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一方のスピアーズは、直近の5試合で4敗と苦しんでいる。
前節の東芝ブレイブルーパス東京戦も、後半40分にトライを奪われて追いつかれ、勝ち越しのゴールキックを決められて惜敗。悔しい思いを積み重ねている。
ただ、そのブレイブルーパス戦の内容は悪くなかった。
SOにバーナード・フォーリー、FBにゲラード・ファンデンヒーファーが復帰して攻撃的な姿勢がより鮮明に。キックも有効に使うことができた。
残った結果が黒星だっただけと感じた。好ゲームだった。
ブルーレヴズとの4か月前の対戦時は、スクラムのペナルティが多く、セットプレーで圧力を受けたことが敗因のひとつとなった。
その前節にタイトヘッドPRの2人がケガしたことが大きかったとはいえ、今回の再戦ではリベンジしたいと全員が燃えている。
スピアーズにとって今季のブルーレヴズは因縁の相手だ。
前述のように昨年12月の対戦時は主力PRの出場が叶わなかったほか、SOフォーリーも負傷して、その日を境に長く戦列を離れた。
2月14日、クロスボーダーラグビー2024による休止期間にも両チームはトレーニングマッチを戦っている。17-17の引き分けだった。
そんな相手との対戦は、一戦一戦目の前の試合に勝ち切る以外に浮上の道はないスピアーズにとって、再び上を向くきっかけをつかむ相手としては最適だ。
プレーオフを意識するのではなく、一人ひとりが自己の力を出し切り、個人の力を先に進めることをモチベーションに戦う。
PRショーン・ヴェーテー、NO8シオネ・ブナ、CTBジョニー・ファアウリと、パワフルな選手たちがベンチに控える。
勝負どころのタイミングで投入し、その爆発力をチームの推進力にする。
スピアーズは、WTBに根塚洸雅が復帰した。FBには安定感のある島田悠平。相手のキックを受けて、有効的、そして攻撃的に動くだろう。
SH藤原忍、SOフォーリーの2人は、相手が危険と警戒していても突破できる。2人が前に出るなら、重量級の仲間たちもなだれ込む。
タイトヘッドPRには、オペティ・ヘルと北川賢吾の強力スクラメイジャーが揃った。ブルーレヴズの一番の武器を封じるつもりだ。
お互いの手の内が分かったもの同士の激突は、順位争いを忘れさせる熱さがほとばしるものとなるだろう。
田村一博
前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。
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