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【ハイライト動画あり】東芝ブレイブルーパス東京が充実6トライ。三重ホンダヒートも鮮烈アタック。ジャパンラグビーリーグワン第5節
ラグビーレポート by 多羅 正崇東芝ブレイブルーパス vs. 三重ホンダヒート
序盤に鮮烈な印象を与えたのは、開幕4連敗を喫している三重ホンダヒートのアタックではなかったか。
「試合を追うことに少しずつチームが成長しています」(ホンダヒート、FL古田凌主将)
先制トライは開幕4連勝の東芝ブレイブルーパス東京。開始2分でモールからモメンタムを作り、後手に回った相手守備をWTB濱田将暉が切り裂いた。
が、ここからホンダヒートがブレイブルーパスを脅かす。
全員オプションともいうべき複層的アタックで相手を攪乱。機敏なSH根塚聖冴が高速テンポを刻み、ブレイブルーパスのタックル精度が甘くなる。
「相手がいろんなアタックをしてくるチームだと想定はしていましたが、やられてしまったシーンがありました」(ブレイブルーパス、SOリッチー・モウンガ)
しかしトッド・ブラックアダーHC体制が5季目を迎えるブレイブルーパスは充実していた。
連携力は高く、課題だった規律は改善傾向。前節に続いてペナルティは少なく、この日の前半ペナルティ数はわずか「1」。
ワーナー・ディアンズ
前半22分には日本代表LOワーナー・ディアンズが、フィジカルバトルの勝利からチーム2本目を奪う。しかしフィジカル一辺倒ではなかった。
前半33分にはリンクプレーも巧みなFLフリゼルを囮として右展開。FL佐々木が捨て身のパスでCTBセタ・タマニバルのチーム3本目をアシストする。9フェーズ目で複雑なサインプレーを決めてみせた。
21点リード(26-5)で迎えた後半。
この日は「今季チャンスがなかった選手にゲームタイムを与えかった」(ブラックアダーHC)という理由で、前節から先発5名変更。PR小鍜治悠太、LOスティーンカンプ、リザーブではニコラス・マクカランらが今季初出場だった。
ジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1
【第5節ハイライト動画】東芝ブレイブルーパス東京 vs. 三重ホンダヒート
しかしNZ代表のSOモウンガが「出場してしかるべき選手が大勢いる」と誇った選手層は厚く、後半にも連続トライを奪った。
49分に後半スタートから出場した帝京大学出身のマクカランが突進。トライラインに迫る。最後はブレイブルーパスらしくPJ・スティーンカンプが豪快な縦突進。チームデビュー戦でトライを奪った。
初出場組が活躍する中、後半26分だ。
ゴール前ラインアウトモールが右に移動すると、移動攻撃からSOモウンガがリーグ初トライを決めた。
リッチー・モウンガ
「トライはしましたが、特別なことをしたわけではありません。良い環境、良い文化があり、良くなろうというチームにいられることが幸せです」(ブレイブルーパス、SOモウンガ)
しかし試合最後のトライは三重から遠征してきたホンダヒ-トだった。
後半39分に31歳の途中出場、いぶし銀の秋山陽路がラックサイドの攻防戦からチーム2本目。相手が強みとするフィジカル局面で真っ向勝負し、獲り切った。
ファイナルスコアは40-12。開幕5連敗となったホンダヒートの新指揮官、キアラン・クローリーHCは、しかし「ハッピーと思えるところがたくさんあった」と敗戦を振り返った。
「ゲーム終盤で直線的なプレーで得点ができました。ただ(多くのチャンスで)獲り切るところができなかったのは残念です」
この日もブレイクダウンで奮闘したホンダヒートのFL古田主将。
「結果として負けたので悔しいですが、アタック、ディフェンス共に試合を追うことに少しずつチームは成長しています。試合は続いていくので修正してより向上していきたいです」
埼玉ワイルドナイツと共に開幕5連勝を飾ったブレイブルーパス。
ブラックアダーHCは「ラインスピードでプレッシャーも受けた。チャレンジングな試合だった」と、厳しい試合だったと振り返った。
過去2季は開幕5試合で黒星があったが、今季は無傷でカンファレンス交流戦に入る。ブレイブルーパスに期待する声は大きくなりつつある。
SOモウンガはニュージーランドのクルセイダーズでスーパーラグビー7連覇を経験。常勝軍団の司令塔は「まだまだ先は長い」と慢心はなかった。
「開幕5連勝は嬉しいですし、努力の証明だと思います。しかしまだまだ先は長いです」
「この状況が心地良い、現状のままで良いと思っている選手は一人もいません。引き続き慢心せずにやっていきたいです」
ホンダヒートの次戦は1月20日(土)。相手は5勝の埼玉ワイルドナイツだ。そしてブレイブルーパスは1月27日(土)、3勝2敗トヨタヴェルブリッツとの注目対決が待っている。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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