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上位進出を狙う「リコーブラックラムズ東京」「コベルコ神戸スティーラーズ」が東京・駒沢で激突!NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24第7節交流戦
ラグビーレポート by 多羅 正崇ブラックラムズ東京 vs. コベルコ神戸スティーラーズ
約1カ月前、リコーブラックラムズ東京の敗戦は「まさか」だった。
昨季王者・クボタスピアーズ船橋・東京ベイからの金星は目前だった。しかし「あとは外に出すだけ」のラストプレーで、相手にジャッカルを許し、逆転サヨナラPGでまさかの敗戦――。
あれから約1カ月。
昨季4強参加の「クロスボーダーラグビー」によるディビジョン1(D1)の中断期間を経て、1勝5敗(10位)のブラックラムズは、2月25日(日)、第7節交流戦で、東京・駒沢に8位(3勝3敗)のコベルコ神戸スティーラーズを迎える。
衝撃敗戦を喫した前節(第6節)の試合後、ブラックラムズのHO武井日向主将は「接戦をモノにするチームにしていきたい」と語った。
今季5敗のうち3敗は8点差以内。「競り負けるチーム」から「競り勝つチーム」へ脱皮したい。
ただブラックラムズの1試合平均23.3失点はD1上位。堅守はチームの強みだ。昨季の課題だった反則数も改善傾向にある。
課題のひとつは得点力だが、昨季王者から金星を奪うだけのポテンシャルは示した。HO武井主将の「やっているラグビーは正しい方向に進んでいる」という確信は重要だろう。
「自分たちのラグビーを信じて、最後の最後を突き詰めて、次の試合から頑張ります」
チームには明るいニュースも続いている。
2月上旬の「男子15人制トレーニングスコッド福岡合宿」には、4人(FL松橋周平、LO アマト・ファカタヴァ、CTB池田悠希、WTB ネタニ・ヴァカヤリア)が招集されたのだ。
そして今季の大卒新加入選手だ。黒衣軍団に加入した7人の顔ぶれをみると「大豊作」という言葉が思い浮かぶ。
まず昨季大学選手権ファイナルの先発メンバーが4人いる。優勝した帝京大学の主力1番であるPR津村大志、トライゲッターのWTB高本とむ。準優勝の明治大学からは副将だった知性派LO山本嶺二郎、高速アタックを指揮した超攻撃的SO伊藤耕太郎。
さらに大東文化大学からはラン能力も高いSH稲葉聖馬、188センチのCTBペニエリ ジュニア ラトゥ。ホストゲームの今節は、この6人のサイン会・写真撮影会を予定しているという。
そして7人目の朝日大学のサミュエラ・ワカヴァカは、アーリーエントリーで出場可能となる今節(第7節)、早速リザーブに入っている。
先発メンバーの方では、前節から3人(LOジョシュ ・グッドヒュー、CTBロトアヘア アマナキ大洋、WTB西川大輔)が変更。
司令塔のスタンドオフは引き続き、エースアタッカーのアイザック・ルーカスが務める。ボールキャリー104回はD1トップ。緩急と爆発的加速、柔軟性を組み合わせた突破能力は唯一無二だ。
一方で、本拠地・神戸から上京するスティーラーズ。
前節の横浜キヤノンイーグルス戦は、8点差で競り負けた試合が3つ続いた後、4点差(31-27)で待望の3勝目を奪った。
今季スティーラーズはデイブ・レニーHCはじめ、コーチングスタッフを刷新。3勝3敗は新体制1季目としては上々という意見もある。
しかしスティーラーズのマイク・ブレア アタックコーチは「成長スピードを早めなければならない」という認識だ。
「少しずつ成長させなければならないことがあります。コーチングスタッフは新しくなり、新加入選手も多い。チームとしてやるべきことは完全に出来ていません」
「完璧を求めると時間は掛かります。ただ、現在の成長スピードはもっと速めなければいけないと思っています」(スティーラーズ、ブレア アタックコーチ)
計画、実行、評価、改善のサイクルをはやく回し、優勝にも届きうるチームに成長したい。そのためにもブラックラムズのようなタフな相手との対戦機会は重要だ。
2月のトレーニングスコッド福岡合宿に招集された4人も先発する。
まずは2023年W杯日本代表のFLサウマキ アマナキ、CTB李承信。そして売り出し中の背番号8、D1タックル成功5位(79回)のティエナン・コストリー、ゲインメーターがD1トップ(623m)のWTB松永貫汰、の計4人だ。
そしてNZ代表の世界最高峰のフォワード、LOブロディ・レタリックとFLアーディ・サベアの2人もスタメン。司令塔に定着した好調SOブリン・ガットランドも揃い、スキがないとさえ思える充実の布陣となっている。
試合展開は「攻めるスティーラーズ」「守るブラックラムズ」が予想される。
ブラックラムズは手堅い試合運びで、まずは敵陣勝負に持ち込みたい。課題の得点力を見越した上で、ペナルティゴールで確実にスコアする手もあるだろう。
スティーラーズは1週間前、主力も起用した練習試合(豊田自動織機シャトルズ愛知戦)に92-0で大勝しているが、「大勝後は苦戦する」というのは時折耳にするコーチ談話。軽いプレーからの連携ミスには注意したい。
上位進出を狙う2チームの激突。熱戦が予想される対決のキックオフは日曜日の午前1時。舞台は、東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場だ。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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