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ラグビー コラム 2023年11月10日

大阪高校ラグビーの歴史が動く。大阪第1、第2、第3地区決勝プレビュー。第103回全国高校ラグビー大会予選

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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11月12日(日)の東大阪市花園ラグビー場で、激戦区・大阪の代表3校が決まる。

第103回全国高校ラグビー大会(花園)の大阪府予選は12日、東大阪市花園ラグビー場で、第1、第2、第3地区の決勝戦を行う。

第1地区決勝「関大北陽×大産大附」(11時キックオフ)

2008年度の常翔啓光学園以来、大阪府代表は東海大仰星、常翔学園、大阪桐蔭、大阪朝高の4校が花園切符を掴んできた。

そんな大阪高校ラグビーの歴史が、ついに動く。

第1地区決勝はAシードの関大北陽とBシードの大産大附。どちらが勝っても悲願の花園初出場だ。

2013年創部の関大北陽は成長著しい。

今年は近畿大会2回戦で関西学院(兵庫)を24-0で完封。武器の鉄壁DFで選抜出場を決めると、選抜では國學院久我山(東京)と7-8の大熱戦。敗者戦では東海大福岡に22-7で勝ち切った。

快進撃は続き、高校総体ではグループ戦で大産大附戦(36-10)など2連勝すると、1位チームトーナメント初戦で大阪朝高に10-5で競り勝ち、Aシードを獲得した。

指揮官はヤマハ発動機(現・リーグワン静岡)で7年間プレーした梶村真也監督。第3地区から花園出場をめざす東海大仰星の湯浅大智監督は、東海大仰星高、東海大学の同期だ。

NO8永井玲雅主将をはじめ将来性豊かな大型PR佐名木風雅、快足FL川部颯人、高校ジャパン候補のCTB白石空らタレントもいるが、持ち味は一体感のある組織防御だろう。後半に強い精神力も備えている。

そして花園出場へ燃える大産大附。

高校総体ではグループBで同組になった関大北陽に26点差(10-36)で敗れたが、2位チームトーナメント初戦で興国に36-13で快勝。5・6位決定戦では常翔学園に17-50で敗れて6位となった。

Bシードで迎えた花園予選は、初戦で常翔啓光を88-0で完封。続けて大商大も38-0で2戦連続の完封勝利。関大北陽との決勝戦へ駒を進めた。

今年は高校日本代表候補にも選ばれたLO朝倉晴樹、辻村和真の共同主将制を敷いたという。高校総体の常翔学園戦でトライを奪ったFW陣は力強く、フィジカリティに長ける。天候に恵まれれば、好ランナーの多いバックスが躍動するはずだ。

第2地区決勝「大阪桐蔭×大阪朝高」(12時30分キックオフ)

3大会連続17度目を狙うAシードの大阪桐蔭。

今年も全国上位に食い込む実力があり、春の選抜は近畿1位で出場。準々決勝で、優勝した桐蔭学園(神奈川)に10-38で敗れ8強に終わったが、高校総体トーナメント初戦では東海大仰星を24-5で押し切った。

8月菅平の練習試合では、選抜準優勝の東福岡と3点差(24-27)の熱闘。迎えた花園予選では淀川工科(139-0)、布施工科(70-0)と順当に勝ち、ファイナルに進んできた。

FWの容赦ない推進力は今年も武器。2年生ハーフ団(SH川端隆馬、SO上田倭楓)指揮の下、高校代表候補にも選ばれたNO8上野凌大がゲインを取る。体重120kgのPR野村俊介を中心にスクラムパワーも圧巻だ。

雨中戦もお構いなしのスキルフルな展開力もある。CTBには高校代表候補の平野晃成、名取凛之輔。2人のマークに集中していると、SO上田がクレバーなキックで裏を取ってくる。総合力は全国指折りだ。

Bシードの大阪朝高は、3大会ぶり12度目の花園出場に懸ける。

今年の大阪予選の波乱、元を辿れば1月の新人戦で、登録メンバー18人の大阪朝高が東海大仰星を17-12で破ったことに端を発している(※後述)。

近畿大会は2回戦で報徳学園に9点差(17-26)で敗れ、高校総体は関大北陽(5-10)、東海大仰星(22-34)と熱戦を演じた。

潜在力は23年W杯日本代表のSO李承信はじめ、多数のOBが証明済み。要はHO高晃崇主将。セットプレーで軸となる高校代表候補にもなったタックラーだ。配球巧みなSH金東暉、多種多様なキックを使い分けるFB金侑雅など好素材は多い。

花園で3度の4強実績を誇る少数精鋭の極み、大阪朝高は、常にサプライズを予感させる熱量を秘めている。

第3地区決勝「東海大仰星×常翔学園」(14時キックオフ)

5大会連続23度目の花園を狙う東海大仰星。

9大会連続42度目の全国舞台をめざす常翔学園。

両校の全国制覇は計11回(東海大仰星6回、常翔学園5回)。予選決勝とは思えぬビッグマッチだ。

大阪朝高が近畿大会出場権の懸かった1月の新人戦で、東海大仰星を撃破。東海大仰星が26年ぶりに近畿大会出場を逃した。

高校総体のグループ戦では、この新人戦上位4校(大阪朝高、常翔学園、大阪桐蔭、関大北陽)が4組へ振り分けられたのだが、ここで東海大仰星が常翔学園と同じDブロックに入った。

このDブロックで、近畿大会を逃した東海大仰星が、春の全国選抜大会でベスト4(8年ぶり)に入った常翔学園に31-22で競り勝った。この結果、常翔学園はAシードを逃すことに。まさに“超激戦区”大阪ならではの展開だ。

そして7月の府予選の組み合わせ抽選会。

焦点は、Bシードに回った常翔学園が第1~3地区のどこに入るか。結果は、東海大大阪仰星のいる第3地区だったのだ。

常翔学園は高校代表候補は第1次メンバーで岩本有伸主将ら7名。185cmのPR佐藤蓮、為房幸之介らもおりタレントパワーは強烈。PR佐藤は2年前の101回大会準々決勝、東海大仰星戦の先発LO。為房は先発WTB。共に1年生で7-45の敗戦を経験しているメンバーだ。

一方の東海大仰星はU17日本代表メンバーにLO百武聖仁、FL/NO8駒井良、SO吉田琉生が選出されるなど2年生以下も貴重戦力だ。

第1試合は花園初出場を懸けた歴史的一戦。第2試合は激戦必至のバトル。第3試合は全国強豪同士のビッグマッチ――。週末日曜日の花園ラグビー場から目が離せない。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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