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ブルーズのコッターHC(右)とトゥイプロトゥ主将
2月3日(土)から2週に渡って4試合が行われる「THE CROSS-BORDER RUGBY 2024」を控えて、来日したニュージーランドのブルーズ、ギャラガー・チーフス(以下チーフス)が会見を開いた。
2月3日(土)に東京サントリーサンゴリアス、10日(土)横浜キヤノンイールグスとの試合を控えているブルーズは、東京・秩父宮ラグビー場で、キャプテンズラン後に会見を開いた。
スコットランド代表を率いて、2015年ワールドカップなどで日本代表とも対戦し、今シーズンから新たに就任したヴァーン・コッターHC(ヘッドコーチ)は「来日できてうれしい。3週間後にスーパーラグビー・パシフィックが始まるが、それに向けて準備したい」。
「練習してきたことをフィールドで出していければと思う。相手に焦点を当てるのではなく、自分たちに焦点を当てている。タフな試合になることは間違いないでしょう」と話した。
2022年、トヨタヴェルブリッツでプレー経験のある元オールブラックスのキャプテンLO(ロック)パトリック・トゥイプロトゥは「日本は私の大好きな国の1つで、戻ってこられてうれしい。(3シーズン前)日本でラグビーをしていたが、今回もタフな試合になる。ブルーズの今季初の試合なので懸命に取り組んでいきたい」と意気込んだ。
今大会の意味を聞かれて、コッターHCは「たくさんの意味合いがある。日本という国は飛躍しているし、そこでプレーができるのが重要。我々としてもテストとして試せる試合になる。日本といい関係を持てるのも重要だと思う」。
「ニュージーランドの選手が多く日本でプレーしているし、ブルーズとして日本に来られることも重要。お互い成長できるし、グローバル化につながると思う。エキサイティングで、どれだけスキルが通用するか、違うチーム、選手、文化、組織を試すいい機会」と話した。
また、次のオールブラックスとして期待している選手を聞かれて、指揮官は「ボーデン・バレット(トヨタヴェルブリッツ)がニュージーランドにいないし、リッチー・モウンガ(東芝ブレイブルーパス東京)も日本にいる」。
「ということで、次のオールブラックスの10番になりそうなのが、SO(スタンドオフ)スティーブン・ペロフェタ。隣のキャプテンも誇りを持った選手で、明日もベストなプレーをすると思うので、オールブラックスとしては有望だと思う」と、オールブラックス経験のある2人の名を挙げた。
トゥイプロトゥ キャプテンに対戦相手のサンゴリアス、イーグルスで注目している選手を聞くと、「私が初めてトヨタで対戦したのがサントリーで、やられてしまったのでチーム全体でサントリーに勝ちたい。キヤノンはオークランドで一緒にプレーした、いい友だちのLOリアキ・モリに会いたい。明日の試合を経てから、トヨタのCTBチャーリー・ローレンスやNO8フェツアニ ラウタイミにも再会したい」と話した。
最後にコッターHCは「ブルーズのDNAを表現したい。ブルーズがいいプレーをするときはダイレクトで、強くて確信を持ったボールスキルがある。選手はブルーのジャージに誇りを持って、オークランドを代表して、しっかりやりたい」と意気込んだ。
ギャラガー・チーフスの会見
続いて、2月4日(日)に埼玉ワイルドナイツ、10日(日)にクボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦するチーフスも千葉県内のホテルで、スピアーズとともに会見を開いた。
トップリーグでのプレー経験もあり、2021年からチームを率いるクレイトン・マクミランHCは「日本に来られて光栄に思う。日本のラグビーは急成長している。2試合、私達にとってもチャレンジになるので楽しみにしている」とコメント。
また、オールブラックスで18キャップのキャプテンのFL(フランカー)ルーク・ジェイコブソンは「日本のラグビーは速く、違うスタイルのラグビーと対戦できるということで、他の選手も楽しみにしているし、学ばせていただきたい」と話した。
今大会の意義を聞かれて、マクミランHCは「ニュージーランドと日本のラグビー協会が一緒になって、こういう機会を持てたので感謝したい。オールブラックス、マオリオールブラックス、オールブラックスXVと日本に来てプレーを経験している選手も多いので、クロスボーターマッチもはじまりにすぎない」。
「違うラグビーのやり方と戦うことは学びもあるし、お互いに学びもあり、互いに向上できると思う。この大会を正式なものにもっていくためにも、スーパーラグビーが国境を超えて広げていくためにも、この大会をまっとうすること、もっとファンが見たいと思わせることが大事」と話した。
また、指揮官はメンバー構成に関して、「ニュージーランドに置いてきた選手はケガ。ベストな選手を選んで相手のチーム、日本のラグビーを尊重して試合に臨みたい。決して軽い気持ちでやるわけではない。ただのプレシーズンではなく、ちゃんと大会に臨んでやる、そういう気持ちをグラウンドで表現していきたい」。
「来週の試合は、オールブラックスが何人か出られると思う。オールブラックスの選手は規定で、シーズン中にどれくらい試合するか決まっているので、それに即して動きたい。オールブラックスのメンバーをプレーさせたいが、ベストなプレーができるようにルールがある。国際大会もあるので、ルール通りやっていきたい」と話すにとどめた。
キャプテンのジェイコブソンは「みんないい選手だし、FLケイラム・ボーシェーはいいプレーをしているし、CTB(センター)クイン・トゥパエアは相手にとって脅威となる。ハングリー精神を持っている。みんな選ばれたいと思ってやっているので、いいパフォーマンスをしてくれると思う」と若手選手の活躍に期待を寄せた。
チーフスの魅力を聞かれて、マクミランHCは「アイデンティティは高いフィジカルと勇敢に戦う姿。ディフェンス、セットピースなどを尊重しながら、ランニングラグビーを楽しんでほしい。チームとして、決勝や100回目の試合といった特別なときにハカをやるが、今回の試合も重要だと思っているので、ハカをやる。ファンのみなさんにも楽しんでほしい」と語気を強めた。
スーパーラグビー・パシフィックのプレシーズンとは言え、昨季3位のブルーズ、2位のチースフは「ラグビー王国」ニュージーランドのプライドと意地を見せ、リーグワンの強豪にしっかり勝利できるか。
【THE CROSS-BORDER RUGBY 2024試合日程】
◆2月3日(土)午後0:00 秩父宮ラグビー場
東京サントリーサンゴリアスvs.ブルーズ
※第10回全国女子ラグビーフットボール選手権大会決勝と併催
◆2月4日(日)午後2:30 熊谷ラグビー場
埼玉パナソニックワイルドナイツvs.ギャラガー・チーフス
◆2月10日(土)午後0:10 ニッパツ三ツ沢球技場
横浜キヤノンイーグルスvs.ブルーズ
◆2月10日(土)午後2:30 秩父宮ラグビー場
クボタスピアーズ船橋・東京ベイvs.ギャラガー・チーフス
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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