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ラグビー コラム 2023年12月11日

【ハイライト動画あり】新生スティーラーズ、ベール脱ぐ。圧巻の猛攻で初D1のヒートに大勝。ジャパンラグビー リーグワン2023-24開幕節レポート

ラグビーレポート by 直江 光信
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コベルコ神戸スティーラーズ vs. 三重ホンダヒート

力があることならわかっていた。LOブロディ・レタリック、FLアーディ・サベアというワールドクラス中のワールドクラス2人に、スーパーラグビーの経験豊富なSOブリン・ガットランドも加わった。指揮を執るのは前オーストラリア代表監督の世界的コーチ、デイブ・レニーだ。

ただ、どれほど豪華な陣容を有していても、そのポテンシャルをチームのパフォーマンスとして発揮するには時間がかかるのではないか――。そんな期待と不安が入り混じるムードの中で迎えた、今季リーグワンのオープニングマッチ。生まれ変わったコベルコ神戸スティーラーズが、4シーズン前の優勝時を彷彿させる圧巻の戦いぶりで、ディビジョン1に昇格したばかりの三重ホンダヒートから80-15の大勝を収めた。

トライラッシュの幕開けは前半4分。自陣10メートル線付近のラインアウトを起点にFW、BK一体となった連続攻撃でたたみかけ、共同キャプテンのLOレタリックがポスト左に飛び込む。開始早々のすさまじい猛攻で、力強く流れをたぐり寄せた。

8分にPGを返されるも、直後のキックオフから敵陣で攻撃機会をつかみ、左ライン際をオフロードで攻略してCTBナニ・ラウマペが悠々とフィニッシュ。13分にはキックオフレシーブから長い連続攻撃を仕留めきり、NO8ティエナン・コストリーがノーホイッスルトライをマークする。

防戦一方だったヒートも19分に中盤で連続攻撃を仕掛け、右大外を抜け出したWTB本村直樹が右中間にトライ。しかしスティーラーズはすかさず反撃に転じ、23分にCTBラウマペの防御裏へのパントを追ったもうひとりの共同キャプテン、WTB山下楽平がインゴールに押さえる。これでスコアは26-10に広がった。

サイドが入れ替わった後半は、スティーラーズの優勢がより鮮明になる。まずは45分、ゴール前の連続展開からLOレタリックが左中間になだれ込むと、48分にはラインアウトのこぼれ球を拾ったCTB李承信がトライ。さらに相手のシンビンによる数的優位も生かして攻勢を強め、55分、58分とFLサベアが立て続けにゴールラインを超える。

ジャパンラグビー リーグワン2023-2 ディビジョン1

【第1節ハイライト動画】コベルコ神戸スティーラーズ vs. 三重ホンダヒート

スティーラーズの勢いはなおも止まらず、56分に入替で入ったHO北出卓也が63分、72分、75分と出場20分足らずで3トライのハットトリックを達成。ヒートも67分にゴール前のラックから途中出場のLOヴィリアミ・ヴリがねじ込んで意地を見せたが、最後はラグビーワールドカップ2023の日本代表メンバーであるFB山中亮平がチーム12本目となるトライを挙げる。CTB李のコンバージョン成功でスコアを80点の大台に乗せたところで、ノーサイドとなった。

昨季は5勝11敗と大きく負け越し9位に沈んだスティーラーズだが、新シーズンの開幕戦でチームが大きく変貌を遂げたことを宣言するようなビッグパフォーマンスを披露し、最高のスタートを切った。縦横無尽にボールをつなぎ、どのエリアからでもフィニッシュまで持っていける迫力満点のアタックは圧巻の一語。その鮮烈な印象は、まだ1試合を終えたばかりながら今季の覇権争いの有力候補になることを確信させるほどのインパクトがあった。

「とてもいいスタートを切れた試合だった。ただ、まだ改善できる部分はある。よりよい形で次の試合に臨めるよう努力していきたい」とは、さっそくエンジン全開の働きぶりでプレーヤーオブザマッチに選出された共同キャプテンのLOレタリック。実力者との対戦が続くこの先の戦いで、どのようなプレーを見せるかが楽しみになる開幕戦だった。

一方、いきなりディビジョン1の洗礼を浴びる形となったヒート。この日はスティーラーズの圧倒的な推進力とボールキープ力にゲームを完全支配され、最後まで流れを変えられなかった。もっともこの強度のバトルを最初に体感できたことは、チームにとって貴重な経験になるはず。シーズンは始まったばかりで、来週以降もタフな戦いは続く。気持ちを切り替えて、強い意志で次節以降の試合に臨んでほしい。

文:直江 光信

直江 光信

スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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