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【ハイライト動画あり】大東文化大、16トライの猛攻で拓殖大を圧倒し今季最終戦を締めくくる。関東大学リーグ戦1部最終節レポート
ラグビーレポート by 直江 光信ラグビー 関東大学リーグ戦2023
【ハイライト動画】拓殖大学 vs. 大東文化大学
しかし大東文化大は直後のキックオフから意欲的に攻めてすかさず嫌なムードを断ち切り、61分にスクラム起点の連続攻撃でWTB神田がこの日3本目のトライを奪取。66分には厳しいディフェンスでターンオーバーしたボールを切り返し、SO小田島が防御のギャップを走り抜ける。
以降も大東文化大の攻めの姿勢は揺るがず、70分HO大西樹、76分WTBタヴァケ・オト、78分CTB橋本颯太と入替で登場したフレッシュなメンバーが次々とフィニッシュ。最後は81分にFL蓑洞功志がサポートランから走りきり、92-5の最終スコアでフルタイムとなった。
今季チーム最多となる16トライ、92得点を挙げる大勝で注文通りの勝ち点5を手にし、リーグ最終戦を締めくくった大東文化大。最終的には法政大と勝ち点19で並んだものの、直接対決の結果(法政大30-29大東文化大)により法政大が3位、大東文化大は4位という順になり、惜しくも大学選手権出場はならなかったが、圧巻のトライを連発したこの日のパフォーマンスは、シーズンの確かな歩みを示すものだった。
何より目を引いたのは、勝負が決まった後も雑なプレーに走らず、築き上げてきたスタイルを貫く姿勢を崩さなかったことだ。どれほど点差が開いても貪欲にトライを目指し続ける選手たちの姿は、このチームでの最後の試合になるかもしれない大切な時間に、すべての力を発揮しようという意志の表れのようにも映った。フィールド上の選手はもちろん、スタンドで見守ったメンバーも含め全部員が味わったこの一体感は、来季へつながる貴重な財産になるだろう。
対照的に拓殖大は1対1のタックルで大東文化大の勢いを抑え込めず、今季ワーストの大敗でリーグ最終戦を終えることとなった。プレー、メンタル両面の柱であるSH木本真太郎キャプテンの欠場が痛手だったのは確かだが、「自分たちはこれで勝負する」というスタイルを最後まで出せなかった点は残念だった。2部1位の専修大と対戦する入替戦は12月16日、熊谷ラグビー場で14時にキックオフを迎える。残り3週間でチームとしての戦い方をどこまで研ぎ澄ませられるかが、1部残留へのテーマだろう。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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