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スクラムを見つめるSO嘉納
1964年の本格的なリーグ戦発足から初の開幕4連敗となった同志社大学。受け止めきれない現実に、涙を流した。なんとしても勝利がほしかった第4節。後半ロスタイムにSO(スタンドオフ)嘉納一千がPG(ペナルティゴール)を狙うも、左に外れ32-34のままノーサイドの笛が鳴った。
10月30日時点で、昨年王者京都産業大学は無傷の5連勝で首位。2位に天理大学、関西学院大学と続く。一方で同志社は勝ち点2で最下位。残り3節で上位3校と対戦となり、入れ替え戦の崖っぷちに立たされている。
第5節は11月5日(日)に鶴見緑地球技場で天理大と激突。昨年のAリーグの対戦では47-19で大勝、今年の春も41-33で白星を収め、過去の対戦成績だけ見れば相性は悪くない。だが、相手は開幕から負けなしの4連勝と対照的だ。前節では紺グレが7-35で敗れた立命館大学を68-0で下すなど、今秋はリーグ随一の得点力を見せている。
中でも昨年のトライ王で、今季もトライランキングを独走するNO8(ナンバーエイト)パトリック・ヴァカタは破壊力抜群のランナー。攻撃の火付け役となる彼の突破を封じ込めるかが勝敗を分けることになりそうだ。
「前半の失点が後半に響いた」(HO/フッカー長島幸汰)。前節は摂南大学に先手を奪われ、焦りからミスを多発。後半10分以降は何度かゴールラインを割ったが、なかなかグラウディングさせてもらえず得点できなかった。
先制点がポイント
昨冬、今春と、天理大に勝利した試合はいずれも先制していることを踏まえても、先制点は1つのキーポイント。主導権を掌握するためにも、まずは最初の10分に全力を注ぎ、コンタクトの局面で対等に立ちたい。
防御面に関しては、ダブルタックルの徹底が求められる。「強いプレーを着実にやってくるチームなので、そこに対して逃げないことが大事」(宮本啓希監督)。
多くの選手が今季のベストゲームを挙げる春の対戦では、粘り強くタックルとリロードを繰り返し、相手のミスを誘った。今試合も簡単にゲインラインを切らせないよう、アシストタックラーの質にこだわる必要がある。
一方で指揮官が、「準備したことを完璧にやってくれた」と振り返ったセットプレーは、引き続き高精度を維持したい。新しくFW(フォワード)コーチを招聘した効果もあり、前節は今季初めてスクラム、ラインアウトともに成功率100%を記録。
スクラムでペナルティを奪うFW陣
特にスクラムでは世代トップの呼び声高いPR(プロップ)山本敦輝が本領を発揮し、対面を圧倒した。セットプレーに絶対的な自信を持つ天理大にどこまで対抗できるか。攻撃の時間を増やすために、これらの安定は欠かせない。
10月29日に行われたゲームで関西学院大学が京都産業大学に敗れたことから、現時点で選手権出場の可能性はごくわずかだが残されている(勝ち点で並んだ場合、直接対決の勝敗で順位が決定)。ただし、残り3試合とも勝ち点5が必須条件だ。かすかな希望を信じ、前半から強気に点差を広げていく戦いを目指すほかない。
「自分たちのやりたいラグビーをやる」(山本敦輝)。まずは連敗を止め、今季初白星を。止まった時計の針を再び動かし、対天理大戦の連勝を伸ばす。
文/写真:勝部健人(同志社スポーツアトム編集局)
同志社スポーツアトム編集局
同志社スポーツアトム編集局は1978年に創刊された同志社大学唯一の体育会機関紙です。年6回の本紙の発行を軸に、号外の発行やHPの管理などをすべて学生の手で行っています。
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