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トライを挙げる東福岡NO8高比良キャプテン
大阪・東大阪市花園ラグビー場で開催されている「花園」こと、第103回全国高校ラグビー大会。1月5日(金)は準決勝の2試合が開催された。
トライを挙げる東軍SH依田泰門
準決勝に先駆けて、午前11:00から単独校で15人制の試合に参加できなかった選手が出場する『第16回U18合同チーム東西対抗戦』が行われた。試合は東軍が10-3とリードして折り返す。後半、一時は17-24と逆転されたが、終了間際に2トライを挙げた東軍が29-24で再逆転の末、勝利した。
◆準決勝の試合結果(★:Aシード/☆:Bシード)
○桐蔭学園(神奈川★)25-0 大阪桐蔭(大阪第2☆)●
●佐賀工業(佐賀★)28-50 東福岡(福岡★)○
午後0:45からの第1試合は『桐蔭対決』となり、4度目の優勝を目指すAシードで春の王者・桐蔭学園(神奈川)に、2度目の優勝を狙うBシードの大阪桐蔭(大阪第2)がチャレンジした。なお、花園での『桐蔭対決』は6度目で、過去の対戦成績は桐蔭学園が3勝2敗とリードしていた。
先制トライを挙げる桐蔭学園
先制したのは桐蔭学園。前半7分、ハーフウェイライン付近からのラインアウトのボールをFW(フォワード)、BK(バックス)一体となって継続し、最後はゴール前でFWが力強さを見せ、ラックからPR(プロップ)前田麟太朗(3年)が体格を活かして右中間にグラウンディング。FB(フルバック)吉田晃己(3年)がゴールを決めて、7点を先制した。
PGを決める桐蔭学園FB吉田
さらに10分にも、FB吉田がPG(ペナルティゴール)を決めて10点をリードすると、その後も接点、展開力で上回る桐蔭学園が相手陣でプレーを続けるが、地元の大阪桐蔭もディフェンスで粘りを見せてゴールラインを割らせず、そのまま10-0でハーフタイムを迎える。
トライを挙げた桐蔭学園2年のWTB古賀
後半、拮抗を破ったのはやはり「東の横綱」桐蔭学園だった。相手陣のラインアウトからボールを動かし、左サイドでWTB(ウィング)古賀龍人(2年)がボールを裏に蹴り、スピードを活かしてそのままトライを挙げ、15-0とリードした。
第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会
【ハイライト動画】準決勝 桐蔭学園 vs. 大阪桐蔭|桐蔭学園が大阪桐蔭を完封
20分にも桐蔭学園がボールを動かして、FB吉田が抜け出し、最後はSH(スクラムハーフ)渡邉晃樹(3年)が中央にトライ。27分にはFB吉田がPGを沈めて25-0として、そのままノーサイドを迎えた。4度目の優勝を目指す桐蔭学園が、3大会ぶりの決勝進出を決め、大阪桐蔭は3位で大会を終えた。
桐蔭学園は相手を零点に抑えた
桐蔭学園のキャプテンNO8(ナンバーエイト)城央祐(3年)は「押される場面もあったが、プラン通りにできた。FWでいい勝負ができて、BKも走ってくれた。エリアを取って、敵陣で相手FWの強さを出させなかったことが大きかった。決勝では相手がどこであれ、強みであるFWを当ててから始めたい」と納得の表情を見せた。
3位の賞状を受け取る大阪桐蔭CTB林田主将
一方、大阪桐蔭のCTB林田力主将は「点差は開いてしまったが、前半はロースコアで折り返して、ディフェンスは粘り強くできたので、1年間やってきたことが出せた。相手のプレッシャーのかけ方がうまくて、想定外のところで慌ててしまったことがエラーにつながってしまった」と悔しそうに話した。
午後2:30にキックオフされた第2試合は、夏の7人制大会王者の佐賀工業(佐賀)と、連覇を狙う東福岡(福岡)が対戦する、Aシード同士の『九州対決』となった。なお、東福岡と佐賀工業の花園での対戦は5度目で、準決勝での対戦は初、過去の対戦成績は、東福岡が4勝0敗とリードしている。
PGを決める佐賀工業SH井
先制したのは東福岡だった。前半3分、ボールを外へと展開し、パスがやや乱れたが、CTB(センター)村上有志(3年)がパスダミーから抜け出して左中間にトライを挙げた。佐賀工業も反撃し7分にはSH井上達木(3年)がPGを決め、11分にはSO(スタンドオフ)服部亮太(3年)が、DG(ドロップゴール)を沈めて、6-5と逆転に成功する。
しかし、東福岡は12分、相手キックからカウンターを仕掛けてCTB神拓実(3年)がトライを挙げ、すぐに12-6と逆転に成功した。佐賀工業も再びPGを決めるが、20分、東福岡はSO井上晴生(3年)の「50:22」キックから相手陣奥でラインアウトのチャンスを得て、最後はラックからSH利守晴がトライ。
第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会
【ハイライト動画】準決勝 佐賀工業 vs. 東福岡|東福岡が8トライの猛攻で決勝へ
さらに26分、自陣10mの中央スクラムから「9-8」のサインプレーで左サイドを攻め、最後はWTB西浦岳優(3年)がトライを挙げて、24-9と大きくリードして前半を折り返した。
後半も主導権を握った東福岡が攻撃の手を緩めず、6分、モールからFL(フランカー)松崎天晴(3年)が抜けだし、最後はフォローしたキャプテンNO8高比良恭介(3年)が左中間にトライ。
2トライを挙げた東福岡WTB西浦
17分にはラインアウトからボールを継続し、再びNO8高比良がトライ。さらに20分、相手キックオフからボールを継続し、最後はWTB西浦がインゴールに飛び込み、43-9として勝負を決めた。
佐賀工業も残り5分、SO服部を中心に果敢にアタックを仕掛け、途中出場のWTB内田内田慎之甫(2年)が、ハットトリックを達成したものの、時すでに遅かった。試合は、8トライを重ねた東福岡が九州のライバルを下し、50-28で快勝した。8大会目の優勝を目指す東福岡は2年連続の決勝進出、佐賀工業は3位で大会を終えた。
東福岡のNO8高比良キャプテンは「相手の強みを理解して戦った。相手の力以上にこっちの準備が上回った。試合の60分間を通して、相手のエリアを取ってくるキックに、プレッシャーをかけ続けることができた」と胸を張った。
3位の佐賀工業、賞状を受け取る大和主将
佐賀工業キャプテンCTB大和哲将は「花園でチームのために身体を張り続けると決めていたが、前半から自分がピンチを作ってしまって申し訳ない気持ち。勝たないといけないと、自分たちでプレッシャーをかけてしまった」と目を赤くして話した。
花園の決勝は春の王者・桐蔭学園と連覇を目指す東福岡のAシード同士の激突となった。
◆1月7日(日)決勝戦組み合わせ
午後2:05 桐蔭学園(神奈川★)vs.東福岡(福岡★)
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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