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トライを挙げるWTB海老澤
12月3日、100周年を迎えた早明戦が行われ、3万人以上の観客が国立競技場に足を運び、会場を沸かせた。「入場した時から鳥肌が立った。これはやらなきゃいけないなという気持ちになった」(FB/フルバック池戸将太郎・商4=東海大相模)。
伝統の一戦で明治大学は『オールアウト』をテーマに掲げ、前半は早稲田大学に主導権を与えることなく圧倒し、27-3で折り返す。後半は早大に追い上げられる展開になるも、最後は明大の底力を見せ、58-38と勝利を収めた。
試合開始早々、自陣でのプレー展開となるが、左FL(フランカー)森山雄太(政経4=東福岡)のジャッカルが流れを変える。前半4分、敵陣ゴールライン付近のマイボールラインアウトからモールを形成し、HO(フッカー)松下潤一郎(法4=筑紫)がグラウンディングし、先制。
その後も、明大の前に出るアタックと、FW(フォワード)が安定したセットプレーを見せ、敵陣でのプレーを続ける。前半23分には敵陣ゴールライン付近のマイボールラインアウトから再び松下がトライを挙げる。
「モールが少し崩れてしまったが、自分が思い切り出たらトライにつながったので良かった」(松下)。その後は早大も負けじと自陣でプレーを展開し、PG(ペナルティゴール)を決められてしまう。
POM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)のHO松下
しかし、その失点を機に明大は果敢なアタックで猛攻し、着実に加点。「FW中心に前に出て、最後BK(バックス)が取り切るという形になっていたので、イメージとしてすごくいいアタックになった」(ゲームキャプテン・左LO/ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。前半は早大を終始圧倒し続け、27-3で終える。
「気を緩めずにやろう」(右WTB/ウイング安田昂平・商3=御所実)と挑んだ後半。6分、SO(スタンドオフ)伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)が早大のキックをチャージし、転がったボールをそのままグラウンディング。「僕のミスからのプレーだったが、チャージからミスを取り返せてホッとした」(伊藤耕)。
ラグビー 関東大学対抗戦2023
【ハイライト動画】明治大学 vs. 早稲田大学|早稲田は後半追い上げるも届かず
これで明大ペースに展開されると思ったが、一瞬のスキを見逃さず早大が反撃を開始し、2トライを立て続けに許してしまう。「少し気が抜けた部分を早大に突かれた」(右LO亀井茜風・政経4=長崎北陽台)。
だが、21分には早大のスキを突き、空いたスペースに反応したWTB安田がインゴールへ。「悪い雰囲気だったので、あそこでトライを取れてうれしかった」(安田)。その後は早大の反撃が加速し、残り8分の時点では、8点差まで迫られる苦しい展開に。「対応し切れなかったから、あれほどの失点を許してしまった」(FB池戸)。
しかし、勝敗を決める大事な局面で明大が本来の力を発揮する。41分、ゴール前での早大のラックにLO山本嶺がプレッシャーをかけ、途中出場のSH(スクラムハーフ)登根大斗(法3=御所実)がボールを奪い意地のトライ。
「チームの流れを変えるビッグプレーができたのは、本当にうれしい」(登根)。早大の勢いを止めると、最後はルーキーの左WTB海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)がダメ押しトライ。明大の意地を見せつけ、58-38で伝統の一戦を制した。
「これぞ明早戦」(神鳥裕之監督)と評するように、試合を通して前後半で景色の違う戦いが繰り広げられた。前半は早大に流れを渡さず『前へ』を体現したラグビーと鉄壁のディフェンス力を見せつけた。
「帝京大学の悔しい敗戦から、明治のラグビーを本当に突き詰めて、前半は今年一番のラグビーだった」(SO伊藤耕)。後半は早大の反撃に対応し切れずにいたが、最後は明大の意地を見せ、流れを変えることもできた。「全員が必死になって走って流れを断ち切れたのは大きい収穫」(LO山本嶺)。
今後は全国大学選手権で負けられない戦いが続く。「ワンプレーで決まることもあるので、細部までこだわって準備していきたい」(不京大也主務・営4=明大中野八王子)。日本一に向け、明大ラグビー部は『ONE MEIJI』となってさらなる進化を見せていく。
文:井垣友希/写真:廣末直希、安室帆海(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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