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突破を図るFL栗田文介(スポ2 =愛知・千種)
11月23日、東京・国立競技場の地で、伝統の一戦の火蓋が切られる。関東大学対抗戦第6節、早稲田大学が対峙するのは、宿敵・慶應義塾大学。今年でラグビー早慶戦は、第100回という節目を迎え、この試合に対する期待はすでに高まっている。
昨年の対戦時は、19-13で早大が白星を挙げたが、前半は0-10でリードされて折り返すなど、その差はそう大きくない。1つのミスが命取りとなる、決して油断が許されない相手だ。両校選手の意地とプライドがぶつかり合う、熱き戦いが今始まろうとしている。
前節、昨年王者の帝京大学に対し、新たな布陣で臨んだ早大。結果として21-36と対抗戦初黒星となったが、一時は3点差にまで迫ったこの試合は、早大が着実に成長してきていることを示すものであった。
「タックルで前へ出続けられた」とFL(フランカー)安恒直人(スポ3=福岡)が語るように、屈強なFW(フォワード)を有する帝京大に対して、接点で引けを取らなかった早大。HO(フッカー)佐藤健次(スポ3=神奈川・桐蔭学園)の安定感あるスローからモールで押し切りトライを獲得するなど、得点力も上げてきている。
CTB岡崎颯馬の突破
また、SO(スタンドオフ)久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)から始まるBK(バックス)陣のホットラインも忘れてはならない。巧みな連携で展開し、力強くゲインラインを切るCTB(センター)岡崎颯馬(スポ4=長崎北陽台)や、速さを生かして相手を抜き去るWTB(ウィング)矢崎由高(スポ1=神奈川・桐蔭学園)はチームに勢いをもたらしてきた。
次戦の慶大戦では、フィジカルや展開力などのチームとしての強みを最大限発揮し、宿敵相手に今年も勝利を収めたい。
早慶戦のスタメン
一方、対戦相手・慶大は今季モールやディフェンスのほか、キック戦術も武器とする。高く上げたハイパントキックでプレッシャーをかけ、チャンスを幾度と演出してきた。また、前節の強豪・明治大学相手には前半に大量失点したものの、後半はスコアで勝るなど、接戦をモノにしてきた粘り強さもうかがえる。
今回、特に注意すべき選手は、SO山田響だ。巧みなゲームメークやキックに加えて、磨きのかかったステップで自身も果敢に仕掛けてくる。早大は、いかにディフェンスでの穴をつくらないかが、慶大の攻撃を抑えるカギとなるだろう。
前節の帝京大戦後のインタビューで、FB(フルバック)伊藤大祐主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)は、今後について「100%やりきれなかったので、仲間にも厳しい指摘をしながら高みを目指していきたい」と語った。この伝統の一戦でチーム全員が100%出し切り、続く早明戦や全国大学選手権につながるプレーに期待したい。
文:長野恵治/写真:川上璃々(早稲田スポーツ新聞会)
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