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東芝ブレイブルーパス東京 vs. クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
12月16、17日の第2節で2日続けて最多入場者記録が更新されるなど過去最高の盛り上がりを見せているジャパンラグビー リーグワンのディビジョン1は、今週末に第4節が行われる。今シーズン初のバイウィーク(試合のない週)を挟んで迎える2024年最初の週末で注目されるのが、3連勝中の東芝ブレイブルーパス東京と昨季王者クボタスピアーズ船橋・東京ベイの一戦だ(1月7日14時30分キックオフ@等々力陸上競技場)。
まずはそれぞれの過去3節の戦績を振り返ってみよう。ブレイブルーパスは静岡ブルーレヴズとの初戦で7トライを挙げて43-30で白星スタートを切ると、続く東京サントリーサンゴリアスとの“府中ダービー”にも26-19で勝利。コベルコ神戸スティーラーズと激突した3戦目は一進一退の壮絶な点の取り合いを46-39で制し、開幕3連勝を飾った。勝ち点1差で首位の座こそ埼玉パナソニックワイルドナイツに譲っているものの、ここまで全勝はこの2チームだけで、好調ぶりが目を引く。
D1順位表(1/5)
試合内容を見ると、コリジョンの局面で相手を圧倒する往時の力強さが、よりスケールを増して戻ってきた印象だ。特に際立っているのが今季加入した2人のオールブラックス、FLシャノン・フリゼルとSOリッチー・モウンガで、フリゼルは猛烈な推進力を武器にここまでリーグトップの5トライをマークするなど、突破役として絶大な存在感を誇示。モウンガも世界最高レベルのゲームコントロール力をいかんなく発揮してメンバーのポテンシャルを存分に引き出し、チームを牽引している。
対するスピアーズは、現在1勝2敗の勝ち点6で8位。開幕節のサンゴリアスとの大一番に26-52と完敗し、第2節でD1初昇格の三重ホンダヒートに75-0と大勝したものの、前節はブルーレヴズにラストプレーで逆転を許し苦い2敗目を喫した(19-23)。HOマルコム・マークス、SH谷口和洋ら昨季の優勝を支えた複数の主軸がケガで離脱した影響はやはり大きく、仕上がりがやや遅れ気味である感は否めない。
ただ、マークスのカバーで急遽獲得したニュージーランド代表90キャップのHOデイン・コールズと、同じく今季新加入のウエールズ代表84キャップ、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズでも5キャップを有するWTB/FBリアム・ウィリアムズが前節ついに初出場を果たし、ここからチーム力を伸ばしてくるのは間違いないだろう。中2週の十分な準備期間を経て迎える今節で、大きく良化したパフォーマンスを披露する可能性は十分ある。
両チームのスタッツ比較
両チームのスタッツの比較で特徴的なのは、ラインブレイクの数だ。ボールキャリー数やゲインメーターはさほど差がないものの、ラインブレイクはブレイブルーパスの17に対し、スピアーズが41(リーグ最多)と大きく上回っている。逆にブレイブルーパスが上回っているのはオフロードパスの数で(31=リーグ5位と24=リーグ7位)、スピアーズが相手防御を抜いて前に出る力に長けている一方、ブレイブルーパスはタックルを受けながらパスでつなぐアタックスタイルであることがうかがえる。
キックオフ48時間前に発表された登録メンバーをチェックすると、ブレイブルーパスの前節からの先発変更は2人。右FLが伊藤鐘平から佐々木剛に替わり、14番はジョネ・ナイカブラが外れて濱田将暉が入った。その他の13人は同じ顔ぶれだ。
一方のスピアーズは、2週前のブルーレヴズ戦のスタメンから4人を入れ替えた。両LOがヘルウヴェとデーヴィッド・ブルブリングのコンビに替わり、左FLにはピーター・ラピース・ラブスカフニが2試合ぶりに復帰。BKでは立川理道がインサイドCTBからSOに上がり、リカス・プレトリアス が12番を背負って登場する。
ちなみにリーグワンが始まった2022年以降の2シーズンの対戦成績では、スピアーズが3戦全勝(リーグ戦2勝、プレーオフトーナメント1勝)と優勢。それだけに今回ホストのブレイブルーパスは強い意気込みでこのゲームに臨んでくるだろう。ディビジョン1屈指の強靭なフィジカリティを誇る両チームの激突。見応えあるファイトが最後まで繰り広げられそうだ。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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