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攻撃的ラグビーで勝るのは? 3位サンゴリアスに4位スティーラーズが挑む サベア、ケインのオールブラックスFW 第三列対決も
村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一東京サンゴリアス vs. コベルコ神戸スティーラーズ
第4節屈指の好カードだ。ジャパンラグビーリーグワン2023-24は、1週の休みをはさんで1月6日(土)に再開される。6日、秩父宮ラグビー場(東京都港区)では、2勝1敗(勝ち点11)で3位の東京サントリーサンゴリアス(東京SG)と、同じく2勝1敗(勝ち点9)で4位につけるコベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)が対戦する。互いに多彩な攻撃力を持つチーム同士の戦いは、スピーディーな試合展開になるだろう。
ホストゲームとなる東京SGは、12月24日(日)に行われた第3節で、三重ホンダヒートと対戦し、34-16で勝利した。山本凱、下川甲嗣の若い両FLが序盤にトライをして主導権を握り、加入2シーズン目のSO高本幹也が正確なキックで地域を獲得するなど、若い力が躍動した。三重Hの健闘もあってスコアは伸びなかったが、計6トライをあげ、3トライ以上差をつけるボーナス点も獲得する快勝だった。
神戸Sは東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)に39-46で敗れた。互いに大きくボールを動かして攻め合う好ゲームだったが、BL東京のFLシャノン・フリゼルに4トライを奪われ、インターセプトからトライされるなど失点が多すぎた。しかし、BL東京の快足WTBジョネ・ナイカブラの独走をNO8ティエナン・コストリーが追いついて止めるなど観客を沸かせるプレーも多かった。3試合でのトライ数は21で、首位の埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)に次いで2位。東京SGの15トライと差をつけている。
キックオフ48時間前に発表された両チームのメンバーだが、東京SGの先発15人は第3節とほぼ同じ。SHのみ齋藤直人に代わってベテランの流大が先発する。齋藤はリザーブからのスタートだ。キャプテンのHO堀越康介、23歳の山本、24歳の下川というFLコンビと、オールブラックスのキャプテンだったNO8サム・ケインがFW第三列を形成する。流とコンビを組むSOは22歳の高本。南アフリカ代表のWTBチェスリン・コルビは引き続き11番を背負い、松島幸太朗はFBに入る。WTB尾崎晟也とのバックスリーの決定力は神戸Sにとって脅威だ。
対する神戸Sは、第3節から先発で2名の変更。FW第一列の1番、2番が、中島イシレリと松岡賢太。前節先発だった高尾時流、北出卓也はリザーブに回った。ポジションでは、CTB李承信、ナニ・ラウマペの背番号は12番と13番で入れ替わる。キャプテンを務めるのはオールブラックスのLOブロディ・レタリック。FLサウマキアマナキ、FLアーディ・サベア、NO8コストリーのFW第三列は推進力がある。Optaのスタッツによると、神戸Sは今季ディビジョン1で唯一ゲインラインを超えるボールキャリーの割合が60%を超えているチーム(62%)で、相手を押し込んで前進するドミナントキャリー率でもディビジョン2位(65%)、これは埼玉WK次ぐ記録だ。コストリーは今季タックル数でディビジョン1最多を記録(51)。サベアはタックル成功率がディビジョントップの98%(41/42、タックル20以上の選手限定)。両選手のチームへの貢献度は多大だ。
一方、東京SGの今季1試合平均のプレー中のキック回数は30以上でディビジョン1最多を記録(32.3)、1試合平均のキッキングメーター数でもディビジョントップ。ボールを保持して攻めるイメージがあるが、キックを効果的に使って地域を進めている。東京SGの松島幸太朗と、神戸Sの山中亮平の日本代表FB対決ほか、個々のマッチアップも楽しみな試合だが、東京SGのNO8サム・ケインと、サベアとのオールブラックス(ニュージーランド代表)対決は互いに意地もあり、激しくコンタクトするだろう。見逃せない戦いだ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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