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ラグビー コラム 2024年3月29日

レギュラーシーズン4位の座を懸けた戦い。レッドハリケーンズは2戦続けて先制パンチを。ヴォルテクスは防御から攻める

ラグビーレポート by 田村一博
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レッドハリケーンズ大阪 vs. 九州電力キューデンヴォルテクス

12月の開幕から4か月弱。初戦で顔を合わせた者同士の一戦は、それぞれ成長を証明する試合となる。

3月31日(日)にヤンマースタジアム長居(大阪)で開催されるレッドハリケーンズ大阪×九州電力キューデンヴォルテクス(リーグワン/ディビジョン2)は、レギュラーシーズンの最終戦(第10節)だ。
開幕戦時の激突では、26-22とレッドハリケーンズが競り勝った。

レッドハリケーンズは4位(勝ち点12)で、ヴォルテクスは5位(勝ち点8)。今回の試合で順位が決まり、4月下旬(20日か21日)から始まる4~6位順位決定戦に臨む(最下位はディビジョン3の3位との入替戦へ)。
ここまで9戦を重ねて高めてきた力を出し切ることが重要だ。それができれば、順位決定戦までの日々に改善すべき点が見える。

レッドハリケーンズは、今回の試合で勝つか引き分けるか、3トライ差以内の敗戦でレギュラーシーズンの4位が確定する。
ホストゲームでの集客目標は1万人。多くのファンを喜ばせるエキサイティングな80分を目指す。

6連敗と苦しんでいたチームは前節、勝利を挙げた。釜石シーウェイブス相手に序盤から得点を重ねたのが勝因。第2節(2023年12月16日)に、同じ相手に勝って以来の今季3勝目だった。

途中、接戦になった。最後はTMOでの検証の結果、相手が奪った逆転トライがキャンセルとなる冷や汗ものの展開。しかし、久々に笑顔で試合を終えたことがチームに与える影響は大きい。
杉下暢主将(FL)は試合後、表情を崩して「チームとして、まだ成長していける」と話した。

マット・コベイン ヘッドコーチ(HC)は久しぶりに勝ち切ることができた理由を、集中力高くゲームをスタートさせたからとした。
キックオフ後の12分で3トライを重ね、19得点。特に良い働きを見せたのはFWだった。強力なモールとスクラムで主導権を握る。敗戦の主原因となってきた立ち上がりの時間帯を制してチームは勢いを生んだ。

大量リードから追いつかれ、一度は逆転を許した展開には反省もある。コベインHCも、相手からの圧力を受けたシーンや、規律を失い、相手にスキを見せた時間帯を改善点に挙げた。

それでも後半16分に逆転された後、連続トライを奪い返したところはチームの成長した点だ。
杉下主将は次戦に向けて、リードした場面でさらに点差を広げていくような一貫性が必要と肝に銘じた。

 

今回のメンバーには、前節の試合には途中出場して勝利に貢献したNO8ジョシュ・フェナー、SH山内俊央、SO呉嶺太が揃って先発に入った。
13番のジャージーを着る金勇輝は周囲を熱くする気持ちとタックルが魅力。思い切りのいいランが魅力のFB吉澤太一も、チームにモメンタムを与えるだろう。

スターターたちが前節同様先制パンチを見舞い、今回は、フィニッシャーがその勢いを高める役を遂行したい。
1万人超のファンがスタンドを埋めるなら、チームに特別なエナジーが生まれそうだ。

ヴォルテクスは5連敗中。今季の勝利は1月6日の釜石シーウェイブズ戦だけで、それ以来、勝利から遠ざかったままだ。
しかし前節(第9節)は、首位を走る浦安D-Rocksに6-7と迫った。豊田自動織機シャトルズ愛知に10-15(第7節)、NECグリーンロケッツ東葛に8-12(第6節)と上位チームに抗う試合もあり、勝利への距離は遠くない。

雨中戦となったD-Rocks戦では、残り数分まで6-0とリードしていたところから逆転された。
しぶとく守り、体を張り続けて攻撃力のある相手になかなか得点を許さなかった。

惜しくも敗れたものの、今村友基HC代行はチームと選手たちの成長を感じたようだ。
掲げている「成長し続ける」マインドが、パフォーマンスに繋がっていると感じている。

下位に沈んでいるのは攻撃力の不作がひとつの原因だ。今季9試合で奪った18トライはディビジョン2の6チームの中で最少。132得点も同様だ。
ただ、接戦に持ち込んだ試合が多いから1勝ながら勝ち点8。レッドハリケーンズ戦は防御の厚さはそのまま、攻守の切り替えから好機をつかみたい。

ヴォルテクスのレッドハリケーンズ戦の成績は、今季開幕戦も含め、昨シーズンから3連敗中。控える順位決定戦のことも考えれば、必勝の覚悟で挑む。

 

メンバーを見渡せば、前節の D-Rocks戦でヴォルテクス加入後初先発、活躍を見せたSHスペンサー・ジーンズが今回も9番を背負う。
ブレイクダウンでの的確な球捌きとゲームコントロール、パントキックが強みだ。

4試合ぶりのメンバー登録となった山田章仁は14番を背負って最初からピッチに立つ。
勝負強さはピカイチ。チームを勝利に導けるか。

FWでは、前節に初先発の座をつかんだ山添圭祐が引き続き先発の座を勝ち取った(7番)。2023年春の入社ながらゲームキャプテンも任された男は、その重責を全う。骨惜しみしない仕事とジャッカルで、今度こそ勝利に貢献したい。

ウォーカーアレックス拓也も2試合ぶりに戦列に復帰し(NO8)、キャプテンとしての存在感を発揮するだろう。
勝ち点5での勝利へ向けて、仲間の闘志に火を点ける。

文: 田村 一博

田村一博

前ラグビーマガジン編集長。鹿児島県立鹿児島中央高校→早稲田大学。早大GWラグビークラブでラグビーを始める。ポジションはHO。1989年、ベースボール・マガジン社に入社。ラグビーマガジン編集部に配属される。1993年から4年間の週刊ベースボール編集部勤務を経て、1997年からラグビーマガジン編集長に就く。2024年1月に退任し、現在は編集者、ライターとして活動。

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