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ラグビー コラム 2024年3月4日

【ハイライト動画あり】アーディ・サベア!山下楽平!役者が大活躍のコベルコ神戸スティーラーズが会心勝利。NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24第8節交流戦

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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ド派手なトライが、次々に生まれた。

3月3日(日)の東大阪市花園ラグビー場に詰めかけた1万4387人のファンは、コベルコ神戸スティーラーズ×トヨタヴェルブリッツで、ラグビー・リーグワンを堪能したに違いない。

4勝3敗同士の「6位×5位」対決だった。

序盤で決定的な仕事したのは、6位スティーラーズのニュージーランド代表FLアーディ・サベアだ。

まず前半9分に守備プレー「ジャッカル」で攻守交代を起こす。この場面で、5位ヴェルブリッツはLOジョシュ・ディクソンが不行跡でシンビン。ロックを10分間欠くことに。

ここから敵陣侵入のスティーラーズは、数的有利のFW戦から、最後はFLサベアが強引に押し込んで先制トライ。序盤を制した。

直後のトライはスローフォワードで幻になったが、スティーラーズはヴェルブリッツの規律の乱れから敵陣へ。8次攻撃で長短のパスを繋ぐ。

最後は右サイドにいたFLサベアが2連続トライ。正確なスキルで「15人×14人」の間に連続得点。高い技術力で、数的有利を活かしきった。

「今日は試合を楽しめました。特にスキルレベルのスタンダードが良かったです」(スティーラーズ、LOブロディ・レタリック共同主将)

ヴェルブリッツの反撃は、相手反則から敵陣に入った前半24分だ。

 

WTB高橋汰地のゲインで前に出ると、ショートサイドでNZ代表SOボーデン・バレット、南アフリカ代表NO8ピーターステフ・デュトイと、世界最優秀選手の経験者がボールを繋ぐ。

最後はWTBヴィリアメ・ツイドラキが1本目。さらに前半30分にシンビンで一時退場していたLOディクソンが名誉挽回の同点トライを奪ってみせた。

スティーラーズも前半38分にPGを決めて勝ち越し、15-12という接戦模様で後半へ向かった。

後半の40分間は、スティーラーズの攻撃力が爆発する。

存在感を発揮したのは32歳の共同キャプテン、WTB山下楽平だ。

1トライ追加で7点リード(22-15)のスティーラーズは後半11分。まず堅い守備で魅せる。

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 D1

【第8節ハイライト】コベルコ神戸スティーラーズ vs. トヨタヴェルブリッツ

スティーラーズのタックル成功率はこの日速報値で87%と高値(ヴェルブリッツは64%)。フォワードのみならずSH日和佐篤、SOブリン・ガットランドも相手を一撃ダウンさせる好タックルを放つ。

ターンオーバーが続く消耗戦となるが、スティーラーズのエナジーは高い。するとヴェルブリッツ、NZ代表SHアーロン・スミスがバックス展開。

勝負の大外展開。ここで獲り切りたい――そんな瞬間にパスコースを読んでいたのがWTB山下だ。

CTBシオサイア・フィフィタのロングパスをインターセプト。大歓声の中、そのまま独走トライ&ゴールでリードを14点(29-15)に広げた。

「あのトライはディフェンスでプレッシャーを掛けていたからです」とは、もう一人の共同主将であるLOレタリックだ。

「キックオフレシーブでも正しいエリアでプレーできました。今日はディフェンスが良かったので、ターンオーバーからのアタックができました。そこが一番良かったです」

山下楽平の好プレーは続いた。

直後、途中出場したラファエレティモシーが相手SOバレットに鋭いタックル。次の瞬間のオフロードを読んでいたWTB山下が、2連続のパスカット。

山下が世界的司令塔バレットの判断を上回るプレーで攻守交代を起こすと、最後は三度、FLサベアがフィニッシュ。ハットトリック達成で流れを呼び込んだ。

ヴェルブリッツも後半22分、身長2mのNO8ドュトイの渾身ジャッカルから悪循環を止めると、スクラム・ペナルティで敵陣侵入。

 

突進したFL姫野和樹が相手9番をドミネートし、ゴール下にトライ。14点差(26-36)に詰めた。ところが――

「今週は出場する23人以外の選手たちも、とても良い準備をしていました。今日はモメンタムを得た上で、相手を突き放すことができました」(スティーラーズ、デイブ・レニーHC)

後半30分以降、ラインアウトからのサインプレーを中心にビッグゲインを連発。準備が奏功して2連続トライ(後半30、32分)を決めると、トドメは同37分。

 

日本代表CTBフィフィタのパスが乱れると、中盤でスティーラーズSH小畑健太郎が飛び込み、ターンオーバー。

直後のポップパスを受けたFLサベアが、終盤とは思えぬ加速で大歓声を巻き起こす。

アクセルを踏み、相手をハンドオフいなすと、そのままインゴールへ突進。最後体勢を崩すと反転し、背面のままでグラウンディング。

衝撃の“背面トライ”で会場を沸かせ、57-22というビッグスコアで「6位×5位」対決を勝ち切った。

スティーラーズの順位は4位に急浮上。実力チームを相手に会心の勝利となった。

4敗目を喫したヴェルブリッツ。FL姫野主将は「なにかを変えなければいけない」と厳しい表情だった。

会見でその『何か』について問われると「それは試合を見てから考えたい。一人ひとりのメンタリティや準備を見直したい」と言葉を絞り出した。

ヴェルブリッツの次戦の相手は、三菱重工相模原ダイナボアーズに4敗目を喫したクボタスピアーズ船橋・東京ベイだ。

一方、5勝目をあげたスティーラーズは、6位から4位に浮上。

以前にトップ4入りへ向けて「これからの数週間がすごく重要」と語っていたレニーHCは「コベルコ神戸スティーラーズにとって良い日でした」と満足げだった。

「今日は長い時間ディフェンスをよくしました。そこでチャンスを掴むことができた」

「しっかり成長していることが見えて良かったです。反省点がないわけではないので、また今後成長していきたい」(スティーラーズ、レニーHC)

そしてスティーラーズの次戦の相手は、トップリーグ以降ではスピアーズ戦初勝利となったダイナボアーズ。自信を深めた両軍の対決は見逃せない。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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