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姫野和樹(左)とボーデン・バレット
交流戦が始まっている「NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24リア」。ディビジョン1では先週末の1月20日(土)と今週末の27日(土)にまたがって第6節(交流戦)が開催される。
26日(土)、現在3勝2敗で5位のトヨタヴェルブリッツが、ホストの愛知・豊田スタジアムに5連勝で2位につけている東芝ブレイブルーパス東京を迎える。チケットの売れ行きも好調だというビッグマッチ前に、ヴェルブリッツがオンライン会見を開き、キャプテンの日本代表NO8(ナンバーエイト)姫野和樹と、オールブラックスのSO(スタンドオフ)ボーデン・バレットの2人が登壇した。
姫野キャプテンは今季を振り返りつつ「自分たちの強みを出せているし、5位という立ち位置には満足しているが、ベスト4のトップチームを倒していかないといけない」。
「東芝さんはすごいフィジカルを活かしたスピーディーなラグビーをしてくる。僕たちも同じようなスタイルをしてくるので、FW(フォワード)バトルでどちらが優位に立てるかがキーになってくると思うので、FWの1人の選手としてしっかりとやっていきたい」と意気込んだ。
今季、新たにチームメイトになったバレットについては「ボーディーは、ここで一緒にやる前はクールで、知的でスマートで、格好よくてというイメージが強かったが、一緒にやってみて意外に愛情深い、情熱深い、内に秘めたものと持っていると感じている。人として僕はボーディーのことが好き。(東芝戦では)自分たちの大きなFWを活かしてほしいので、ゲームコントロールを期待している」と笑顔で話した。
バレットに姫野キャプテンに関して聞くと「姫野は素晴らしい人間で、周りに好かれるような人物。チーム、選手を気にかけていて、フィールド内外ですばらしいキャプテン。彼をサポートしたいと考えていて、それはゲームでドライブしていくこと」と話した。
また、相手がブレイブルーパスということで、姫野にとっては日本代表で一緒に戦ってきたNO8リーチ マイケル、ハイランダーズ(ニュージーランド)でチームメイトだったオールブラックスのFL(フランカー)シャノン・フリゼルとの対戦となる。
姫野和樹キャプテン
姫野は「2人は東芝の核で、チームは好調。彼らをいかに前に出させないかが、自分たちにとって大きなプレーになる。私情を挟めば、リーチ、フリゼルは仲のいい選手なので負けたくない。リーチ、フリゼルに真っ先にタックルに行って、チームを勝利に導けたらいい」。
「ゲームになったら関係ないが、リーチにはリスペクトを持っているので、だから彼よりいいプレーをしたいと素直に思う。グラウンドに入ったら彼をドミネイトしてベストを尽くしていきたい」と語った。
また、ファンの注目はSO対決だ。オールブラックスの2人、SOバレットとSOリッチー・モウンガ(ブレイブルーパス)が日本でマッチアップする。
姫野は「ファンとして考えたら、日本でオールブラックスのSO陣が対戦するのはすごいことだが、ヴェルブリッツ側としては、ボーディーが最高のSOだと信じているし、そうさせたいと思いがあるので、僕たちFWの奮闘にかかっている」と興奮を隠さない。
また、バレットはモウンガとの対戦に関しては「フリゼル、リーチとか個人の名前が多く挙がっているが、我々はそういう見方をしておらず、自分たちのラグビー、ゲームプランに重きを置いていて、1対1の対戦ではないと考えている」。
「モウンガは彼の持っている冷静さ、落ち着きをチーム内に見せることが東芝に自信を与えている。それ以外は彼の強みである戦術的な面、ラン&キャッチも発揮している。長い間、モウンガとは友人で、今回対戦することを含めて楽しみにしている。2人ともチームのためにベストを尽くしたいと考えている」とクールに答えた。
22日(月)にはヴェルブリッツに、元オールブラックスのHC(ヘッドコーチ)で、ワールドカップ優勝経験のあるスティーブ・ハンセン総監督が合流したという。
ハンセン総監督に関して「いい緊張感をもたらしている。ビッグボス」と感じているという姫野は「練習がちょっと短くなった(笑)。練習を最後までやりきって、めっちゃ疲れて終わるのではなく、一番いいところで終わる。自信が満ちあふれた状態で終わるのが上手いと思う。メンタル的にも仕向けている。エナジーをしっかり溜めつつ、自信を積み上げていくスタイルで今週、準備している。すごいなと思う」と手放しで褒めた。
ボーデン・バレット
ハンセン総監督とオールブラックス時代に一緒に戦って、2015年ワールドカップで優勝を経験しているバレットは「スティーブがチームに与える影響は言い切れないほどに素晴らしいことで、彼が関わったどのチームにもそうで、今週、チームにも私にもいい影響を与えている。これまでも、ともに時間を過ごしてきたが、自分の一番いい状態を引き出してくれる方法を知っている」と全幅の信頼を寄せている。
また、前日に大好きな「一蘭」のラーメンを食べたというバレットは、ハーフ団で先発するSH(スクラムハーフ)福田健太について(控えから出るオールブラックス)アーロン・スミスと比べて「明らかに違うタイプのSHだが、それぞれの強みを持っている」。
「健太は状況判断、ラン、スピードという強みを持っているので、新しいコンビに慣れていっているところ。ヴェルブリッツには茂野海人、梁正秋と非常にいいSHがいて、層が厚いですが、健太がいい状態なので楽しみにしている」と話した。
プレーオフに進出できるトップ4入りに向けて負けられないヴェルブリッツ。日本代表NO8姫野キャプテン、オールブラックスのSOバレットのインターナショナルプレーヤーの2人がチームを勝利に導けるか。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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