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会見に臨むリーチ マイケル主将
「クロスボーダーラグビー2024」が終わり、リーグ戦が再開したリーグワンのディビジョン1。2月19日(月)、15シーズンぶりの開幕6連勝で、2位と好調の東芝ブレイブルーパス東京が定例会見を開き、荒岡義和社長、トッド・ブラックアダーHC(ヘッドコーチ)、そしてキャプテンのFL(フランカー)リーチ マイケルが登壇した。
一昨季はトップ4に入ったブレイルブーパスだが、昨季は惜しくも5位でプレーオフに進出することができなかった。就任5シーズン目のブラッカダーHCの下、ベテランのリーチがキャプテンに就き、オールブラックスのSO(スタンドオフ)リッチー・モウンガ、FL(フランカー)シャノン・フリゼルの2人もチームに溶け込み、開幕6連勝を飾った。
荒岡義和社長(東芝ブレイブルーパス東京)
チームが好調のため、荒岡社長によると、昨季7000人ほどだったファンクラブ会員は1万人を突破し、1万1000人に迫る勢いだという。
第6節、28-12で勝利した試合のレビューを行ったというブラッカダーHCは、「勝ったことは当然、うれしかったですが、エクゼューション、つまり遂行力や、細かいところがまだまだ不十分だと思っている」と反省を忘れなかった。
また、2月10・11日に日本代表のエディー・ジョーンズHCが、リーグワンの指揮官やコーチ陣を集めて、ミーティングを行ったようで、ブラッカダーHCも出席したという。
「エディーさんの持つ日本代表の今後のビジョンを共有してもらった。それによって、自分たちのやること、フォーカスが変わるということはない。ただ、リーグ全体を通じて、さらに競争力を高めていくということで、今後、いい選手が輩出できる、育成できるということは、いいことだと思う」とポジティブに振り返った。
2月24日には、東京・秩父宮ラグビー場で、5位につけている横浜キヤノンイーグルスと対戦する。
トッド・ブラックアダーHC
「今季で一番タフなテストになる。イーグルスと対戦するのは大きなチャレンジ。課題はやはりエクゼキューション。過去数試合、チャンスは作っているが取り切れなかった。容赦なく行くという部分が不十分だった。チャンスを掴んだらしっかりフィニッシュまで持っていきたい」とブラッカダーHC。
今季からキャプテンに就任したリーチに関して、ニュージーランド出身の指揮官は、「自分自身のアクションとして引っ張っていくことが、リーチのもつ属性の素晴らしいところの1つ」。
「勝ちたいという意思を持っている、まさに競い合うという特性を持っていて、他の選手にも責任を持たせるという特性も持っている。また、彼の強みとして言えるのは東芝のこと、このチーム、クラブへの思いが強い選手」と目を細めた。
好調の要因を語るリーチ マイケル
続いて、リーチ キャプテンが登場した。ジョーンズHCの下で初の日本代表活動となった、2月6・7日のトレーニングキャンプ。最年長の35歳で参加したリーチは、「2日間でも若い選手とコミュニケーションできて良かった」と振り返った。
リーグワン自体はクロスボーダーラグビーのため、ブレイブルーパスは4週間、公式戦がなかった。ただ、リーチ キャプテンは開幕から6連勝を振り返り「自信を持っていい。ただシーズンの後半に仕上がってくるチームもあるので、満足せずに成長しないといけない」と足元を見つめていた。
個人的にも試合で、「ベストパフォーマンス」を出すために、フィジカルを強化し、フィットネスを中心にトレーニングを重ねていたという。
また、15シーズンぶりにチームが開幕6連勝している要因を聞かれて、リーチは「コーチ陣とコミュニケーションを取って、土曜日の試合で爆発するためにプロセスを大事にしてきた」と語気を強めた。第3節あたりまでは火曜日と木曜日に100%の練習をしてフィジカルを上げていたが、試合当日に疲れが残っていることもあったという。
そこでリーチやオールブラックスの2人、リーダー陣を集めて「試合でベストパフォーマンスを出すために逆さから考えて、どの曜日が大事で何をしないといけないか」と話し合って調整。木曜日の練習は最後の8分間だけ、フルコンタクトのアタック&ディフェンスをするように変えたという。
「東芝はフィジカルに自信のあるチーム。(木曜日の最後に)試合の強度で8分間、何でもありの練習をして、自分たちのメンタリティーを上げている」。
さらにリーチはキャプテンに復帰してから、ブラッカダーHCらコーチ陣にフィードバックをしているという。「英語が喋れるし、たくさん経験があって、(試合でいい)パフォーマンスを絶対に出したいから、そのために(コーチ陣と)いろいろ話さないといけない」。
話す内容は具体的であり、「GPSの数値にこだわるのか、練習にこだわるのか。ウェイトトレーニングであれば、どういうウェイトトレーニングがいいのか。コンタクトの回数や、どういうドリルをしたらいいか」など多岐に渡っている。
改めてリーチ キャプテンは「東芝のベストな選手が、ベストなパフォーマンスが出せるようにしたい。FLシャノン・フリゼル、SOリッチー・モウンガ、LOワーナー・ディアンズ、ジェイコブ・ピアスがいいパフォーマンスが出せるようにプロセスを大事にしている」と語気を強めた。
ワールドカップに4回出場し、35歳となるリーチ キャプテンは「(選手として)負けられないところはフィットネスで、そこを大事にしている。自分の中ではトップの状態で終わりたいと思っている」。
股関節のケガの影響で、2023年ワールドカップで引退しようとしたが、(ケガが治り)数値が上がって、プレーが正しくなった。まだまだ成長したいし、成長する部分がある。いつ終わるか考えていないが、飽きたとか、できないと思った瞬間に引退を考えたい。今のところ調子がいいし、悪いところがないので、やりたいなと思っている」と先を見据えた。
昨季は5位でプレーオフに進出できず悔しい思いをしたブレイブルーパス。ブラッカダーHC、リーチ キャプテン体制となり、王座奪還に向けて快進撃を続けている。2月24日(土)の対戦相手は昨季、前半だけで38失点を喫して、48-59で敗れた横浜キヤノンイーグルスだ。大分での借りをホストの東京で返すことができるか。
文:斉藤健仁/写真提供:東芝ブレイブルーパス東京
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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