【ハイライト動画あり】同志社大学、開幕5連敗で大学選手権出場の可能性が消滅。ラグビー関西大学リーグ

開幕5連敗となった同志社大学

11月5日、鶴見緑地球技場（大阪府）で行われた2023年ムロオ関西大学Aリーグ対天理大学戦。開幕4連敗から2週間を空けて挑む第5節の会場には去年の最終節のような、覚醒する同志社大学に期待するファンが多く駆けつけた。しかし、結果は1トライしか奪えず、5-59で大敗を喫した。

選手権出場にはボーナスポイントを含む勝ち点5が必須となる同志社は前半から気持ちが入る。しかし、最初に得点を刻んだのは天理大。自陣22m付近まで攻め込まれると、ラックのブラインドサイドを突破され、先制トライを許した（0-7）。続く5分にも、ファーストタックルで倒しきれず、オフロードでつながれて自陣深くまでボール運ばれる。最後はラックサイドに走り込まれ、トライを奪われた（0-14）。

その後、同志社は相手のパスをインターセプトするも、マイボールを維持することができない。それでも13分に停滞した状況の中、CTB（センター）岡野喬吾が抜け出しビッグゲイン。FW（フォワード）で敵陣5mライン付近まで近づいた。だが、あと一歩のところでペナルティを犯し、得点の機会を阻まれた。

またも得点を重ねたのは天理大だった。同志社がハイパントキックの処理を失敗し、こぼれたボールを拾い左へ展開。右大外に押さえられた（0-19）。その後も、整わないディフェンスラインにカウンターを受け、連続でトライを浴びる（0-26）。36分には、FW陣の要であるFL（フランカー）奥平都太郎が足を痛め負傷交代。この悪い流れを止めきれず、ゴールライン中央へと飛び込まれた（0-33）。

ディフェンスラインが崩壊した前半戦から立て直しを図る後半戦。「やりたいことやりきろう」。PR（プロップ）山本敦輝主将の言葉に古豪は少しだけ息を吹き返す。突破口を開いたのは岡野だった。自陣22m内でフェアキャッチしたWTB（ウィング）岩本総司からパスを受けると、敵陣まで大きくゲイン。

この日唯一のトライを奪ったCTB岡野

相手の反則からクイックスタートを仕掛け、FWで敵陣5m付近まで近づくと、またも右大外でCTB岡野が顔を出し待望のトライを奪った（5-33）。このプレーとトライについて「持ち味をしっかり出せた」（岡野）と磨いてきた自分の武器を全面に見せた。

しかし、ここから天理大の猛攻が始まる。10分、相手アタックのテンポにはまり、自陣から抜け出すことができず防戦一方に。21分には約10分間耐えしのいできた防御網が天理大FW陣に破られた（5-40）。

その後、同志社が敵陣22m内に侵入することはなかった。天理大のアンストラクチャーで優位に立ち続けるラグビーに飲み込まれた選手たちは、次々とトライを奪われる。結果、試合終了までに3トライを追加され、5-59。今季最多失点で力の差を顕示された。

途中出場で奮闘したCTB野口大介

副将FB（フルバック）芦塚仁は「自分たちがやろうとしていること、自分たちが用意したプランを遂行できなかった」と振り返り、全体を通して迷いの出る試合となった。そして、橋野皓介アシスタントコーチは「ハイボールを取れず、空中戦で後手に回ってしまった。ペナルティを犯すと一気に不利になる」と修正点を語った。

5連敗となってしまった今回の試合に対し、宮本啓希監督は「（試合の）入りの部分で自滅してしまった。結果は変えられないから、自分たちでコントロールできる部分に集中しないといけない」と反省。次戦に向け「入りの部分を突き詰めてやる」と意気込んだ。

今日の負けで大学選手権出場の可能性が消滅。早ければ次節にも、入れ替え戦出場が確定する。大学ラグビーの歴史をつくってきた伝統校は真価を示し、この逆境をチーム全員で乗り越えていく。

文：西田雄哉／写真：勝部健人（同志社スポーツアトム編集局）