慶明戦、3年ぶりの勝利を目指す慶應義塾大学、全勝を守りたい明治大学。ラグビー関東大学対抗戦

慶明戦のスタメン

9月に開幕したラグビー関東大学対抗戦も11月に入り、強豪校同士が激突する。5日（日）、埼玉・熊谷ラグビー場では「慶明戦」こと、慶應義塾大学と明治大学が相対する。

日本ラグビーのルーツ校である慶應義塾大学は筑波大学にこそ惜敗したが、下位チームには勝利して3勝1敗（勝ち点14）で4位につけている。一方の明治大学は開幕から4連勝（勝ち点20）で、同じく4連勝の帝京大学に次いで2位につけている。互いに優勝に向けて大事な戦いで、両校のプライドのかかった試合となるだろう。

毎年、11月上旬に行われている「慶明戦」といえば、互いに持ち味を出した接戦となることでよく知られている。過去2年は明治大学が54-3、46-17で快勝しているが、2020年は慶應義塾大学が13-12、2018年も28-24と僅差で勝利しており、過去5年の対戦成績は明治大学が3勝2敗でリードしている。

100周年を迎えている明治大学としては、昨年同様に、武器であるFW（フォワード）のセットプレーで相手にプレッシャーをかけつつ、BK（バックス）でトライを奪いたいところ。一方の慶應義塾大学としては伝統のタックルでロースコアーのクロスゲームに持ち込み、勝機を見いだしたい。

それでは両校のメンバーを見ていこう。今季から指揮を執る慶應義塾大学の青貫浩之監督は、前の試合からFB（フルバック）1人を変更した以外は、同じメンバーを先発で起用した。

慶應義塾大学スタメン

PR（プロップ）は木村亮介、キャプテンの岡広将（ともに4年）、ラインアウトの要・HO（フッカー）中山大暉（3年）、LO（ロック）はシュモック オライオン（4年）と中矢健太（3年）のコンビ。バックローはFL（フランカー）樋口豪、富田颯樹（ともに4年）、NO8（ナンバーエイト）冨永万作（3年）の3人が入った。

BKはSH（スクラムハーフ）橋本弾介（2年）、副将SO（スタンドオフ）山田響（4年）のハーフ団、CTB（センター）コンビは三木海芽、永山淳（ともに4年）、WTB（ウイング）は佐々仁悟、大野嵩明（ともに4年）、FB（フルバック）には1年の松田怜大（桐蔭学園出身）がメンバー外となり、U20日本代表の今野椋平（2年）が15番に入った。

ベンチにはHO酒井貴弘、PR井上皓介、小松秀輔（いずれも4年）、LO浅井勇暉、FL田沼英哲（ともに3年）、小城大和、WTB伊吹央（2年）、SO磯上凌（3年）が控える。

慶應義塾大学としては規律よく戦い、SO山田、CTB永山、FB今野らがキックを上手く使って相手陣で戦う時間を増やし、そして、しっかりチャンスで得点を重ねてプレッシャーをかけたいところだろう。

明治大学スタメン

一方、3シーズン目を迎えている明治大学の神鳥裕之監督は、FWのメンバーは前節と1人交替し、BKは3人変更して臨んだ。PR床田淳貴、為房慶次朗、HO松下潤一郎、LOは副将の山本嶺二郎（いずれも4年）と空中戦に強い佐藤大地（3年）、バックローは初の紫紺となるU20日本代表FL最上太尊（2年）、福田大晟、NO8木戸大士郎（いずれも3年）が入った。

ハーフ団はSH大越勇気に替わり萩原周と、SO伊藤耕太郎の4年生コンビ、CTBはキャプテン廣瀬雄也（4年）がスターターに復帰し、U20日本代表の平翔太（2年）とコンビを組む。バックスリーは先発で唯一の1年のWTB海老澤琥珀（報徳学園出身）が対抗戦で初先発し、安田昂平、前の試合CTBだったFB秋濱悠太（ともに3年）が入った。

ベンチにはHO西野帆平（2年）、PR中山律希、古田空（ともに4年）、1年のLO物部耀大朗（中部大春日丘出身）、FL利川桐生（2年）、SH登根大斗、1年のSO伊藤利江人（報徳学園出身）、WTB東海隼（2年）が控える。

明治大学は4年生、3年生と上級生が多く揃うスクラム、ラインアウトからのモールといったFW戦でプレッシャーをかけて、試合を優位に進めたいところ。また、BK陣にも展開力、決定力があるためにセットプレーを起点にしっかりトライを奪いたい。

関東対抗戦も残り3試合、優勝するためには負けられない一戦であり、両校のプライドがかかった大一番である。明治大学が3年前からの連勝を増やすことができるか、それとも慶應義塾大学が武器であるタックルを軸に、3年ぶりに白星を挙げることができるか。

「黒黄」対「紫紺」の伝統の一戦は、11月5日（日）午後2:00に熊谷ラグビー場でキックオフされる。

文：斉藤健仁