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デイン・コールズ(左)、リアム・ウィリアムズ
12月4日(月)、千葉・船橋にある練習グラウンドで、昨季、クラブ史上初の日本一に輝いたクボタスピアーズ船橋・東京ベイが新入団選手の会見を開いた。
登壇者は石川充GM(ゼネラルマネージャー)、フラン・ルディケHC(ヘッドコーチ)、そして、2015・19・23年と3大会連続でワールドカップに出場している2人、ウェールズ代表95キャップのFB(フルバック)リアム・ウィリアムズ、オールブラックス90キャップHO(フッカー)デイン・コールズが登壇した。
オレンジのジャージーを身にまとったFBウィリアムズは「新品なのでうれしいし、目にとまるところがいい」、HOコールズは「ハリケーンズもハイライトカラーだったので、似ているのでいいと思う」と笑顔を見せた。ウィリアムズは先月の合宿から、コールズは1週間前からチームに合流しているという。
石川GM(左) ルディケHC
石川GMは「すごくエキサイティング。いいプロセスを踏んで上がっていきたい」と言えば、ルディケHCは「2人のワンダフルな選手とともに一緒にシーズンをやっていきたい。2人の考えやアイデアを吸収してやっていきたい」と話した。
また、南アフリカ出身の指揮官に、世界的な選手2人を獲得した理由を聞くと「GMと話していて、スピアーズのシステムに合う選手として、スキル、リーダーシップを求めて、Xファクターになれる人としてリアムを、続いてデインを獲得した。2人とも90キャップくらい持っていて経験が高いし、クボタのシステムでやれると思うし、判断とスキルセットで確実にチームを手助けしてくれる」。
「リアムはXファクター的な存在で、ライン参加やハイボールキャッチが上手い。デインに関しては(南アフリカ代表マルコム・)マークスがケガしたとき、すぐに日本に来ることを決めてくれた。彼はHOのイメージを変えたような選手で、セットプレーが重要になるポジションだが、3列、CTB(センター)のような動きでやってくれる」。
「さらにオールブラックスも90キャップあり、ラインアウト、スクラムの安定感が増すし、ハリケーンズでキャプテンもやっていたので、若手選手は学べることが多い」と大いに期待を寄せた。
FBリアム・ウィリアムズ
日本のリーグワンに来た理由について聞かれて、ウィリアムズは「2013年にウェールズ代表として来日したのが最初で、2019年のワールドカップでも来て、日本の人、文化が好きなので来日しました」と説明した。
デイン・コールズ
HOコールズは一度、2023年ワールドカップを最後に引退表明していたが、それを撤回しての来日だったが、「ハリケーンズのスクラムコーチのダニエル・クロンがクボタとつながりあって、彼がクボタに対しての熱量を伝えてくれて、(来日を)決めたのは4日間くらいだった。実際はワールドカップ中のバイウィークで、(昨季までチームに在籍したライアン・)クロッティと話して決めた。ここに来られてうれしい。6ヶ月だが自分のすべてを出し切りたい」と語気を強めた。
ルディケHCはコールズのコメントを補足するかのように、「(マークスがワールドカップ中にケガをして)状況も状況だったので、コールズが受け入れてくれて良かった。ワールドクラスの経験、スキルを持った選手としては他の選択肢はなかった」。
「クロノコーチに聞いたのは、コールズはスタンダード重きを置く選手で、何かあってもタフで、チャンピオンのふるまいをしてくれるし、チームをドライブしてくれる。タフな状況でやるべきことをやってくれる」と話した。
スッピーを抱えるコールズ
リーグワンでどんなプレーをしたいかと聞かれて、コールズは「年齢的にも経験が大きいが、次の世代の選手に対してスキル、リーダーシップのところも伝えたい。日本のラグビーは走ることが多いので自分に合っていると思っている。またフロントローなのでスクラム、ラインアウトを見てほしい」とコメント。
ウィリアムズとスッピー
ウィリアムズは「経験をしっかり活かしていきたい。アタックでもディフェンスでも、Xファクター的なハイパントやバックスリーとしての動きを見てほしい。スピアーズの若手のバックスリーには良い選手が多いので、入り方を教えたい」と話した。
会見した4人での記念撮影
リーグワンで対戦したい選手を聞かれるとウィリアムズは「とくに誰とかはない」と言えば、コールズは「ニュージーランド出身の選手全般だが、特にサム・ケイン(東京サンゴリアス)」と笑みを浮かべた。
日本でラグビー面以外で楽しみにしていることは、ウィリアムズは「単身で来ているが、いろんな地域に行っていろんなことを試したい」、コールズは「子どもが3人いるので、日本人の子どもたちに自分の子どもが教えてくれる。また食べ物にもトライしたいし、昨日、お寺に行った。オフフィールドでもいろいろトライしていきたい」と話した。
最後に、連覇のために必要なことは?という質問を受けて、ウィリアムズは「絶対にハードワークが必要だし、そこに対してコミットメントも1年かけて必要だし、昨季優勝しているチームなので自分も学ばせてもらって、連覇につなげられたらいい」、コールズも「自分も同じ」と語気を強めた。
12月10日(日)の開幕戦、クボタスピアーズ船橋・東京ベイは東京・秩父宮ラグビー場に、昨季4位の東京サントリーサンゴリアスを迎える。連覇がかかったシーズンとなったスピアーズに世界的選手の2人が加入し、セットプレー、ハイボールキャッチという面では大きな戦力となることは間違いない。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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