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突破するFL三木主将
ラストワンプレーで逆転し、創部初の関西大学リーグ3連覇に輝いた京都産業大学。リーグ戦を終えて3週間を経た今、いよいよ全国大学選手権に登場し、大阪・ヨドコウ桜スタジアムにて早稲田大学を迎え撃つ。
1年越しの再戦。昨年度の大学選手権準決勝、京産大は早大にひたむきに喰らいつくも、あと1点及ばず33-34で惜敗した。出場していたキャプテンのFL(フランカー)三木皓正(済4=京都成章)は当時、「努力、ひたむきさ、どろくささがあと一歩足りていたら、この1点は埋まっていたと思う」と試合後に振り返った。
この1点を取り返すため、キャプテンとなった今年度はより厳しいチームを作ろうと、「鬼になる」と言ってチームを始動させた。
多くの主力選手が卒業し、新たにチームを作り直した京産大だったが、関西大学春季トーナメントでは優勝、関西リーグでも全勝で優勝を決める。しかし、春の優勝後の会見で三木が、「僕たちはまだ弱い」と話したように、目前の試合への勝利だけに集中し、その都度反省と修正を繰り返してきた。
関西リーグ中盤からは前方へ距離を詰めるディフェンスが確立。リーグを通して多くの選手がディフェンスに手応えを感じている。天理大学戦で決勝点となる逆転のキックを決めたFB(フルバック)辻野隼大(済3=京都成章)は「得点力よりも失点を少なくすることを大切にしている」とディフェンスをチームの強みとして語る。そのディフェンスから流れを呼び込みたい。
京産大の起爆剤NO8ポルテレも復帰
早大には、先週の法政大学戦で華麗なステップワークで2トライを決めたWTB(ウィング)矢崎由高や、キャプテンのFB伊藤大祐などタレントが揃っている。ボールを素早く横に展開させる攻撃力の高いラグビーに対し、三木は「相手の強みを消すのではなく、京産のラグビーをする」とし、強みのディフェンスで対抗する構えだ。
京都産業大学vs.早稲田大学
点の取り合いでは不利になると考えているため、反則に注意して出来るだけ長くボールを保持したい。そこでカギを握ってくるのがセットプレーだ。廣瀬佳司監督は昨年度の対戦について、「セットプレーでプレッシャーをかけられなかった。スクラムをうまく組ませてもらえず、組んでも早大にいなされていた」と振り返る。
だからこそ、スクラムやラインアウトでボールを保持し、それを簡単に渡さないことがポイントだとした。スクラムでは3番のヴェア・タモエフォラウ(現4=札幌山の手)が2試合ぶりに復帰する。「今年も1点差で負けるのはあり得ない。去年負けたセットピースで今年は勝ちたい」と意気込み、状態も万全だ。
キックが武器のSO吉本
さらに天理大学戦で負傷交代したNO8(ナンバーエイト)のシオネ・ポルテレ(現2=目黒学院)と、SO(スタンドオフ)吉本大吾(現2=東海大仰星)も先発に戻ってきた。ポルテレは「思いっきり早稲田を倒したい。トライよりもチームが苦しい時にボールを前に持っていきたい」と昨年のリベンジを誓った。
負けたら終わりの大学選手権。メンバー外の4年次生も全員が支えてくれていることに感謝した三木は「サポートは当たり前のことではない。そのためにも絶対に勝たないといけない」と前を向く。昨シーズンの国立競技場での忘れ物を取り返して、全員で年を越そう。さあ、リベンジを果たす時がきた。
文:大谷賢之介/写真:藤田芽生(京産大アスレチック)
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