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國學院栃木が2度目の優勝
2月10日から、1都7県の代表16校が参加して、『第24回関東高校ラグビー新人大会』が行われており、2月17・18日の両日は茨城県水戸市の『ツインフィールド』(市立サッカー・ラグビー場)で順位決定戦と準決勝、そして3位決定戦と決勝戦が開催された。
なお、関東新人大会はコロナ禍で開催されなかった、2021・22年を除いて桐蔭学園が5連覇中となっている。
17日(土)には順位決定戦と準決勝が行われ、下記のような結果となった。3月下旬に埼玉・熊谷ラグビー場で行われる『全国高校ラグビー選抜大会』に、関東からは7校、目黒学院、茗渓学園、桐蔭学園、國學院久我山、國學院栃木、東海大相模、そして開催県の昌平(埼玉1位)の出場が決まった。
◆順位決定戦
○目黒学院(東京2位)28-10 明和県央(群馬1位)
○茗渓学園(茨城1位)31−26 山梨学院(山梨2位)
◆準決勝
○桐蔭学園(神奈川1位)64−28 國學院久我山(東京1位)
○國學院栃木(栃木1位)24-0 東海大相模(神奈川2位)
初の3位となった東海大相模、強力FWが今季の武器
18日(日)は3位決定戦と決勝が行われ、3位決定戦は國學院久我山と東海大相模の対戦となった。前半は1トライずつ取り合い、終了間際に國學院久我山がPG(ペナルティゴール)を決め、8-5とリードして折り返した。
後半はFW(フォワード)のフィジカル、体格で勝る東海大相模がペースを握り、4分に途中出場のLO(ロック)藤久保陸(2年)がトライ、24分にも途中出場のHO(フッカー)金澤壱樹(2年)がトライを挙げて、東海大相模が19-8で逆転勝利を収めた。
関東新人大会で、過去最高の3位となった東海大相模の三木雄介監督は「風上、風下がうまくはまった。昨日はBK(バックス)で回してしまったが、今日の試合は自分たちの強みであるFWで勝負しようとした。BKはフラストレーションがたまっていると思うが、選抜まで時間があるので、もう一度やり直したい」と先を見据えた。
第24回関東高等学校ラグビーフットボール新人大会
【ハイライト動画】 決勝 桐蔭学園 vs. 國學院栃木|國栃がディフェンスで勝利を掴む
関東新人の決勝戦は昨季の花園王者の桐蔭学園と、國學院栃木の対戦となった。2021・22年大会はコロナ禍のため中止となったが、両者の対戦は2019年、昨季の2023年に続いて3大会連続の顔合わせとなった。
最後まで粘りを見せた國學院栃木のディフェンス
桐蔭学園は花園で優勝メンバーであるキャプテンFL(フランカー)申驥世、NO8(ナンバーエイト)新里堅志、FB(フルバック)古賀龍人(いずれも2年)らを中心とした攻撃力で勝ち上がってきた。前半からボールを継続して攻め込むが、國學院栃木が素晴らしいチームディフェンスを見せて得点を許さない。
すると、國學院栃木は今大会で成長したSH(スクラムハーフ)下井田雄斗、BKリーダーとなり、ガラッと変わったSO(スタンドオフ)神尾樹凛(ともに2年)が攻撃のタクトを握り、攻め込む。
9分にはスクラムを起点にボールを展開して、最後はWTB(ウィング)池田健心(1年)が左隅に飛び込みトライ、SO神尾がゴールを決めて7-0と先制する。その後は互いのディフェンスが上回る展開が続き、得点ボードが動かないまま、前半は國學院栃木が7点をリードしてハーフタイムを迎えた。
PGを決めるSO神尾。 花園から成長した姿を見せた
後半も拮抗した状態が続くが、ディフェンスでリズムを作った國學院栃木のペースで進むと、14分には中央右のPGをSO神尾が決めて10-0とリードを広げた。
6連覇を目指した桐蔭学園は27分、ようやくキックカウンターからボールをつないで、FB古賀がトライを挙げて3点差に迫る。その後も桐蔭学園が継続して攻め続けるが、「ディフェンスは國栃のDNA」という國學院栃木が最後までディフェンスで意地を見せてボールを奪い返し、蹴り出してノーサイドを迎えた。
國學院栃木は、2016年大会の第16回大会以来となる8大会ぶり2度目の優勝となった。一方、昨季の春と冬の「2冠」に輝いていた桐蔭学園は、昨年1月から続いていた15人制ラグビーの連勝がストップした形となった。
桐蔭学園の藤原秀之監督は「前半はドタバタして、ボールを動かすことしかしていなかった。ゲームを最後の5分間くらいしかやっていない。(今季のチームは)力がないことがわかって、勝ったらどうしようと思っていた。ここで負けて良かったと思う。まだまだ、これから。彼らがどこまでやれるか、です」と冷静に先を見据えていた。
國學院栃木のLO笹本キャプテン
一方の國學院栃木は昨季、桐蔭学園が花園で優勝する姿を見て、基本練習の大切さを改めて痛感し、3時間の練習のうち半分をボールキャリー、パス、タックルなどの基本練習に徹したことが功を奏したという。
國學院栃木の吉岡肇監督は「感動した。本当によくやってくれた。選手たちに感謝したい。昨日といい今日といい、本当に良かった。全員、タックルで辛抱強く戦ってくれた」。
「(試合前に)今日はプライドを持てと言った。決勝まで来て、何か半分満足みたいな、選抜の切符は頂いた、桐蔭だからしょうがない、みたいではなく、過去に桐蔭を破って優勝している先輩もいるから誇りを持て、関東の両横綱だぞと。昨日の試合より良い試合すれば勝つ。そういう説明をして、少しは効き目があったかな」と選手たちを称えた。
選抜大会ではベスト8以上が目標だというキャプテンLO(ロック)笹本直希(2年)は「これで関東の中で『ディフェンスといえば國栃』となるかと思い、すごく誇らしい。相手も継続してアタックしてくるなら、こっちもディフェンスを継続する、そんな感じだった。ディフェンスは継続しても、相手にジリジリといかれてしまうので、選抜大会に向けて身体作りが大事」と破顔した。
◆3位決定戦
●國學院久我山(東京1位)9-19 東海大相模(神奈川2位)○
◆決勝
●桐蔭学園(神奈川1位)7-10 國學院栃木(栃木1位)○
決勝で熱戦を演じた國學院栃木、桐蔭学園の両校を含めた7校は関東の代表として春の選抜に出場する。昨季の花園が終わり、出場したチームはまだ1ヶ月あまりしか経っていない。ここから1ヶ月、春の選抜大会に向けてよりチームを強化していく。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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