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ラグビー コラム 2023年12月7日

アーロン・スミス、ボーデン・バレットら、世界を沸かせた選手が開幕戦から多数出場。トヨタヴェルブリッツvs.リコーブラックラムズ東京

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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トヨタヴェルブリッツvs.リコーブラックラムズ東京

3シーズン目を迎える「NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24」がいよいよ開幕する。12月9日(土)10日(日)は、ディビジョン1の第1節6試合が行われる。9日、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場では、今季大型補強をした昨年6位のトヨタヴェルブリッツと7位のリコーブラックラムズ東京が激突する。

昨シーズンは前半に波に乗れず、第2節から4連敗するなど苦しんだヴェルブリッツ。後半に巻き返したが、8勝8敗の勝ち点37と、6位に終わりプレーオフ進出することはできなかった。

日本代表主将を務めたFL(フランカー)/NO8(ナンバーエイト)姫野和樹が今季も引き続きスキッパーを務め、ワールドカップ連覇を達成した南アフリカ代表のFL/NO8ピーターステフ・デュトイに加え、今季はオールブラックスからSH(スクラムハーフ)アーロン・スミスと、SO(スタンドオフ)ボーデン・バレットと強力なハーフ団が加わり、トップ4入りへの意気込みがうかがえる。

昨季から指揮を執るベン・ヘリングHC(ヘッドコーチ)は「プレシーズンも非常にいい形で運ぶことができ、そしてスコッドも戻ってきた。チームとして高い期待値を持って、一団結してシーズンを迎えたい」と手応えを口にした。

さらに指揮官は「(SHスミスとSOバレットは)合流してから大きくチームに貢献してくれているし、人として、プロとしてみんなから信頼されている」と、NO8デュトイだけでなく、その2人を先発で起用した。

トヨタヴェルブリッツ

FW(フォワード)は、昨季全試合出場で日本代表経験のあるPR(プロップ)三浦昌悟と、昨シーズン後半から先発を務めた崔凌也、HO(フッカー)彦坂圭克の3人で第1列を構成。

LO(ロック)は西村龍馬と、ブルーズから加入したニュージーランド出身のトム・ロビンソンのコンビとなった。FLは元日本代表でBK(バックス)から転向したウィリアム・トゥポウと姫野キャプテン、NO8がデュトイの3人が務める。

BK(バックス)はSHスミス、SOバレットのハーフ団、CTB(センター)は昨季11試合に先発したチャーリー・ローレンスと、花園近鉄ライナーズから移籍した日本代表のシオサイア・フィフィタのコンビ、

WTB(ウィング)には2018-19年トップリーグ新人王の岡田優輝と、昨季2年目ながら全試合に出場したヴィリアメ・ツイドラキ、最後尾には3年目のFB(フルバック)丸山凜太朗が入った。

リザーブには、コベルコ神戸スティーラーズから新加入したベテランのHO有田隆平、PRは清水岳と東京サントリーサンゴリアスから新加入の須藤元樹、昨季アーリーエントリーでデビューしたLO/FLアイザイア・マプスア(慶應義塾大学出身)、3年目のFL小池隆成、SH梁正秋、SOティアーン・ファルコン、CTBディック・ウィルソンが控える。

ホームで開幕戦を迎えるヴェルブリッツの姫野キャプテンは、「すごいワクワクしている。ワールドカップイヤー後のシーズンなので、たくさんのお客さんが来てくれると思う。新しい選手がたくさんいるし、そういった意味で今年はヴェルブリッツの違ったラグビーがお見せできると思うので、ぜひ見てください」と意気込んだ。

ジャパンラグビー リーグワン23/24

一方、リーグワン初年度は9位、昨季は7位と順位を上げてきているブラックラムズ。今季の目標はトップ4だ。リーグワンとなってから、ピーター・ヒューワットHCが指揮を執り、今季は大きな補強はなかったものの、日本代表としてワールドカップで躍動したLO/FLアマト・ファカタヴァらがいる。

リコーブラックラムズ東京

FWはキャプテンのHO武井日向、PR谷口祐一郎と大山祥平で第1列を構成する。LOはサンウルブズでも活躍した204cmのマイケル・ストーバーグと、ベテランのロトアヘアポヒヴァ大和、FLはアマトと日本代表キャップを持つ共同バイスキャプテンの松橋周平、NO8には元イングランド代表のネイサン・ヒューズという布陣となった。

BKを見ると、SHはベテランの共同バイスキャプテン山本昌太が務め、SOは昨季主にFBでプレーしたマット・マッガーンが入った。CTBは栗原由太とロトアヘアアマナキ大洋のコンビ。

WTBはシオペ・タヴォと埼玉パナソニックワイルドナイツから加入したセミシ・トゥポウが両翼を担う。WTBトゥポウは、ヴェルブリッツFLトゥポウの弟で、2シーズンぶりの兄弟対決となる。FBにはオーストラリア出身のアイザック・ルーカスが入った。

ベンチにはHO佐藤康、PR西和磨と千葉太一、ベテランLOの柳川大樹、LOジェイコブ・スキーン、九州電力キューデンヴォルテクスから新加入のバックロー木原音弥と、6人のFWを入れ、BKはSH高橋敏也とSO堀米航平の2人となった。

ヒューワットHCは「特に力を入れているのは規律の部分。チームや自分たちがやりたいプレースタイルへの理解を深め、昨シーズン以上の結果を残せると信じている。選手たちは、昨季の惜敗を勝利に変えられるよう、日々の習慣や準備を、より一貫したものにするよう努力してきたので、注目してほしい」と話している。

HO武井主将は「今季は1戦1戦積み上げて、シーズンスローガンのように『ブレイクスルー(突破)』して次のステップに行きたい。開幕戦からいい流れを掴んで、自分たちのラグビーを追い求めていく」と語気を強めた。

両者は昨シーズンも同じカンファレンスとなり、第1戦は第3節にヴェルブリッツのホームでブラックラムズが29-25で勝利し、2戦目は第15節で戦い、今度はブラックラムズホームでヴェルブリッツが、36-34でリベンジを果たしたが、いずれも接戦だった。ともにセットプレー、激しさをウリにしているチームだけにまずはFWの攻防戦が鍵を握りそうだ。

ヴェルブリッツもブラックラムズも、どちらも開幕戦を勝って勢いをつけたい。ワールドカップで活躍したオールブラックスや南アフリカ代表、日本代表といった選手たちが先発することもあり、すでにチケットは完売しているという注目の一戦は、12月9日(土)午後2:30に愛知・パロマ瑞穂ラグビー場でキックオフされる。

文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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