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力強いゲインを見せるWTB矢崎
いよいよ開幕した全国大学選手権。「横の早稲田」を体現するような展開ラグビーで法政大学戦を制した早稲田大学は、今週末、大阪・ヨドコウ桜スタジアムで行われる関西王者・京都産業大学との準々決勝に臨む。
昨年度の大学選手権での対戦時は、激闘を繰り広げ、34-33で勝利を収めた。約1年ぶりの再戦となる今節。準決勝進出をかけ、再び白熱した戦いを見せてくれることだろう。
3回戦の法大戦、『フォース』というテーマを掲げて臨んだ早大は、接点の部分で譲らない展開を見せた。前半7分、敵陣右奥でライアウトモールを形成し先制トライを挙げると、24分には、相手ディフェンスを華麗にかわしたWTB(ウィング)矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)が独走トライ。勢いにのった早大は、猛攻を仕掛け、続けて3トライを獲得。法大の刺さり続けるタックルをしのぎ、前半を無失点で折り返す。
後半開始後は、一時スクラムの乱れから攻撃を仕掛けられず、膠着状態が続く。しかし、相手ディフェンスを抜き去り、一気に敵陣深くまで攻め入った矢崎のプレーが、チームに流れを引き寄せた。
モールからトライを狙うHO佐藤健次(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
後半18分、29分とグラウンドを大きく左右に使った展開ラグビーで追加点を挙げる。そして33分、SH(スクラムハーフ)宮尾昌典(スポ3=京都成章)の復帰でさらに勢いを増すと、試合終了間際にモールトライを獲得。54-12で大学選手権初戦を終えた。
力強いゲインを何度も見せたFL安恒直人(スポ3=福岡)、身体を張って攻守に躍動していたWTB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)らのプレーなど、早明戦で露呈した「接点の勝負」という課題の修正がうかがえた前節。今節では、法大戦で得た学びを糧に、さらに成長した早大選手たちの姿が見れるに違いない。
対する京産大は、関西大学リーグを全勝し3連覇を果たした。強固なスクラムとモールを起点としたアタック、外国人留学生を中心とする豪快な突破力が持ち味のチーム。その接点の強さには、早大も昨年度の大学選手権で苦戦を強いられた。
京都産業大学vs.早稲田大学
強敵との一戦へ向け、早大は先発メンバーを変更。前節ではNO8(ナンバーエイト)を担った村田陣悟(スポ4=京都成章)が再びLO(ロック)へ。さらに、慶應義塾大学戦以降、戦線を離れていたSH島本陽太(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が復帰。素早いテンポでチームに勢いをもたらしてほしい。
また、関西リーグの天理大学戦で、ハーフラインからのPG(ペナルティゴール)を成功させた京産大を相手に、今節もキック勝負となる展開が予想されるだろう。そんな展開で注目したいのは、対抗戦で難しい角度のキックを何度も成功させ、観客を沸かせたCTB(センター)野中健吾(スポ2=東海大大阪仰星)。勝負強さの光る、安定感あるキックに期待したい。
「早稲田ラグビーらしく戦い抜く」(SH宮尾)。アウェイの舞台での一戦に臨む赤黒戦士たち。『年越し』を勝ち取り、再び東京・国立競技場へ――。激しい試合展開となるであろうこの一戦、ノーサイドの瞬間まで目が離せない。
文:清水浬央/写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)
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