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ラグビー コラム 2023年12月25日

【ハイライト動画あり】「最初から最後までフィジカルバトル」コベルコ神戸スティーラーズ×東芝ブレイブルーパス東京は壮絶な打ち合いに。NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24第3節

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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シャノン・フリゼル(東芝ブレイブルーパス東京)

東芝ブレイブルーパス東京、NO8リーチマイケル主将の言葉が激戦を物語っていた。

「最初から最後まで、フィジカルのバトルでした」

12月24日(日)、リーグワンD1(ディビジョン1)第3節の全勝対決。コベルコ神戸スティーラーズが、地元神戸にブレイブルーパスを迎えた対決は序盤から激戦だった。

ブレイブルーパスはHO原田衛が再三の突進。チーム最多14回のキャリー、最多6回のDF突破を記録するなど獅子奮迅だった。

 

一方、1万1096人が集ったノエビアスタジアム神戸で開幕3連勝を遂げたいスティーラーズは、強烈ランナーのFW第3列トリオ(FLサウマキアマナキ、FLアーディ・サベア、NO8ティエナン・コストリー)が好ランを繰り返した。

試合はスティーラーズが前半2分のPG成功で3点先取。しかしTMOでノートライ判定があるなど、序盤からミスにより効率的に得点できない。

「チャンスを作れているのが分かっていたが、潰してしまっていました」(スティーラーズ、LOブロディ・レタリック共同主将)

一方で高いプレー精度で効率的に得点したのがブレイブルーパス。

前半15分にはPK速攻から2フェーズ目でFLシャノン・フリゼルが逆転トライ。

NZ代表の29歳はこの日フィジカル勝負において、図抜けた存在感を発揮。前半28分にはバックスとのミスマッチを見つけると、ラック周辺の強攻を選んで2トライ目。ブレイブルーパスはさらに1トライを加え、14点(24-10)を先行した。

が、ここから今季スティーラーズの底力が光った。

松永貫汰(コベルコ神戸スティーラーズ)

まずランも脅威のSOブリン・ガットランドが正確なクロスキック。捕球したWTB松永貫汰が相手をかわして待望のトライ。PG加点も加え、じわり6点差(18-24)に詰めて後半に入った。

ブレイブルーパスは、勝利した前節(東京サンゴリアス戦)で「後半の入り」を課題に挙げていた。

そして今節は見事に克服。精度高く14次攻撃を重ねると、先発定着の元東海大主将、CTB眞野泰地がNZ代表LOレタリックを押し込んで後半最初のトライ。フィジカルの真っ向勝負でリードを広げた(31-19)。

ジャパンラグビー リーグワン2023-24 ディビジョン1

【第3節ハイライト動画】コベルコ神戸スティーラーズ vs. 東芝ブレイブルーパス東京

スティーラーズは「神戸コール」が響くなか、後半14分、CTBナニ・ラウマペが執念のトライ。ふたたび6点差(25-31)としたが、直後のスティーラーズは自陣脱出(イグジット)で痛恨ミス。

ゴール前のパスミス。これをFLフリゼルに捕られ、精神的なダメージも受けるソフト・トライを与えてしまった。

スティーラーズのデイブ・レニーHCは「マインドセットは良かったが、今日は精度に尽きます。ブレイブルーパスのような強い相手に対し、ソフトなトライを与えていては勝てません」と嘆いた。

苦労して得点しても、ミスから簡単にリードを広げられる。フラストレーションを溜めながらも、スティーラーズは粘り、闘い続けた。

後半30分には敵陣スクラムから、リーグ屈指の突進力を持つCTBマイケル・リトルが前進。脅威の粘りでトライラインに迫ると、TMO判定で、途中出場のSH日和佐篤のトライが認められた。

しかしブレイブルーパスは、セットプレーからの強烈な一撃で推進力をつくり、少ないフェーズで仕留めた。

シャノン・フリゼル(東芝ブレイブルーパス東京)

後半34分には一次攻撃でCTBタマニヴァルがロングゲイン。推進力を得ると、FLフリゼルがタックルを弾いて2フェーズ目でトライ。この日は自身4トライの大活躍となった。

それでも「神戸コール」の後押しを受けるスティーラーズは諦めない。

SOガットランドの突破から敵陣深くに侵入。するとSH日和佐がラック脇の間隙を察知。パスからランに切り替え、大歓声を呼ぶ自身2連続トライ。またも7点差(39-46)に迫ってみせる。

スティーラーズは81分になってラストアタック。2023年世界最優秀選手のFLサベアが強烈レッグドライブで前進する。

しかし殊勲は、ブレイブルーパスの20番、元大東文化大学主将の佐々木剛。この日途中出場から約30分で11タックルをノーミスで決めたハードワーカーが、LOワーナー・ディアンズと共にカウンターラックに成功。

ボールを奪ったブレイブルーパスが蹴り出し、両軍合計11トライの激戦に終止符。

スティーラーズはキャリー数などアタック数値で上回ったが、ブレイブルーパスは相手を上回る合計6トライを奪取。

5トライを奪ったものの今季初黒星を喫したスティーラーズのレニーHC、レタリック共同主将は、敗因について「プレーの精度」と口を揃えた。

「敗因はプレーの精度。ノックオンなどミスがありました。本当にフラストレーションの溜まる試合でした」(スティーラーズ、LOレタリック共同主将)

一方、敵地で開幕3連勝を飾ったブレイブルーパス。

指導5季目であり連携面では有利だったトッド・ブラックアダーHCは、内容に満足の様子だった。

「序盤にプレッシャーを受けましたが、立て直してくれました。いくつかの局面でやられましたが、アタックもディフェンスも大きな収穫がありました」

またNO8リーチ主将も「サンゴリアス戦の課題だったディシプリン、後半の入りは克服できた」と納得の表情だった。

「大事な場面で良いプレーができて、(今日の試合は)自分としては良かった。厳しい試合が続いているが、まだまだ成長していきたいと思います」(ブレイブルーパス、NO8リーチ主将)

4連勝を狙うブレイブルーパスは、年明けの1月7日(日)、静岡ブルーレヴズに敗れて1勝2敗となったクボタスピアーズ船橋・東京ベイと第4節で対戦する。

今季初黒星を喫したスティーラーズは、1月6日(土)、上京して2勝1敗の東京サンゴリアスとの対戦が待っている。

3季目のリーグワンD1は、昨季王者スピアーズが敗れるなど、すでに大混戦。いよいよ群雄割拠の様相を呈してきた。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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