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春の選抜と合わせ2冠を狙う桐蔭学園
12月27日から大阪・東大阪市花園ラグビー場で開催されている「花園」こと、第103回全国高校ラグビー大会。1月7日(日)午後2:05には、いよいよ決勝が行われる。カードは順当に春の王者・桐蔭学園(神奈川)と、連覇を目指す東福岡(福岡)のAシード同士の激突となった。
◆1月7日(日)決勝戦組み合わせ
・午後2:05 桐蔭学園(神奈川)vs.東福岡(福岡)
4回目の優勝を目指す桐蔭学園と、単独3位となる通算8回目の優勝を狙う東福岡。花園の決勝では過去2回対戦しており、2009年度は東福岡が31-5で勝利し、2010年度は31-31と同点で両校優勝だった。
また、今季は春の選抜決勝で対戦し、桐蔭学園が34-19で勝って優勝。夏の練習試合でも、桐蔭学園が僅差で勝利したという。一方、国体では東福岡主体の福岡が桐蔭学園主体の神奈川を38-17で下している。いずれにせよ決勝にふさわしい対戦となった。
トライを挙げる東福岡WTB西浦
Aシードの桐蔭学園、東福岡ともに花園は2回戦から登場し、桐蔭学園は平均58.5得点で6失点(4試合:234得点/24失点)、東福岡は平均51.5得点で9.5失点(206得点/38失点)と、ともに攻撃力、ディフェンス力ともに群を抜いている。
◆桐蔭学園の勝ち上がり(☆:Bシード)
・2回戦:92-0 松山聖陵(愛媛)
・3回戦:83-0 光泉カトリック(滋賀)
・準々決勝:38-24 東海大大阪仰星(大阪第3☆)
・準決勝:25-0 大阪桐蔭(大阪第2☆)
◆東福岡の勝ち上がり(★:Aシード)
・2回戦 71-0 朝明(三重)
・3回戦 59-0 名護(沖縄)
・準々決勝 28-10 茗渓学園(茨城☆)
・準決勝 50-28 佐賀工業(佐賀★)
準決勝で相手を零点に抑えた桐蔭学園
春の王者・桐蔭学園の強みはなんといってもFW(フォワード)の力強さだろう。キャプテンNO8(ナンバーエイト)城央祐を筆頭に、PR(プロップ)井吹勇吾、前田麟太朗の第1列、スピードもあるLO(ロック)中森真翔(いずれも3年)、ハードタックラーのFL(フランカー)申驥世(2年)と個性のある選手が揃う。セットプレー、接点も強く走れるFW陣だ。
BK(バックス)もSO(スタンドオフ)萩井耀司、キッカーも務めるFB(フルバック)吉田晃己(ともに3年)のゲームコントローラー、縦に強い副将のCTB(センター)白井瑛人(3年)、エースのWTB古賀龍人(2年)らとタレントが並ぶ。
桐蔭学園の藤原秀之監督は「Aシード同士で対戦できることを楽しみにしています。(準決勝のディフェンスは)良かったが、ブレイクダウン、ラインアウトはもう少し頑張ってほしいし、取るところでしっかり取ってほしい。決勝は気を充実させて動けるかがポイント。すごくタイトな試合になるし、ボールもワイドに動くので相手に対応できるか、ですね」と話した。
昨季の花園は出場できず、チームメイトと観戦に来たというNO8城キャプテンは「(昨季の花園予選決勝で負けて)その悔しさを糧に春、夏としんどいことを乗り越えてきた。もう1つ勝って優勝して、神奈川に帰りたい」と静かに闘志を燃やしていた。
連覇を目指す東福岡の高比良キャプテン
一方の東福岡もFW、BK陣のメンバーに隙はない。キャプテンNO8高比良恭介を筆頭に、PR沢田海盛、茨木海斗、HO(フッカー)田中京也、LO倉掛太雅、坪根章晃、ジャッカルば武器のFL松崎天晴(いずれも3年)らと接点でファイトできる選手が並ぶ。
BK陣もテンポのいいパスが武器のSH利守晴、キックのゲームコントロールが長けた井上晴生(ともに3年)のハーフ団を中心に、CTB神拓実、村上有志、エースWTB(ウィング)西浦岳優、FB隅田誠太郎(いずれも3年)とランナーが揃う。
東福岡の藤田雄一郎監督は「ディフェンスは今季のチームの持ち味です。花園に来てから成長している。春は準備期間が2ヶ月くらいしかなかったが、そこからどれだけ追いついているか、離されているか。うちはチャレンジャーなので、食らいついていきたい」と話した。
優勝した昨季の決勝、東福岡の先発メンバーは全員3年生で、当時、2年生だったNO8高比良主将はメンバー入りしたが、試合に出場してない。そのため「昨季はベンチで見ていた日本一の光景を、今度は自分たちの手でつかみ取りたい」と語気を強めた。
優勝旗「飛球の旗」を手にするのは「桐蔭ブルー」のキャプテンか、「モスグリーン」のスキッパーか。今季の高校ラグビーを締めくくるのにふさわしい桐蔭学園vs.東福岡の頂上決戦は、1月7日(日)午後2:05に東大阪市花園ラグビー場でキックオフされる。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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