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ラグビー コラム 2024年3月25日

【ハイライト動画あり】ラストは劇的PG!プレーオフ進出争いは激化!「3位東京サントリーサンゴリアス×5位横浜キヤノンイーグルス」NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24第11節交流戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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プレーヤー・オブ・ザ・マッチ の田村優(横浜キヤノンイーグルス)

スコアは34-35だった。

笑みを浮かべた田村優が、ペナルティの地点に歩み寄る。

古瀬健樹レフリーがショットを示し、1万2890人の集った秩父宮がどよめいた。

3月23日(土)の東京・秩父宮。勝点38の東京サントリーサンゴリアスが、勝点29の横浜キヤノンイーグルスを迎えた「3位×5位」の対決は、前後半でムードが一変した。

前半の主導権は、ホストのサンゴリアス。

10点ビハインドから5連続トライを奪った。

「前半は僕たちがガマン強くプレーすることができ、それがスコアにつながった印象があります」(サンゴリアス、HO堀越康介キャプテン)

チェスリン・コルビ(東京サンゴリアス)

前半17分のチーム1本目は、不動のLO ハリー・ホッキングスのジャッカルから。攻守交代直後にFL 山本凱がロングゲインすると、南アフリカ代表WTB チェスリン・コルビが今季3トライ目を奪った。

相手反則→モールで前半22分に逆転トライを決めたサンゴリアスは、ふたたび粘り強い守備からのターンオーバーでルーキーSO高本幹也がリーグ初トライ。

32分にはクイックスローインからのキックパスで4本目。40分にはゴール前でFL下川甲嗣らが好守でトライを防ぐと、WTBコルビがタックル後にリップガット。

守備からの反転攻勢で自陣から攻め上がり、モメンタムを活かして5連続トライ。試合を25点リード(35-10)で折り返した。

しかし後半の主導権はイーグルス。

「(前半は)スコアできそうなところまではいけるんですが、フィニッシュまで持っていけませでした。ただ過程はそんなに悲観することはないと思っていました」(イーグルス、CTB梶村祐介キャプテン)

サンゴリアスの元選手・指揮官でもあるイーグルスの沢木敬介監督。ハーフタイムで檄を飛ばしていた。

「ハーフタイムでみんなに話したのは『チームのプライドのために、あきらめず、ノーサイド後には全員がぶっ倒れるくらい走ってこい』ということです。今日は控えを含め、しっかりと強い意志を持ってプレーしてくれたと思います」(イーグルス、沢木監督)

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 D1

【第11節ハイライト動画】 東京サンゴリアスvs.横浜キヤノンイーグルス

それでも50分までは25点ビハインドだったイーグルス。

荒井康植(横浜キヤノンイーグルス)

粘り強く10フェーズを重ねると、後半から投入のSH荒井康植の仕掛けから、元サンゴリアスのHO中村駿太が反撃の後半一本目。

さらに新加入のCTBローハン・ヤンセ・ファンレンズバーグの突破から、SO田村優が展開直前にライン参加するプレーをみせ、一気に大外展開。

ここでWTBイノケ・ブルアのトライが決まり、SO田村のコンバージョン成功で11点差(24-35)とした。

「後半は相手(イーグルス)が我慢強くアタックを継続してきました。僕たち(サンゴリアス)が中盤でペナルティをしてしまい、そこからモメンタムが相手に傾いたと思います」(サンゴリアス、HO堀越キャプテン)

さらにサンゴリアスは後半27分、HO堀越キャプテンがヘッドコンタクトの危険なプレーでシンビン。ここでのショット成功で、イーグルスが8点差(27-35)に詰め寄る。

さらにイーグルスは荒井康植が絶妙ショートキック。

ここから敵陣ゴール前でのターンオーバーを起こすと、23年W杯日本代表で途中出場のシオネ・ハラシリがトライ。ゴール成功でついに1点差(34-35)となった。

「前半は自分たちのプランどおりに戦えてリードできましたが、後半で仕留めきれず、どんどん相手のペースに付き合わされていきました」(サンゴリアス、田中澄憲監督)

試合時間、残り約30秒。

サンゴリアスはボールキープすれば1点差でノーサイド。しかしラックで痛恨のペナルティを犯して自陣に後退。さらにモールのコラプシングの悪循環。80分30秒に自陣左でペナルティを与えた。

そしてシーンは冒頭の場面へ。

イーグルスはここでショットを選択した。

「自分たちでも『ショットだ』と言っていました。(田村)優はラグビーワールドカップのプレッシャーの中でボールを蹴ってきた選手。彼(田村)が『自信がある』と判断して蹴っていると思います」(イーグルス、沢木監督)

日本代表70キャップの司令塔が蹴った放物線は、Hポールの間を通った。

歓喜を爆発させたイーグルス。田村はトライ数「4-5」で負けている試合をキック7回全成功で救い、37-35の劇的逆転に大きく貢献した。

昨季の3位決定戦に続いて敗戦したサンゴリアス。田中監督は「非常に悔しい敗戦でした」とした上で、厳しくなった見通しに言及した。

「これでトップ4の争いが非常に厳しいものになってきました。今回の敗戦をしっかり学びに繋げて、一戦一戦準備していきたいです」

イーグルスが勝点を33に伸ばしたことで、3位サンゴリアスの4強プレーオフ進出に暗雲が近づいてきた。次戦の4位コベルコ神戸スティーラーズ戦は極めて重要な一戦だろう。

まだ5位のイーグルスだが、この勝利で3位サンゴリアスとの勝点は6差。4位スティーラーズとはわずか1差だ。

「プレーオフトーナメントに行くためには本当に1試合1試合が大事。今日はその第一関門を突破できたということ。次に向けてしっかりと準備をしていきたい」(イーグルス、沢木監督)

イーグルスの次戦は10位リコーブラックラムズ東京。一戦必勝の闘いが続いてゆく。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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