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【ハイライト動画あり】横浜キヤノンイーグルスとコベルコ神戸スティーラーズの練習試合。試合後、HC・選手に開幕に向けて話を聞く
ラグビーレポート by 斉藤 健仁デイブ・レニーHC
あと1ヶ月で、3年目のリーグワンが開幕する。各チーム合宿、練習試合で強化が進む中、11月11日(土)、東京・キヤノンスポーツパークで、昨季3位の横浜キヤノンイーグルスと、世界的名将であるデイブ・レニーをHC(ヘッドコーチ)に迎えた昨季9位のコベルコ神戸スティーラーズが対戦した。
両チームのファン約800人ほどが見守る中、昨季、初めてトップ4に入ったイーグルスがその貫禄を見せて、38-12(前半12-0)で勝利した。イーグルスはNO8(ナンバーエイト)シオネ・ハラシリ、FB(フルバック)小倉順平、スティーラーズはFLサウマキアマナキ、SO(スタンドオフ)李承信とワールドカップ日本代表スコッドも元気な姿を見せた。
試合後、両チームのヘッドコーチや選手たちが報道陣に対応した。神戸のデイブ・レニーHCはスーパーラグビーのチーフス(ニュージーランド)を2度の優勝に導き、1月までオーストラリア代表の指揮官を務めていた世界的名将である。
レニーHCは試合を振り返って「今日の試合の違いは、神戸はチャンスを活かせなかったが、キヤノンさんは活かした。クリーンアウトで、速いテンポでプレーできなかったことが仕留め切れなかった要因」。
「正直、負けることはいいことではないが、現実を知ることは悪くない。トップ4のチームと戦うために、どのエリアでさらに良くならないといけないかが確認できてよかった」と冷静に振り返った。
8月に神戸の指揮官に就任したレニーHCは「一番はフィットネスレベルを上げること。その上で、ディフェンスもそうだし、ベーシックスキルのところのレベルを高くしないといけない。昨季9位のチームなので正直、修正しないといけないところがたくさんある。いい内容を出せるところもあるが、フィニッシュが仕切れていないところは、自分たちがまだ成長し切れていない表れだと思う」と続けた。
開幕まで残り1ヶ月ほどだが、今月末には2023年のワールドラグビー世界最優秀選手であるNO8アーディー・サヴェア、LO(ロック)ブロディー・レタリックの2人のオールブラックスも合流するという」。
ジャパンラグビー リーグワン2023-24
【ハイライト動画】プレシーズンマッチ キヤノンイーグルス vs. コベルコ神戸スティーラーズ
手応えに関して聞くとレニーHCは「神戸はいい選手は多いし、ハードワークする選手もたくさんいる。自分たちは、まだまだ成長できる幅がたくさんあると思っている」。
「(今日の試合では)ジャパンの選手2人が40分ずつプレーして、神戸のプレーに入ってきている。月末、オールブラックスの2人が合流する予定で、自分たちでチームの層の深さを作っているが、幅としては成長する余地がある」と前を向いた。
ゲームキャプテンを務めたWTB(ウィング)山下楽平選手は「局面で取れなかったり、ターンオーバーされたり、ミスがあったりと、自分たちで修正できるところなのでレベルアップしていきたい」と前向きに話した。
そしてレニー体制になって変わった点を聞かれると「全部変わりました。やろうとするラグビー、1人1人の意識も変わりました。結果を出せなかったが、ポジティブに捉えている」。
「あとは精度だけだと思う。練習はきつくなった。フィットネスも、ストレングスの部分もそうだし、戦術理解のところも、できていないとダメ。1人1人に対して求められるスタンダードが上がった。今までこれでOKだったのが、厳しいところが求められる」と話した。
SO李(コベルコ神戸スティーラーズ)
ワールドカップで活躍したSO李は「4分間しかワールドカップに出られなくて、またその舞台に戻って強い日本を証明したい。今は4年後、ワールドカップに出るのが目標なので頑張りたい」。
「(レニーHCとなり)選考基準はフラットになるし、若い10番や新しい10番が出てくると思うが、そこに対して自分のやるべきことをやって、1からバトルして10番争いをがんばりたい」と意気込んだ。
昨季以上の成績を目指す沢木監督(横浜キヤノンイーグルス)
