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ラグビー コラム 2024年1月8日

【ハイライト動画あり】桐蔭学園、東福岡との激戦を制して春と冬の2冠達成。全国高校ラグビー大会

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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桐蔭学園は3年ぶり4度目の優勝

今季の高校ラグビーを締めくくるのにふさわしい激闘だった。12月27日から大阪・東大阪市花園ラグビー場で開催されてきた「花園」こと、第103回全国高校ラグビー大会は1月7日(日)に決勝が行われ、春の王者・桐蔭学園(神奈川)と、連覇を目指す東福岡(福岡)のAシード同士の対戦となった。

4回目の優勝を目指す桐蔭学園と、歴代単独3位となる通算8回目の優勝を狙う東福岡。花園の決勝では過去2回対戦し、2009年度は東福岡が31-5で勝利し、2010年度は31-31と同点で両校優勝だった。両校は13年ぶり3度目の決勝での対戦だった。

互いに大きなケガをしている選手はおらず、桐蔭学園、東福岡ともに準決勝とまったく同じ先発メンバーで臨んだ。

自陣からでもボールを展開する桐蔭学園

時折日が射す、曇天の中、午後2:05に試合はキックオフされた。序盤は継続ラグビーに徹した桐蔭学園がボールポゼッション、テリトリーで上回り、相手陣での時間が続く。それでも東福岡もジャッカルを連発し得点を与えない。

試合が動いたのは前半13分、相手の反則から桐蔭学園がPG(ペナルティゴール)のチャンスを得て、FB(フルバック)吉田晃己(3年)が落ち着いて決めて、3点を先制する。

桐蔭学園WTB田中のトライ

さらに24分、桐蔭学園が相手ゴール前で攻めている中で一度、相手にボールを渡してしまったが、相手がノックオンをしてしまい、そのボールをWTB(ウイング)田中健想(3年)が拾い上げて、そのまま右中間にトライ。8-0とリードを広げる。

前半ロスタイム、東福岡もようやく相手陣奥でラインアウトのチャンスを得るが、スローフォワードの反則で得点を挙げることができず、そのまま8-0でハーフタイムを迎えた。

後半も相手の攻撃よりディフェンスが上回り、互いにゴールラインを越えることができない。特に桐蔭学園はラインアウトで、相手のプレッシャーもありマイボールを14本中、半分しかキープできなかったことが響いた。

ボールをつないでトライを挙げた東福岡

後半16分、東福岡がボールを大きく動かして、右のライン際に張っていたキャプテンのNO8(ナンバーエイト)高比良恭介(3年)が相手を吹き飛ばし大きくゲイン、WTB深田衣咲(2年)、CTB神拓実(3年)とつないで、右端にトライを挙げて、3点差に迫る。

第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】決勝 桐蔭学園 vs. 東福岡|ハイレベルな攻防戦を制したのは桐蔭学園

その後、東福岡が何度も攻め込むが、桐蔭学園はキャプテンNO8城央祐(3年)がモールパイルアップを誘ったり、スクラムを押し込んで反則を誘ったり、さらにロスタイムには途中出場のHO(フッカー)田中健心(3年)がジャッカルを決めたりするなど、最後までディフェンスの集中力を切らすことなく、相手に得点を与えなかった。

ノーサイド、歓喜の桐蔭学園

結局、後半は得点をあげることはできなかったが、相手を1トライに抑えた桐蔭学園が8-5で逃げ切ってノーサイドを迎えた。桐蔭学園は花園の決勝で、初めて東福岡に勝利。3年ぶり4度目の優勝、そして春の選抜に続き、冬の花園で「2冠」に輝いた。

なお、決勝戦で互いに得点が1桁だったのは、平成以降、トライが5点になってからは初めてで、1987年度の第67回大会(秋田工業 9-4 相模台工)以来36年ぶりだった。

NO8高比良主将(東福岡)

東福岡のNO8高比良主将は「ただただ、悔しい。自分たちの持っている力を出せたと思うが、相手のディフェンスが固くて、こじ開けることができなかった。ゴール前まで攻めたが、そこで守り切るのが桐蔭学園さんの強さだったし、完敗だった」と目を赤くしながら話した。

桐蔭学園の藤原秀之監督は「生徒たちは、すごいことをやったなと思う。東福岡さんに決勝で勝ったことが一度もなかったので、また新たな桐蔭学園ラグビー部の歴史を作ってくれた。最高のチームでした」と選手たちを称えた。

終盤のスクラムは桐蔭学園が優勢

HO佐藤健次(早稲田大学3年)に憧れて茨城から進学したという城主将は「まだ実感は湧いていないが、うれしい。(優勝は)こんな景色だったんだな……」とコメント。

そして、「桐蔭学園の一員として新たな歴史を築くことができて良かった。自分たちでシンプルに身体をバチバチ当てて、自陣からでも継続して自分たちのラグビーをしようと、ミーティングで腹を決めたことをやることができた」と笑顔で話した。

城キャプテン(右/桐蔭学園)

桐蔭学園の今季のスローガンは「徹」。まさしく、自分たちがミーティングで決めたことを徹底して、優勝をたぐり寄せた。

昨季は花園の神奈川予選決勝で苦杯を舐めた「東の横綱」桐蔭学園が、その悔しい思いを糧に、今季、練習試合も含めて15人制では無敗で駆け抜け、頂点に立った。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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