【ハイライト動画あり】正月越えのベスト16が出揃う。流経大柏、天理がシートバック。全国高校ラグビー大会 2回戦の結果

モールからトライを挙げる天理FL内田

東大阪市花園ラグビー場を中心に開催されている「花園」こと、第103回全国高校ラグビー大会。12月30日（土）の2回戦はシード13校が登場し、大会最多の15試合（中部大春日丘戦vs.高松北は高松北が棄権）が行われた。強豪校や大阪3校や京都、兵庫など関西勢のチームも多く出場するため、花園が最も盛り上がる1日となった。

連覇を狙う東福岡（福岡）、春の王者・桐蔭学園（神奈川）、夏の7人制王者の佐賀工業（佐賀）のAシード3校、そして中部大春日丘（愛知）以外のBシード9校が初戦を迎え、シードバックが起こるかも焦点となった。また、第1グラウンドではエディー・ジョーンズ次期日本代表HC（ヘッドコーチ）も見守る中で試合が行われた。

★全試合のハイライト動画はこちらから。

◆第1グラウンド結果（★：Aシード、☆：Bシード）

○佐賀工業（佐賀★）52-7 高鍋（宮崎）●
○天理（奈良）27-15 関西大北陽（大阪第1☆）●
○茗渓学園（茨城☆）50-3 日本航空石川（石川）●
●川越東（埼玉）19-31 光泉カトリック（滋賀）○
○石見智翠館（島根☆）36-26 京都成章（京都）●
●朝明（三重）0-71 東福岡（福岡★）○

Aシードの佐賀工業が快勝

第1グラウンドでは6試合が行われた。第1試合は、夏の7人制王者でAシードの佐賀工業（佐賀）が高鍋（宮崎）と九州勢対決。FW（フォワード）戦で優位に立った佐賀工業は、前半からWTB（ウィング）内田慎之甫（2年）らがトライを重ね、計8トライを挙げて52-7で快勝した。

天理がシードバック

第2試合は、大阪勢としては20年ぶりの初出場で、Bシードにも選ばれた関西大北陽（大阪第1）と、昨季ベスト4ながら今大会はノーシードになった天理（奈良）が激突。ディフェンスに自信のある両チームの対戦は予想通り接戦となったが、天理がFL（フランカー）内田旬（2年）の2トライなどで27-15、Bシードを下して3回戦に進んだ。

茗渓学園は快調なスタート

第3試合は伝統のBK（バックス）だけでなく、今季はFWも力強いBシードの茗渓学園（茨城）が、北信越王者でフィジカルの強い日本航空石川（石川）の挑戦を受けた。展開力に長けている茗渓学園がシード校の力を発揮し、キャプテンWTB森尾大悟（3年）のハットトリックを含む8トライを挙げて50-3で快勝した。

ノーシードから3回戦に進んだ光泉カトリック

第4試合はノーシード校同士、川越東（埼玉）と光泉カトリック（滋賀）の対戦となった。試合は展開力に勝る光泉カトリックが攻撃力で上回り、WTB岡本龍弦（3年）らが5トライを重ねて31-19で勝利した。

石見智翠館は難敵に勝利

第5試合はBシードの石見智翠館（島根）と、ディフェンス力に定評ある実力校・京都成章（京都）の激突となった。後半途中まで、19-19と競る展開となったが、石見智翠館が前への推進力で上回り、LO（ロック）山根風雅（2年）らがトライを挙げ、36-26で勝利した。

東福岡、連覇へ好発進

第6試合は朝明（三重）が、Aシードの昨季王者・東福岡（福岡）にチャレンジした。FWの接点で圧力、展開力に勝る東福岡が、前半からキャプテンNO8（ナンバーエイト）高比良恭介、CTB（センター）村上有志（ともに3年）らがトライを重ねて71-0と圧勝した。

◆第2グラウンド結果

●静岡聖光学院（静岡）5-55 目黒学院（東京第2）○
○中部大春日丘戦（愛知☆）vs.高松北（香川）●
※高松北の棄権により中部大春日丘が不戦勝
●仙台育英（宮城）0-74 大分東明（大分☆）○
○報徳学園（兵庫☆）45-13 明和県央（群馬）●
●鹿児島実業（鹿児島）7-57 大阪桐蔭（大阪第2☆）○

目黒学院1年のNO8ロケティ

第2グラウンドでは5試合が行われた。第1試合はノーシード校同士の静岡聖光学院（静岡）と、目黒学院（東京第1）が対戦した。FWの推進力で勝る目黒学院が前半から主導権を握り、NO8ロケティ・ブルースネオル（1年）が、4トライを挙げる活躍を見せて、55-5で圧倒した。<

