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横浜キヤノンイーグルスvs.トヨタヴェルブリッツ
先週、12月9日(土)に開幕した、3シーズン目を迎える「NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24」。16日(土)17日(日)はディビジョン1の第2節、6試合が行われる。16日、神奈川・日産スタジアムでは、昨季3位の横浜キヤノンイーグルスが、6位のトヨタヴェルブリッツを迎える。
昨季、チーム史上最高成績である3位となったイーグルスは、準優勝だった埼玉パナソニックワイルドナイツと開幕戦で対戦した。しかし、昨シーズン0勝3敗だった相手に前半から圧倒され、12-53で完敗。黒星スタートとなってしまった。
イーグルスの沢木敬介監督は「準備したことが全くできなかった。しっかりとしたマインドセットでやっていかなければいけない。次は良くなるしかない。殴られっぱなしではなく、次の試合で立ち上がっていく姿勢を見たい」と語っていた。
横浜キヤノンイーグルス
ヴェルブリッツ戦は今季初勝利を目指して、前節と同じ先発メンバーで臨む。FW(フォワード)第1列はPR(プロップ)岡部崇人、東京サントリーサンゴリアスから移籍した2人、PR祝原涼介とHO(フッカー)中村駿太の3人で構成。LO(ロック)は前節5番のリアキマタギ・モリが4番に、4番に入っていたオーストラリア代表のマシュー・フィリップを5番にと入れ替えた。
バックローはFL(フランカー)にコーバス・ファンダイクとベテランの嶋田直人、NO8(ナンバーエイト)が、2023年ワールドカップ日本代表メンバーのシオネ・ハラシリが務める。
BK(バックス)も、南アフリカ代表SH(スクラムハーフ)のファフ・デクラークと、元日本代表SO(スタンドオフ)田村優のハーフ団、CTB(センター)にはキャプテンの梶村祐介と、南アフリカ代表のジェシー・クリエル、そしてWTB(ウイング)には、前節ともにトライを挙げた元7人制日本代表の松井千士とイノケ・ブルアのコンビ、FB(フルバック)にはワールドカップメンバーの小倉順平が入った。
リザーブは日本代表経験のあるHO庭井祐輔、PR安昌豪、杉本達郎、201cmのLOマックス・ダグラス、前節ケガから復帰した元日本代表NO8アマナキ・レレイ・マフィと、開幕戦はFW6人だったが、今回は5人となった。BKはベテランSH天野寿紀、CTBヴィリアメ・タカヤワ、WTB竹澤正祥が控える。
プレシーズンはディフェンスに力を入れてきたというイーグルス。ホームで迎える第2節はしっかりと守備を安定させて、持ち前のアタッキングラグビーを見せたい。CTB梶村キャプテンは「今季はどこに勝つのも簡単ではない。危機感を持って戦っていきたい。自分たちのリズムを作れれば、アタックする時間が増えていく。ホストゲームでファンに勝利を届けたい」と意気込んでいる。
一方、昨季は6位に終わり、プレーオフ進出はならなかったヴェルブリッツ。ホストでのリコーブラックラムズ東京との開幕戦は、序盤に2トライを挙げたが、なかなか追加点を挙げられず苦しい展開となったが、15-8で逃げ切った。
開幕戦後に「まだ改善の余地があるが、7人の選手がリーグワンデビューという中で勝ち切ったことは、チームとしても大きい」と語っていたベン・ヘリングHC(ヘッドコーチ)は、FW、BK1人ずつ先発メンバーを交替した。
トヨタヴェルブリッツ
FWは、PR三浦昌悟、崔凌也とHO彦坂圭克のフロントロー、LO西村龍馬とトム・ロビンソンのコンビ、バックローは前節でPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)を獲得したFLウィリアム・トゥポウと、キャプテンの姫野和樹と、ここまでは変わらないが、NO8には南アフリカ代表のピーターステフ・デュトイに代えて、新人のアイザイア・マプスア(慶應義塾大学出身)が入った。
BKも、SHアーロン・スミス、SOボーデン・バレットのオールブラックスのハーフ団、CTBチャーリー・ローレンスと日本代表のシオサイア・フィフィタ、WTB岡田優輝とヴィリアメ・ツイドラキの両翼までは変わらないが、FBは前節ケガをした丸山凛太朗に代わってニュージーランド出身のディック・ウィルソンが入った。
ベンチには、ベテランHO有田隆平、PR清水岳、淺岡俊亮、ニュージーランド留学をしていたFL小池隆成、新加入のLOジョシュ・ディクソン、SH梁正秋、WTB山口修平、SOティアーン・ファルコンが入っており、後半からインパクトを与えるはずだ。
開幕戦でリーグワンデビューし、80分フル出場したSHスミスは「(横浜のSH)デクラークとは、この8、9年対戦してきたが、素晴らしい選手だ。SHは激しい闘争心を持ち、FWを動かして試合でインパクトを与える。対戦が楽しみだ。チームはブレイクダウン、セットピースにフォーカスして、早い展開をしたい」と語気を強めた。
キャプテンのFL姫野は「横浜は沢木監督のもとで良いラグビーをしている。自分たちはチャレンジャーとして相手から学び、かつ勝ちを奪い取る。優勝するには倒さなければいけない相手。昨季はディシプリンの問題があって、自分たちのゲームをやれなかった。ディシプリンを守って、自分たちのラグビーをすれば勝てる」と手応えをのぞかせた。
両者は昨シーズン、交流戦1試合のみの対戦だったが、ビジターのイーグルスが39-7でホストのヴェルブリッツを退けている。
スタジアムはすでに両チームのファンで3万席が埋まっているという。大型補強をしたヴェルブリッツが、昨季のリベンジを果たし開幕から連勝するか。それともホストのイーグルスが昨季に引き続き、ヴェルブリッツを下して多くのイーグルスファンの前で今季初白星を飾るか。第2節の注目の一戦は午後2:10にキックオフされる。
文:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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