一方、昨季はクラブ史上初のトップ4に入り、コーチ陣も選手たちも目標は「昨季以上」と話すイーグルス。沢木敬介監督は、まず試合を振り返って「今季からディフェンスコーチが変わって新しいシステムになった」。
「ペナルティが多かったが、しっかり我慢強くディフェンスしたと思う。我慢しないと勝てない。強いチームは我慢強さがあるチームだと思う」と手応えを口にした。
南アフリカ代表でワールドカップを連覇を達成したCTB(センター)ジェシー・クリエル、SH(スクラムハーフ)ファフ・デクラークも、月末にはチームに合流する予定だ。
「ジェシーも自信をつけて帰ってくると思う。ファフはビッグゲームが強い。(南アフリカ代表の2人は)ワールドカップの決勝までいくと魂が吸われていると思うので、まずゆっくり休んでもらう」。
「もちろん、開幕前の戻ってくるが、今季、初めてうちのラグビーをやるわけではないので大丈夫だと思う。1週間前から入っても、たぶん上手くやってくれる。そのあたりは心配していない」。
今季はNO8で出場予定のハラシリ(横浜キヤノンイーグルス)
日本代表ではPR(プロップ)として選ばれていたハラシリだが、イーグルスでは昨季同様、NO8としてプレーした。沢木監督は「(ハラシリ)本人はPRをやりたくないと言っている。(チームには)彼より強く組めるプロップがいるし、NO8で特殊なものを出せるなら(そこで)プレーさせる」。
「サイズが小さいから代表のNO8ができないというのは、あまりないと思う。一芸で秀でいたら呼ばれるし、南アフリカ代表にもクワッガ(・スミス)みたいな選手がいるし、それくらいのレベルまでいけばNO8やらせようと思う」と言い、今季もチームではバックローとして起用する方針を示した。
また「THE NEXT」というスローガンを掲げた今季に向けて指揮官は「シーズンが深まれば深まるほどエネルギーが出せるような、そういうスケジューリングにしようと思っている。ただ、負けられない試合が続くから、そこを勝ちきるためのベースを作っておかないといけない」と話した。
FB小倉(横浜キヤノンイーグルス)
ワールドカップではスコッドに選ばれたが、試合に出られなかったFB小倉は、「試合に出たい気持ちが大きかった。チームは去年以上の成績を取るのが第一。個人としては10番、15番の両方をカバーできるようにがんばる。何があっても対応できるように、チームが下を向かないように声を出し続けたい」と語気を強めた。
キャプテンのCTB梶村祐介は試合に関して「前半、あまりアタックする機会がなかったが、今季ディフェンスに注力していて、そこの進化を感じられた。80分のゲームの中で、最後上回っていればいいので、前半は完璧だった」と満足した表情を見せた。
東海大出身の新人FLレキマ・ナサミラ(横浜キヤノンイーグルス)が活躍
ファンも関係者も当然、昨季以上の成績を期待している。それを達成するためのカギを聞くとスキッパーは、「昨季を過ごして、チームの基盤が少しずつできてきて、自分たちが上のレベルでやれると感じられたので、そこをどれだけ信じられるか。また、競ったゲームで勝つべき試合に勝てるかが大事になってくる」。
「開幕から(埼玉パナソニック)ワイルドナイツで、2戦目がホームでトヨタ(ヴェルブリッツ)戦なので、簡単にはいかないが、しっかり勝っていくことでチャンピオンにつながっていく。まずは開幕戦から勝っていきたい」と前を向いた。
2018年度のトップリーグを制した神戸スティーラーズだが、そこから5位、7位、昨季は9位と順位を落としている。名将レニーHCが就任し、さらに世界的選手らが加入し、どこまでV字回復できるか、大いに期待がかかる。開幕戦では12月9日(土)、兵庫・ノエビアスタジアム神戸に昇格した三重ホンダヒートを迎える。
沢木体制4シーズン目を迎える横浜イーグルスは、年々、選手層も厚くなり、今季はトップ4に入り、プレーオフ進出するだけでなく、チャンピオンを目指すシーズンとなる。開幕戦は12月10日(日)、埼玉・熊谷ラグビー場で昨季2位のワイルドナイツと激突する。開幕から勝利して勢いに乗りたいところだ。
リーグワン開幕まで1ヶ月あまり、神戸スティーラーズ、横浜イーグルスともに練習試合を重ねて、強化を進めて本番を迎える。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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