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ラグビー コラム 2024年1月3日

【ハイライト動画あり】Aシードの桐蔭学園、東福岡、佐賀工業とBシードの大阪桐蔭がベスト4。全国高校ラグビー大会 準々決勝

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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トライを挙げる東福岡LO坪根

大阪・東大阪市花園ラグビー場で開催されている「花園」こと、第103回全国高校ラグビー大会。1月3日(水)は準々決勝の4試合が行われた。

元日には3回戦の8試合が行われ、ベスト8が決まった。昨季の王者で7度の優勝を誇る東福岡(福岡)、春の選抜大会の王者で3度優勝の桐蔭学園(神奈川)、花園で初優勝を狙う夏の7人制大会王者・佐賀工業(佐賀)のAシード3校は順調に勝ち上がった。

他には優勝6回の東海大大阪仰星(大阪第3)、3回戦が初戦となった中部大春日丘(愛知)、優勝1回の茗渓学園(茨城)と大阪桐蔭(大阪第2)のBシード4校、そしてノーシードから流経大柏(千葉)が準々決勝に進出した。前回大会はゼロだったが、今大会は東日本勢の4校が8強に残った。

◆準々決勝の試合結果(★:Aシード/☆:Bシード)

○桐蔭学園(神奈川★)34-24 東海大大阪仰星(大阪第3☆)●
●中部大春日丘(愛知☆)16-31 佐賀工業(佐賀★)○
○東福岡(福岡★)26-10 茗溪学園(茨城☆)●
●流経大柏(千葉)13-19 大阪桐蔭(大阪第2☆)○

トライを挙げる桐蔭学園HO川口

第1試合はAシードの桐蔭学園に、Bシードの東海大大阪仰星がチャレンジした。FWの接点、セットプレーで上回る桐蔭学園は前半から主導権を握り、2分にHO(フッカー)川口翔大(3年)、15分にLO(ロック)中森真翔(3年)がトライ。

トライを挙げた桐蔭学園の副将CTB白井

さらに19分にはFB(フルバック)吉田晃己(3年)がDG(ドロップゴール)を決めて、17-0とリードを広げる。その後、東海大大阪仰星が1本トライを返したが、桐蔭学園は前半終了間際に、CTB(センター)白井瑛人(3年)がトライを挙げて24-5で前半を折り返した。

後半、2トライを挙げた東海大大阪仰星の東

後半、桐蔭学園はSO(スタンドオフ)萩井耀司(3年)が再びDGを決めて、27-5とリードを広げた。東海大大阪仰星もWTB(ウィング)東佑太(1年)らが3トライを挙げ、10点差に迫ったが桐蔭学園が34-24で逃げ切り、2年ぶりにベスト4進出を決めた。

第103回全国高等学校ラグビーフットボール大会

【ハイライト動画】準々決勝 東福岡 vs. 茗溪学園|連覇を目指す東福岡がベスト4へ

ゴールを決める佐賀工業SH井上

第2試合は2度目の8強となったBシードの中部大春日丘が、初の花園優勝を目指すAシードの佐賀工業に挑んだ。序盤、佐賀工業はSH(スクラムハーフ)井上達木(3年)が相手の隙を突いてトライ。さらにSO服部亮太(3年)がボールを動かし、WTB内田慎之甫(2年)がトライを挙げて、14点をリードする。その後、互いにPG(ペナルティゴール)を決め合い、佐賀工業が17-6で前半を折り返した。

後半、奮闘した中部大春日丘FW陣

後半2分、佐賀工業FW(フォワード)陣が強さを見せ、LO古賀大輝(3年)がトライを挙げてリードを18点差に広げる。その後、中部大春日丘のFW陣も奮闘し、NO8(ナンバーエイト)浜浦幸太郎(3年)、途中出場のLO中岡碧人(3年)がトライを挙げて8点差に迫る。しかし、ラストプレーで再びWTB内田がトライを挙げた佐賀工業が、31-16で勝利し、13年ぶりにベスト4に進出した。

モールを押し込む東福岡

第3試合は連覇を目指すAシードの東福岡に、Bシードの茗溪学園がチャレンジした。先制したのは東福岡。8分、ボールを動かし、SH利守晴(3年)からボールを受け取ったSO井上晴生(3年)が左中間にトライ。茗溪学園もモールを起点に最後はHO川村航平(3年)が持ち出して、右中間にトライを挙げて5-5とした。だが、25分には連続攻撃のから、SH利守がラックから持ち出してトライを挙げ、東福岡が12-5で前半を折り返した。

トライを挙げて喜ぶ茗溪学園

後半、東福岡が相手の粘り強いディフェンスの中でも攻撃を継続し、12分、LO坪根章晃(3年)がトライを挙げて14点差とリードを広げた。22分、茗溪学園もボールを動かし、相手ゴール前に迫り、途中出場のLO大畠弘成(2年)がトライを挙げたが、東福岡も試合終了間際にFL(フランカー)松崎天晴(3年)がトライを奪い、26-10で勝利した。東福岡は11年連続のベスト4進出となった。

第4試合はノーシードながら8強に上がってきた流経大柏が、Bシードの地元・大阪桐蔭と激突した。春の選抜では大阪桐蔭が20-0で勝利していた。流経大柏は前半3分、SH三田村喜斗(3年)がPGを決めて3点を先制する。

トライを挙げて喜ぶ大阪桐蔭

だが、FWの地力で勝る大阪桐蔭は14分、ラインアウトモールからHO西野陽(3年)がトライを挙げて、7-3と逆転に成功する。流経大柏も負けておらず、22分にPGを決めると、前半のロスタイムにボールを動かしFB丸岡大地斗(3年)がトライを決め、13-7とリードして後半を迎えた。

流経大柏は後半無得点に終わった

後半はFWの接点、セットプレーで上回る大阪桐蔭がペースを握り、2分に再びモールからHO西野がトライを挙げて14-13と逆転。その後、大阪桐蔭は、相手の粘りのディフェンスに追加点を挙げることができなかったが、29分、HO西野がモールから3本目のトライを挙げて19-13とリードを広げて勝利した。大阪桐蔭は5大会ぶりの4強となり、大阪勢の意地を見せた。

桐蔭学園、佐賀工業、東福岡とAシードの3チームは順当にベスト4入りし、もう1校は大阪勢のBシードの大阪桐蔭となった。

◆準決勝組み合わせ

午後0:45 桐蔭学園(神奈川★)vs. 大阪桐蔭(大阪第2☆)
午後2:30 佐賀工業(佐賀★)vs. 東福岡(福岡★)

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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