日本代表のトレーニングキャンプに参加したオーバーエイジの大学4年生4人の28名で構成される。

身体をぶつけ合う選手たち

そして、4月5日に日本を発ち、とサモアで開催される「パシフィック・チャレンジ」で10日(水)に『マヌマ・サモア』、15日(月)に『フィジー・ウォーリアーズ』、20日(土)に『トンガA代表』と、各国代表に準じるチームと対戦して優勝を争う。

『U20日本代表』にとっては、7月にスコットランドで開催される『ワールドラグビーU20トロフィー2024』に向け、絶好の強化の機会であり、大学4年生の4人にとって日本代表への大きなアピールの場となるだろう。もちろん、U20世代の選手たちも活躍すれば、6月から本格始動するエディー・ジャパンに招集される可能性もある。

大久保直弥HC

U20日本代表の指揮官も兼ねる大久保HCは、パシフィック・チャレンジでの目標について、「2020年大会以来の優勝と、このチームから2027年ワールドカップに何人出場してくれるかです」と話した。前回優勝した2020年のチームからはSO李承信(神戸スティーラーズ)が、2023年のワールドカップに出場している。

対戦相手は体格に長けたチームばかりで、高温多湿の中での試合になる。そのため大久保HCは、FW(フォワード)陣だけ2月から招集し、セットプレーの強化に努め、BK(バックス)が合流した3月になると、リーグワンのチームとの練習試合を4試合行った。

大久保HCは「そのために2月、3月やってきた。ひるむことなく、ラグビースタイル、環境の違いがあるが、そこを超えないと日本代表には行けないよ、とメッセージを送っている」。

「7月を見据えているが、僕らが考えている世界で勝つということに対して、みんながプライドを持っているので、それを出し切ってプレーしてほしい。勝つためには、ボールを継続しないといけないと常々言ってきている。セットプレーも含めて思った以上に勇気を持ってプレーしてくれている。そこをやり切れるかどうか」と語気を強めた。

今回の合宿から参加したオーバーエイジの4人

また今回、パシフィック・チャレンジに臨むにあたり、U20日本代表候補からだけではなく、オーバーエイジとして大学4年生の選手を呼んだ。その4人は早稲田大学のキャプテンとなったHO(フッカー)佐藤健次(4年)、帝京大学のキャプテンに就任したFL(フランカー)青木惠斗(4年)、京都産業大学4年で昨季もパシフィック・チャレンジに参加したSH(スクラムハーフ)土永旭、そして明治大学の副将に就いたCTB(センター)秋濱悠太(4年)である。

オーバーエイジを入れたことに関して大久保HCは、「ちょうどいいタイミングだと思う。固定したチームでやってきて、彼ら4人は学生トップレベルで、将来の日本代表としても見本になれる選手たちだし、自分は日本代表でやりたいという明確なビジョンが僕自身にも伝わってきた。スタッフも彼らの目標をサポートしたいし、U20日本代表の選手たちも学ぶところもある」とコメントした。

太安善明キャプテン

キャプテンはオーバーエイジからの選出ではなく、U20日本代表候補からFL太安善明が指名された。大久保HCは「U20日本代表の7月のスコットランドで、U20ワールドトロフィーに向けて、どう成長するかというプロセスの過程でもあるので僕の選択肢としてはオーバーエイジをキャプテンにしなかった」。

「キャプテンの太安は身体をしっかり張るし、格上相手にひたむきにひるまずやっていける。1人でどうこうというのを考えていなくて、彼の成長、チームの成長にとって、何人かのリーダーがサポートしながら太安キャプテンの下、まとまってくれればいい」と指名した理由を説明した。

「なると思っていなかったので驚いた」という太安キャプテンは「言われた後、がんばるぞと意志を固めた。キャリーとタックルでも、身体を張り続けたことが評価されたと思う。キャプテンになっても、変わらず身体を張り続けていきたい。大会では常に勝つというマインドセットが大事。緊張もあるが、日本を背負っているという気持ちだけ考えて、身体を張り続けたい」と意気込んだ。

帝京大学のキャプテンに就任したばかりのFL青木は「今後のラグビーをしていく上でいい経験になるので、(帝京大学)キャプテンという立場ですが相馬朋和監督としっかり話して決めました。自分はフィジカルが持ち味だが、自分よりフィジカルが強いチームとやるのでチャレンジです」と話した。

オーバーエイジの左から秋濱、佐藤、青木

早稲田大学のキャプテンとなったHO佐藤は「(桐蔭学園の同級生だった青木、秋濱とは)将来的に同じチームでやれたらいいなと思っていたので、ここで実現できて良かったが、今後、日本代表でプレーできればいい。大会ではまず勝ちに対していいアジャストしつつ、コンタクトレベルを高く持ってやって、アピールしていきたい」と見据えた。

唯一、昨季のサモアでの同大会を経験しているSH土永は「昨年はフィジカルで世界の強さを感じた。今、超速ラグビーをやっていて、相手は体力、スピードに対応できないと思うので、通用すると思う。1戦目のサモアとの試合がキーになるのでしっかり勝ちきってフィジー、そして最後はトンガにも勝って、いい形で遠征を終わらせたい」と話した。

日本代表エディ・ジョーンズHC

視察した日本代表のジョーンズHCは「パシフィック・チャレンジでは選手たちは、30度の気温と湿度75%という中で特別なチャレンジ。それに屈強な選手たちのいるチームと戦う。その中で、どの選手が今後成長していけるかを見ることができる。だから戻ってきたら、どの選手がすぐに成長しそうで、どの選手がもう少し時間がかかるかと答えることができると思う」。

「だが、どの選手にも可能性はある。素晴らしい選手になる可能性があるから、みんなここにいる。2027年ワールドカップを見据えて、有望な若手選手を発掘することは、非常に重要なこと」と若い選手たちの成長に期待を寄せた。

例年より早く2月から合宿を敢行して、リーグワンのチームと練習を重ねてきたU20日本代表選手を中心とした『JAPAN XV』。オーバーエイジの選手の手も借りつつ、その成果を発揮してパシフィック・チャレンジで、2020年以来の優勝を狙っている。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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