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ラグビー コラム 2024年1月14日

【ハイライト動画あり】今回も白熱。開始から全開のライバル対決はイーグルスに軍配。ジャパンラグビー リーグワン第5節、横浜イーグルス×ブラックラムズ東京レポート

ラグビーレポート by 直江 光信
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キックオフ直後からお互いフルスロットル。ライバルの戦いとは、やはり理屈ではないのだ。キヤノンとリコー、国内を代表する光学機器メーカーのチームとしてトップリーグ時代から熱戦を繰り広げてきた両者の激突は、今回も期待通りの白熱したクロスゲームとなった。

開始1分。相手のエラーで得た敵陣スクラムからリコーブラックラムズ東京が連続攻撃で猛然とたたみかけるも、横浜キヤノンイーグルスは厳しく体を当てて前進を阻み続け、13フェーズ目でボールを奪い返す。同4分には自陣10メートル線付近でイーグルスがペナルティを得るや、迷わずタップキックで速攻。一連の流れからFB小倉順平がラインブレイクし、一気に相手陣22メートル線内に攻め込んだが、ここはブラックラムズが懸命のカバーリングで守りきって危機を脱した。

以降も目まぐるしく攻守が入れ替わる流れで試合が進む中、スコアボードが動いたのは17分。13分過ぎにラインアウトモールからなだれ込んだシーンはTMOでオブストラクションと判定されたイーグルスだったが、その後のラインアウト起点のアタックでテンポよくボールを動かしてフェーズを重ね、相手防御を揺さぶる。6次目の攻撃でSO田村優のタメをきかせた絶妙のパスからLOマックス・ダグラスが抜け出し、約40メートルを走り切ってポスト右に飛び込んだ。

しかしブラックラムズもすぐ反撃に転じる。21分、SO中楠一期が右中間約25メートルのPGを決め3点を返すと、30分にはゴール前右ラインアウトでモールを形成し、じわじわと押しきって最後はLOロトアヘアポヒヴァ大和がグラウンディング。8-7と逆転に成功する。

その後も相手陣で複数の攻撃機会を作ったブラックラムズだったが、イーグルスのセットピースの圧力と堅守にボールを失うシーンが続き、追加点は奪えず。終了間際のSO中楠のPGもポストを逸れ、1点差のままハーフタイムを迎えた。

後半は風上に回ったイーグルスが立ち上がりから主導権を握る。48分、相手陣での3度目のペナルティ奪取でPGを選択し、SO田村が正面のキックをなんなく決めて10-8とふたたび前に出ると、50分過ぎには自陣ゴール前での相手ボールラインアウトの危機にFW陣が体を張ってゴールラインを死守。そこから着実に陣地を押し戻し、56分に相手陣レッドゾーンで辛抱強くアタックを継続してWTBイノケ・ブルアが右中間にフィニッシュする(ゴール成功で17-8)。

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1

【第5節ハイライト動画】横浜キヤノンイーグルス vs. ブラックラムズ東京

そして勝負を決するトライが生まれたのは67分だった。右中間ゴール前でマイボールスクラムを得たイーグルスは、入替で入ったNO8シオネ・ハラシリの強烈なサイドアタックでショートサイドを攻めた後、左オープンへ展開。SO田村の背後から回り込むようにパスを受けたCTB田畑凌がクリーンブレイクし、インゴール中央へ滑り込む。入団5季目で初めて先発起用された努力家の記念すべきトライで、リードは2トライ2ゴールでも追いつけない16点差に広がった。

その後も互いのプライドがぶつかり合う激しい攻防は続き、ゲームは熱を帯びたままロスタイムに突入。試合途中から降り出した雨が強まった影響もあってフィニッシュには至らなかったが、イーグルスは3トライ差勝利のボーナスポイントを狙って、ブラックラムズは意地の1本を目指して、最後まで攻め続ける意志を示す。進む時計が86分を回ったところでようやくプレーが切れ、24-8でフルタイムの笛が吹かれた。

これで第2節以降4連勝を飾ったイーグルス。前節三菱重工相模原ダイナボアーズ戦(40-35)後は受けに回った内容に厳しい言葉を連発した沢木敬介監督だったが、この日は「最後までボーナスポイントを取りにいくハングリーさが出ていたのはポジティブな部分」と納得の表情。「今日のように、見ている人に一生懸命さが伝わるゲームをしていかなければいけない」と、あらためて今後への決意を口にした。

一方4敗目を喫したブラックラムズは勝ち点を積み上げられず、順位も10位のまま。ピーター・ヒューワットヘッドコーチは、「キーモーメントをものにできるかどうかがキヤノンとの差だった」とこの日の敗因を振り返る。もっとも、身上とする接点のバトルで終盤まで激しいファイトを繰り広げるなど、チームの地力は随所にうかがわせた。仕留めの局面の精度が上がれば、巻き返しは十分可能だ。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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