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ラグビー コラム 2023年11月15日

東京サントリーサンゴリアス、「THIS IS SUNGOLIATH」を掲げて王者返り咲きを狙う

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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王座奪還を目指す東京サントリーサンゴリアス

トップリーグ優勝5回を誇る東京サントリーサンゴリアス。一昨季のリーグワン元年は準優勝、昨季は4位だったため、今季こそはリーグワン初優勝を目標に掲げている。

サンゴリアスは今月に入って宮崎での合宿を経て、再び府中に戻り、開幕に向けて強化を進めている。そんな中、11月14日(火)、報道陣に対して練習を公開した。

ジャパンラグビー リーグワン23/24

ゼネラルマネージャーから指揮官になって、2シーズン目となる田中澄憲監督は「サンゴリアスは、ボールを持っているときに相手の脅威になれるが、ボールを持っていないときにどう脅威になれるか。『WIN THE BALL』をフォーカスにしている」。

そして、「リーグワンはワールドクラスの選手も来ているし、外国出身の選手がカテゴリーAになって、フィジカルなリーグになっているので、プレシーズンからウェイト、コンタクトにこだわってやっている」と話した。

練習を見つめる田中監督

また、今季のスローガンは「THIS IS SUNGOLIATH」と掲げた。「昨季、セミファイナルでああいう負け方をした。勝ち負けは別にしてパフォーマンスに心が動いたと言ってくれる人がたくさんいた。我々はあのようなラグビーをしないといけないと再確認した」。

「これがサンゴリアスだと、毎試合見せていかないといけない。いろんな意味で自分でも問いかけられるし、(コーチ陣からも)選手にも問いかけられるのでこういうスローガンにした」(田中監督)。

また、昨季はカテゴリーC(日本以外の他国の代表歴がある選手)が1人しか出られない試合も多かったため、田中監督は「若い選手が試合に出たことはよかったが、やっぱり違った。カテゴリーCはワールドクラスの選手で、即戦力が大事」とコメント。

今季はウェールズ代表SO(スタンドオフ)ガレス・アンスコム、ニュージーランド代表キャプテンだったFL(フランカー)サム・ケイン、ワールドカップ連覇に寄与した南アフリカ代表WTB(ウイング)チェスリン・コルビの3人を新たに加えた。FLケインは元オーストラリア代表ショーン・マクマーンが昨季のケガからリハビリ中だったため、新たにチームに加入したという。

3人に期待することを聞くと田中監督は「アンスコムは基本的にSO。ケインはオールブラックスのキャプテンで、ブレイクダウン周りに期待しているが、チームには若い選手も多いので、ネクストリーダーが彼を見習って成長してほしい」。

そして、「コルビにはたくさんトライを取ってもらいたい。松島、尾崎晟也らとバックスリーが脅威になる。見ていて楽しいし、キックが増えているので、取ったボールをどうアタックするかバリエーションが増える」と期待を寄せた。

宮崎合宿では合流した日本代表選手たちが、「今季、こういうことにフォーカスしている」と話した後、5分くらいの練習ですぐにできてしまったという。田中監督は「だから日本代表ですし、そういうのに対応できるのが世界のトップ」。

「9番とか10番は難しいが、そうじゃないので、もうすぐ来る(ケインとコルビは)世界最高峰だし、試合に出なくても何日かあればできる」と話し、2人はリーグの開幕戦からの起用も想定していることを示唆した。

サンゴリアスに戻ってきた小野コーチ

また、今季から元日本代表でOBの小野晃征コーチが新たに加入した。「すばらしいコーチ。本人からやりたいという話があった。いずれチームに帰ってくるような人材だった。1回、ビジネスの世界に行って、違う経験ができたので良かったという話をしていた」と目を細めた。

小野コーチは家族とともにニュージーランドに戻って、オールブラックスなどの選手の代理人を経て、今季から単身赴任という形で現場に復帰した。

「ずっとコーチをやりたいと思っていた。(サントリー時代に一緒にやっていた選手がいて)やりやすいところと、そうじゃないところもあるが、今回は違う立場で強いチームを作っていく。選手のときも日々成長したいマインドでいたので、コーチとしてもそうやっていきたい」。

「他のコーチとともにサンゴリアスの今の選手にあったラグビーを指導してほしいと、キヨさん(田中澄憲監督)に言われて、コーチの中でもセイムページを見ながら選手に指導している。チームのDNAは変わらないし、誰が見てもアグレッシブ・アタッキング・ラグビーがわかるように、今季の選手にあったラグビーをやっていく」。

別メニューのFB松島幸太朗

また、ワールドカップを戦った日本代表選手たちにも話を聞くことができた。大会のケガの影響で別メニューだったFB(フルバック)松島幸太朗は「宮崎合宿の後半から動きだして、開幕には間に合う方向でやっている。ジャパンのときは練習がきつすぎて、ちゃんとウェイトできなかったので、身体の調子自体はジャパンの時よりいい」と話した。

WTBコルビが加入することに関して松島は、「19歳のとき、南アフリカで初めて試合をして、前回のワールドカップやフランスでも対戦したので、チームメイトになるのが楽しみ。ワールドカップの前に、「(サントリー)どう?」とか(加入を)匂わせていましたね(苦笑)」と笑顔を見せた。

さらなるレベルアップを目指すFL下川甲嗣

FL下川甲嗣は「フィジカルの部分で1対1負けてないという自信になったが、高強度がずっと続くと、国内の試合より消耗が早かった。高強度で80分戦い続ける身体を作り上げていきたいし、次のワールドカップも出たい」。

「そのための取り組みでもあるし、今季、チームが優勝する瞬間にグラウンドに立っているのが目標。(新加入のケインには)僕もジャッカルにチャレンジしていきたいので、入り方とかどういうこと意識しているか、聞いていきたい」と話した。

負傷から復帰したSH流大

SH(スクラムハーフ)流大は「ワールドカップは悔しい思い出で、大切な思い出だが、いい経験させてもらった。そこはまったく考えていなくて、引きずることもないし、振り返る必要もないと思っている。今季はサントリーにかける。このチームで優勝したいという思いだけを持っている」。

9番のポジション争いをするSH齋藤直人は「今季やりたいラグビーを信じてやり切るところ、だと思う。最後までこういうラグビーで勝つとか、ここで勝つとかの積み重ね。(伸ばしたいところの)1つはキックゲーム。勝っているチームはそこで優位に立っている。9番からのキックは今のラグビーの中でも重要なので、そこの精度」。

SH齋藤直人、日本代表で9番を争う

また、「アタックは引き続きやっていきたいが、ディフェンスのところも差を感じた。世界では9番もディフェンダーとしてやっている。チームとしての目標は優勝なので、そこに向けて求められていることをやり切りたいし、4シーズン目なので、これまで以上にリードできればいい」と意気込んだ。

12月10日(日)の開幕から、サンゴリアスは昨季のディフェンディングチャンピオンであるクボタスピアーズ船橋・東京ベイと激突する。2017年度から優勝から遠ざかっているサンゴリアスが、今季こそ伝統のアタッキングラグビーで開幕から勝利して頂点に返り咲きたい。

文/写真:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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