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「1位×2位」の首位攻防戦だ。
関東大学対抗戦Aで、ともに5戦全勝。
大学3連覇を見据える帝京大は、今秋の開幕4戦で圧勝。難敵・筑波大戦の「73-0」というスコアに唖然としたファンは少なくないはずだ。
しかし2週間前は、今秋初といってよい接戦を経験した。
相手は夏合宿に62-7で快勝した4勝の早稲田大学。
後半28分に早稲田大にトライ&ゴールを奪われて3点差(21-24)。優位を保ちたいFW戦(モール)で獲られる痛恨もあり、最終盤まで10点差だった。
36-21でなんとか5勝目をあげた試合後、帝京大の相馬朋和監督はしかし、接戦をポジティブに捉えていた。
「早稲田大学さんが粘り強く素晴らしいプレッシャーを我々に与えてくれたおかげで、こういったゲームをすることができました」(帝京大・相馬監督)
HO江良颯キャプテンも「課題や修正点が見つかった。対抗戦の中盤でこういうゲームができたのは大きく成長できる分岐点」と前向き。帝京大の首脳陣、選手は、接戦を欲していたようだ。
そして次なる相手は、敗北の可能性が十分にある強敵となる。
創部100周年の節目を迎えた、5戦全勝の明治大学。
春季大会での対戦は台風の影響で中止となり、今季念願の初対戦は夏合宿。ここは38-21で帝京大が上回ったが、約3カ月後の結果はどうなるか。
明治大の前戦は、2週間前の慶應義塾大学戦(66-40)だった。
ルーキーWTB海老澤琥珀の先制トライを含む3連続トライで主導権を握ったが、40失点は要修正だろう。
帝京大の先発メンバーを見てみると、今週は3・4年生のみ。
早稲田大戦から先発4人が変わり、PR津村大志(4年)、CTB久木野太一(3年)、CTB戒田慶都(4年)、FB山口泰輝(4年)がスタメンへ。より経験豊富な先発陣となった。
廣瀬主将の背番号12を背負うのは、スピードとパワーを兼備する成長株、2年生のCTB平翔太。
注目点は、やはり、大学最高峰のFWバトルだ。
明治大は前戦(慶應義塾大戦)、フォワード5人が替わっていた最終盤の後半42分にモールで6本目を獲られている。モールの攻防、80分間の一貫性で劣勢になると、最強クラスのフォワードを誇る帝京大相手に苦しくなるだろう。
ブレイクダウンも焦点の一つだ。
明治大のアタックテンポ、攻撃力は、帝京大にとっても脅威に違いない。帝京大は激しいファイトで球出しを遅らせれば、攻撃をスローダウンさせることができ、DF整備がしやすくなる。
そしてスクラムだ。
スクラムの最前線で戦う帝京大のHO江良主将は、夏合宿での勝利(38-21)を、全面的に肯定していないだろう。スクラムで明治大にプレッシャーを受けたからだ。
スクラムに懸けるフォワードは、“スクラムの優劣”という別次元の勝敗も記憶しているに違いない。ファーストスクラムから、一本一本のすべてに刮目したい。
全勝対決。頂上決戦。大注目のビッグゲームの笛は日曜日の午後2時に鳴る。
多羅 正崇
スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。
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