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ラグビー コラム 2023年12月22日

関西王者・京産大、昨季のリベンジなるか。 準々決勝で関東対抗戦3位の早大と対戦。

村上晃一ラグビーコラム by 村上 晃一
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京都産業大学 vs. 早稲田大学

第60回を迎えた全国大学ラグビー選手権は、12月23日(土)、東京と大阪で準々決勝が行われる。大阪市長居のヨドコウ桜スタジアムでは、関西大学Aリーグ2位・天理大対関東大学リーグ戦1部優勝・東海大、関西王者・京産大対関東大学対抗戦A3位・早大の2試合が行われる。いずれも好勝負が期待されるが、京産大対早大は死闘を繰り広げた昨季の準決勝の再戦として注目度が高い。

第59回の準決勝は2023年1月2日に行われ、早大が34-33と1点差で競り勝って決勝に進出。京産大は初の決勝進出を逃している。京産大はそのとき出場したメンバーが先発で7人名を連ねる。2度同じ相手に負けたくない気持ちは強い。早大も同じく先発で7名が残る。勝利の歌「荒ぶる」を歌うために乗り越えなければならない戦いだ。

京産大は関西リーグを3年連続で制したが、優勝をかけた天理大との一戦は後半36分で9点のリードを許す苦しい戦いだった。後半38分、FB辻野隼大(3年)が約50mのPGを決めて6点差とすると、最後は交代出場のPR川口新太(3年)がトライ。辻野がゴールを決めて逆転する劇的な勝利だった。その試合から3週間、三木皓正キャプテン(4年)によれば、「プレーのディテールにこだわり、勝つ可能性を増やした」という。「早大の強みはアタックだと思うので、京産大らしいディフェンスで3-0でも勝てるプランで戦いたい」。

対する早大は12月3日の早明戦で、38-58で敗れた。終盤はLO池本大喜(4年)、FB伊藤大祐キャプテン(4年)、HO佐藤健次(3年)が3連続トライをあげて追い上げたが、最後は突き放された。身体をぶつけ合う接点で後手を踏んだことが課題となった。選手の3回戦(対法大戦)は接点で優位に立ち、計8トライを奪った。スーパールーキーのWTB矢崎由高(1年)の走りも観客を驚かせ、勢いに乗って準々決勝に臨む。

 

12月21日、両チームのメンバーが発表された。京産大は天理大戦から先発で1名の変更のみ。PR西崎海人(3年)に代わってヴェア・タモエフォラウ(4年)が入る。昨年まではFW第三列だったが、今季よりPRに挑戦し、FWリーダーとして京産大のエースナンバーである3番を背負う。スクラムで前に出て勢いを作るのが京産大であり重責を担っての先発だ。昨季の準決勝ではWTBだったシオネ・ポルテレ(2年)はNO8で出場。爆発的な突破力で早大のディフェンスに立ち向かう。

 

早大は先週の法大戦から先発で3名の変更。リザーブだった村田陣悟がLO(4番)に入り、同じくリザーブだった守屋大誠(3年)がWTB(11番)に入る。SHは清水翔大から島本陽太(4年)へ。HO佐藤健次(3年)、NO8松沼寛治(1年)、WTB矢崎由高(1年)、FB伊藤大祐キャプテン(4年)が攻撃の核になる。怪我でリハビリを続けていたSH宮尾昌典(3年)は法大戦でリザーブ入り。後半から登場してテンポのよいパスさばきを見せた。

僅差勝負が予想される。互いにスクラム、ラインアウトの成功率は勝敗に直結する要素だ。佐藤、矢崎、伊藤ら世代屈指のタレントを擁する早大に対し、京産大は前述の2人に加えて、LOソロモネ・フナキ(4年)の留学生トリオが縦にディフェンスを切り裂く。報徳学園から加入の1年生LO石橋チューカも仕事量豊富だ。三木キャプテンは「昨季の準決勝はスクラムもラインアウトも勝てると思って臨んだ。今はその気持ちはない。何が起こるか分からないと思っている」と気を引き締める。観る者の胸を打つ戦いになることは間違いない。

文:村上 晃一
村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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