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天理大学が慶應義塾大学を圧倒
大学日本一を決めるラグビー全国大学選手権。12月17日(日)は東西で、3回戦の2試合ずつが行われ、大阪・ヨドコウ桜スタジアムでは、関西大学Aリーグ2位の天理大学が、関東大学対抗戦5位の慶應義塾大学を迎えた。
小松節夫監督が率いる天理大学は、関西大学Aリーグ最終戦の京都産業大学戦こそ、22-23と逆転負けして2位となったが、得失点差は8チームでダントツの+224点と調子の良さを見せていた。
関西トライ王のNO8(ナンバーエイト)パトリック・ヴァカタ(3年)はメンバー外だったが、FW(フォワード)のフロントファイブはPR(プロップ)富田凌仁(4年)、宮田悠暉(4年)、HO(フッカー)寺西翔生(3年)、LO(ロック)は鄭兆毅(4年)、渡邉完徒(3年)と上級生が並んだ。
バックローはFL(フランカー)に川越功喜と太安善明、ともに天理高校出身のルーキーの2人と、NO8(ナンバーエイト)には上ノ坊悠馬(3年)が入った。
BK(バックス)は、キャプテンSH(スクラムハーフ)北條拓郎(4年)、SO(スタンドオフ)筒口允之(3年)と不動のハーフ団、CTB(センター)はマナセ・ハビリ(4年)と上野颯汰(3年)。左WTB(ウィング)には、藤原竜之丞、右WTBには1年の弘田士道(京都工学院出身)が入り、FB(フルバック)は上ノ坊悠馬の弟・上ノ坊駿介(2年)が入った。
天理大学vs.慶應義塾大学
一方の慶應義塾大学は関東対抗戦で3勝4敗、5位とギリギリで大学選手権に進んだ。負けたら終わりの一戦ということで、対抗戦の最終戦・帝京大学戦から4名のメンバーを変更。キャプテンPR岡広将(4年)、副キャプテンSO山田響(4年)が先発に復帰した。
他にもFWはPR井上皓介(4年)、HO中山大暉(3年)、LOはシュモック オライオン(4年)と中矢健太(3年)の2人。バックローにはFL富田颯樹(4年)、樋口豪(4年)NO8冨永万作(3年)が入った。
BKはSH橋本弾介(2年)が山田とハーフ団を形成し、CTBは三木海芽(4年)と山本大悟(2年)、ランが魅力のWTB伊吹央(2年)と、ハイボールキャッチが上手い大野嵩明(4年)が両翼。最後尾にはU20日本代表のFB今野椋平(2年)が入った。
ラグビー 全国大学選手権 23/24
【ハイライト動画】天理大学 vs. 慶應義塾大学|黒の軍団がタイガージャージを圧倒
黒衣軍団か、黒黄ジャージーか――。
試合は天理大学ボールでキックオフされたが、キックミスから慶應義塾大学のセンタースクラムとなった。だが、天理大学はそのスクラムを押し込み、ペナルティを誘い、相手陣に攻め込む。前半4分、相手陣奥のモールからPR宮田がグラウンディングし、SO筒口がゴールを決めて7点を先制する。
一方の慶應義塾大学は、ハーフ団のハイパントキックを中心に攻撃を組み立てる。10分、SO山田が「50-22」を決め、相手陣奥に攻め込むが、天理大学の1年生FL川越、太安を中心とした固いディフェンスの前にゲインできない。するとSO山田がDG(ドロップゴール)を狙うが、惜しくも左に外れてしまう。
20分、相手の反則から天理大学はPG(ペナルティゴール)を決めて10-0。さらにこの試合終始優勢だったスクラムでペナルティを得ると、29分にはモールを組むと見せかけて展開し、CTBハビリが縦に突いて左中間にトライを挙げ、15-0とリードを広げる。
慶應義塾大学は35分、ラインアウトでLO中矢が空中でタックルをしてしまいシンビン(10分間の途中退室)となる。数的有利となった天理大学は37分、相手ボールのスクラムを押し込みターンオーバー。そのボールを継続して、最後はSH北條が左中間にトライ。ゴールも決まり22-0とリードして前半を折り返した。
後半、ともにディフェンスが固く、10分までは得点ボードが動かない。だが11分、慶應義塾大学のショートキックをキャッチした天理大学は、左に展開し、最後はWTB藤原が左隅にトライを挙げて27-0とした。慶應義塾大学は、後半もハイパントキックを軸にアタックを続けるが、なかなかゴールラインを割ることができない。
20分、天理大学は自陣からボールつないで、最後はCTBマナセからWTB弘田に渡り、右中間にトライを挙げ、34-0としてほぼ勝負を決めた。
天理大学にペナルティが増え始めた29分、慶應義塾大学はスクラムを起点に左に展開し、途中出場のCTB村田紘輔(3年)が抜けだし、WTB大野、SH橋本とつないでトライ。38分にはモールを起点にLO中矢がねじ込んでトライを挙げ、12点を返して意地を見せた。
だが40分、天理大学はカウンターラックでボールを奪って、外に展開。WTB弘田からFL川越とつなぎトライを挙げ、41-12とリードを広げて快勝。準々決勝に駒を進めた。
FW戦で優位に立った天理大学
慶應義塾大学は伝統のディフェンスで主導権を握りたかったが、逆に相手の粘り強いディフェンス、強固なスクラムの前に、前半だけで9つのペナルティをしたことが響いた。ハイパントを軸にしたアタックも、なかなかトライには結びつかなかった。
逆に天理大学は、京都産業大学戦で課題となった規律を意識して試合に臨み、前半は反則0で相手にトライを与えず、しっかりとチャンスでは得点を重ねていったことでリズムに乗った。OBの青貫浩之監督が就任した慶應義塾大学は、今季は3回戦で敗退してシーズンを終えた。
関西大学Aリーグの調子の良さ、そして京都産業大学戦の反省を糧に素晴らしいラグビーを見せた天理大学は、12月23日(土)、再びヨドコウ桜スタジアムで東海大学(関東リーグ戦1位)にチャレンジする。
文:斉藤健仁/Photo by Noriko ABE
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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