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ラグビー コラム 2024年1月29日

【ハイライト動画あり】猛勇狼士が雷神を倒す。リッチー・モウンガ躍動、ブレイブルーパスの攻撃力が勝る

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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フィジカルバトルでは絶対に引かない。両チームに脈々と受け継がれた遺伝子が試合を引き締めた。1月27日(土)、豊田スタジアムには1万8519人の観衆が集った。午後2時35分、東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)SOリッチー・モウンガのキックオフで激闘の幕が上がった。

立ち上がりは開幕5連勝のBL東京が攻め込むが、LOワーナー・ディアンズからFL佐々木剛へのパスがつながらずチャンスを逸する。直後にトヨタヴェルブリッツ(トヨタV)が攻め込み、ゴールライン前でモールを押し込むが、ここはボールを持ちだしたHO彦坂圭克にBL東京のSH小川高廣がタックル。ピンチを防ぐ。小川はリーグ戦100試合のメモリアルでアグレッシブにプレーした。

 

先にトライをとったのはトヨタVだった、前半8分、BL東京に攻め込まれたトヨタVがディフェンスで粘り、PKを得たところでSH福田健太が速攻を仕掛ける。一気に抜け出し相手陣に走り込む。これに素早く反応したのは明治大学時代のチームメイトWTB高橋汰地だった。「蹴れ!」という声を聞いて、福田は右足のアウトサイドにかけてボールを転がす。転々とするボールに合わせて走り込んだ高橋がボールを確保してインゴールまで駆け抜ける。SOボーデン・バレットのゴールも決まって、7-0。

バレットとモウンガのオールブラックス対決はこの試合最大の注目点だったが、バレットは前半16分に膝を痛めて退場。残念ながら2人の駆け引きは15分ほどしか見られなかった。モウンガはその後も抜群の存在感を見せる。前半19分にモウンガがPGを決めて3-7とし、30分にはFLシャノン・フリゼルが右タッチライン際を駆け抜け、CTBニコラス・マクカラン、小川とつないでトライ。モウンガがゴールを決めて、10-7と逆転に成功する。

その後もボール争奪戦のフィジカルバトルは凄まじかった。前半は互角の好勝負だったが、後半に入るとBL東京が徐々に流れをつかむ。後半10分、12分とモウンガがPGを決めて16-7。17分にトヨタVの高橋に2つ目のトライを奪われたが、その後はスクラムを押し込み、ボール争奪戦でも優位に立ち反則を誘った。トヨタVの反則(PK)は後半だけでも11個あり、規律の乱れが敗因の一つとなった。

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1

【第6節ハイライト動画】トヨタヴェルブリッツ vs. 東芝ブレイブルーパス東京

 

BL東京は後半29分、ゴール前PKからのサインプレーでフリゼルがトライ。23-12と突き放すと、33分、相手のキックをタッチライン際で確保したモウンガがタックルをかわして抜け出し、最後は交代出場のWTB森勇登がトライし、28-12と突き放した。プレーヤーオブザマッチはリッチー・モウンガ。後半は正確なキックで激しく前に出てくるトヨタVの選手たちを背走させ、タックルが届かないコースを走るスキルの高さも光った。「きょうはミスが多かった中で、あきらめず戦い、勝てたのは大きい。後半は風上だったのでキックが使いやすかった。空いているスペースをその都度の判断で攻めた。フィールドのいろいろな場所を攻めることで、守りにくくなるのものなので」(モウンガ)。

BL東京はこれで開幕6連勝。リーチ マイケルキャプテンは、「タフな肉弾戦で、きょうの試合はキツかった。これからも一戦一戦大切にして成長していきたい」とコメント。敗れたトヨタVの姫野和樹キャプテンは、「規律は自分たちで解決できる問題。もう少しスマートにいかないと」と課題の修正を誓った。ブレイブルーパスは、6戦全勝で勝ち点を27として、埼玉ワイルドナイツに次いで2位をキープ。トヨタVは3勝3敗の勝ち点14で5位から8位に後退した。

文: 村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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