第2試合は15人の登録メンバーで大会に挑んだ高松北（香川）が1回戦に勝ったものの、負傷者が出てしまい、2回戦で15名が揃わないため棄権。試合が行われず、Bシードの中部大春日丘の不戦勝となった。

パワーを見せつけた大分東明

第3試合は仙台育英（宮城）がBシードの大分東明（大分）にチャレンジした。FWの圧力で上回る大分東明が前半から主導権を握り、NO8ガロビィ・イオセフォ（2年）の2トライを含む12トライの猛攻を見せて74-0で圧勝した。

昨季準優勝の報徳学園は7トライ

第4試合は昨季準優勝のBシード報徳学園（兵庫）が明和県央（群馬）のチャレンジを受けた。報徳学園がセットプレーを起点にトライを重ねて、WTB長谷川諒（3年）2トライを含む7トライを挙げて45-13で勝利した。

大阪桐蔭がFW戦で圧倒

第5試合は鹿児島実業（鹿児島）が、Bシード大阪桐蔭（大阪第2）に挑んだ。FWのフィジカル、セットプレーで上回る大阪桐蔭はHO（フッカー）西野陽（3年）のハットトリックなど9トライを挙げて、57-7で快勝した。

◆第3グラウンド結果
●尾道（広島☆）21-32 流経大柏（千葉）○
●長崎南山（長崎）5-71 國學院栃木（栃木☆）○
○桐蔭学園（神奈川★）92-0 松山聖陵（愛媛）●
●高川学園（山口）0-86 東海大阪仰星（大阪第3☆）○
●城東（徳島）21-38 名護（沖縄）○

シードバックを達成した流経大柏

第3グラウンドでも5試合が行われた。Bシードの尾道（広島）に、千葉の強豪・流経大柏が挑んだ。前半こそ尾道がリードしたものの、FWのセットプレー、フィットネスで上回った流通経済大柏が、NO8佐藤椋介（3年）らのトライで逆転。32-21で勝利し、シードバックを達成した。

12トライをあげた國學院栃木

第2試合は長崎南山（長崎）と、春の選抜ベスト4のBシード國學院栃木（栃木）が対戦した。展開力、ディフェンス力に長けた國學院栃木が前半からトライを重ねてCTB（センター）福田正武（3年）・WTB恒秀道（1年）の兄弟が躍動。12トライを挙げて71-5と圧倒した。

FWの力強さで圧倒したAシードの桐蔭学園

第3試合はAシードの桐蔭学園（神奈川）に、四国王者の松山聖陵（愛媛）が挑んだが、FWの圧力、BKの展開力で上回る桐蔭学園が前半から圧倒。WTB古賀龍人（2年）が4トライと活躍するなど、計13トライを挙げ、92-0で大勝した。

巧さを見せた東海大大阪仰星

第4試合は初出場ながら、1回戦で初勝利を挙げた高川学園（山口）がBシードの東海大大阪仰星にチャレンジした。東海大大阪仰星はWTB村岡龍空（3年）がハットトリックを達成するなど、14トライを重ね86-0で大勝した。

トライを挙げる名護のエースFB宮里

第5試合はノーシード同士の城東（徳島）と名護（沖縄）が激突した。FWのセットプレー、前への推進力で上回った名護が、エースのFB（フルバック）宮里快一（3年）2トライなどで38-21で勝利した。

大会は3日目が終了し、元日の3回戦に進むベスト16が出揃った。2回戦でBシード2校が姿を消したが、他のシード校は順当に勝ち上がった。1月1日は第1グラウンド、第3グラウンドで、それぞれ4試合ずつ行われ、ベスト8が出揃い、第4試合終了後、主将による抽選で1月3日の準々決勝の組み合わせが決まる。

【1月1日（月）3回戦試合予定】

◆第1グラウンド
10:30　佐賀工業（佐賀★）vs.目黒学院（東京第2）
11:55　中部大春日丘（愛知☆）vs.國學院栃木（栃木☆）
13:20　桐蔭学園（神奈川★）vs.光泉カトリック（滋賀）
14:45　石見智翠館（島根☆）vs.大阪桐蔭（大阪第2☆）

◆第3グラウンド
10:30　流通経済大柏（千葉）vs.天理（奈良）
11:55　茗溪学園（茨城☆）vs.大分東明（大分☆）
13:20　報徳学園（兵庫☆）vs.東海大大阪仰星（大阪第3☆）
14:45　名護（沖縄）vs.東福岡（福岡★）

文／写真：斉藤健仁