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ラグビー コラム 2024年1月27日

エディ・ジョーンズHC、ラグビー高校日本代表の候補合宿を視察

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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高校日本代表の候補合宿を訪れたエディ・ジョーンズHC

1月25日(木)から27日(土)の3日間、年末年始に「花園」こと、全国高校ラグビー大会に出場した選手を中心に43名が、東京・国士舘大学で高校日本代表候補合宿に参加している。

26日(金)には、「SAMURAI(白)」と「BLOSSOM(赤)」の2チームに分かれて高校日本代表セレクションマッチ(25分ハーフ)が行われ、日本代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が、U20日本代表の大久保直弥HCらとともに視察に訪れた。時折メモを取りながら、練習から試合を熱心に視察していたジョーンズHCは、セレクションマッチ終了後、報道陣に対応した。

まず、今回視察に訪れた理由を聞くと「タレントを見に来た。若い選手は将来のジャパンを支えてくれる希望のある選手なので、サポートのために来た。代表のHCが来ると選手の気持ちも変わる。日本の高校生は練習量が多いということもあるが、スキルセットのレベルが高い」と説明した。

エディ・ジョーンズHC(左)とU20代表の大久保直弥HC

今後も高校日本代表の高橋智也監督、U20日本代表の大久保HCとはコミュニケーションをしっかり取っていく方針で、「高橋智也監督には、どういったプレーをすべきかは全く言っていない。将来的に超速ラグビーをしていく点ではコネクトしている。(U20日本代表も含めて)一貫のシステム、みんなが一緒にワークするシステムを作ろうとしている」と話した。

ジョーンズHCは熱意のある選手が6名、「教えられないことができる選手」が1名いたようだが、名前は明かさなかった。また、「高校生は高校のツアーに行くことが大事なので、ツアーにしっかり行ってほしい」と、2月上旬に30名程度で開催されるラグビー日本代表のミニキャンプには招集しない方向だ。

ジョーンズHCはセレクションマッチ終了後に、日本語を交えながら43名の選手たちの前で、「日本代表の超速ラグビーで大事になる、ハイスキル、ハイフィットネス、ハイデザイアーを持っている選手を探している。1~2人は2027年ワールドカップスコッドに絡んでくるかもしれない」と話して、若きタレントたちの成長に期待を寄せた。

ラグビー日本代表強化プラン発表|エディー・ジョーンズHC

高校日本代表の高橋監督はジョーンズHCが視察したことで「環境が変わりましたね。緊張感が一気に来た」と苦笑しつつも、「高校日本代表は、遠征でイタリアを倒すことと、将来日本代表を担う人材になることをゴールに掲げている。2つ目のゴールを具体化するために、より近くの存在(ジョーンズHC)が来て、直接話をしていただいたのはプラスになる」と語気を強めた。

高校日本代表の高橋智也監督

高橋監督はジョーンズHCとはミーティングを行ったという。「高校代表はここ10年、ハイスピードと低さにこだわり、そこが日本人の強みと掲げているが、『その方向性はいいか』と聞いたら、ジョーンズHCは『100%正しい』と答えていただいた」。

さらに高橋監督は、「我々は今までやってきたことをより進化させて近づけ、上に上がっていく選手を育成していきたい。『全てのカテゴリーが共有することが大事』だと、エディーさんが話していたので、方向性を共有できてよかった。エディーさんに来ていただくこともそうだし、U20、U17も含めて日本のラグビーのベクトルが同じになって前に進むことは大事だと思う」。

高橋監督が高校日本代表監督に就任してから「ザ・ファーストムーブ」、つまり、常に先手を打って勝つということをスローガンに掲げてきた。そのスローガンとともに、今季はさらに『本気』というチームポリシーも定めた。

高橋監督は「まだまだ今日は、選手たちは遠慮しているところもあるし、とにかく代表に選ばれたいというのが強かった。まだ、チームという目線は少ないが、これから日の丸を背負って戦うという気持ちが強くなってくる」とコメント。

先制トライのWTB小野澤謙真は元日本代表WTB小野澤宏時の息子

そして、「テストの関係で今日合流したFL(フランカー)福田大和(中部大春日丘)は動きが良かったし、SH(スクラムハーフ)井上達木(佐賀工業)は、セブンズでフィジーから帰ってきたばかりだったが目立っていた。あとWTB(ウイング)小野澤謙真(静岡聖光学院)はいいものがあった」と目を細めた。

試合後に選手たちの前で話すエディ・ジョーンズHC

ジョーンズHCの視察は、高校生の刺激にも大いになったようだ。2015年ワールドカップで、日本代表が南アフリカ代表を下した『ブライトンの奇跡』を見て日本代表を目指すようになり、「今でも、その試合を試合前によく見ている」というFL福田は、試合後に自らジョーンズHCに話しかけていた。

また、LO雨宮巧弥(山梨学院)は「このメンバーから2027年ワールドカップに1~2人入るかもしれないという話をされて、自分がそこに入れるようにがんばりたい」と意気込んでいた。

今回の合宿を経て、第49期の高校日本代表26名が選ばれ、3月下旬のU19イタリア代表との遠征に向けて数回の合宿が行われるという。高校日本代表も『超速ラグビー』で世界にチャレンジする。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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