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ラグビー コラム 2023年11月2日

昨季“ミラクル”起きた注目カード。「天理大学×同志社大学」の行方は。関西大学ラグビーAリーグ

ラグビーレポート by 多羅 正崇
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山本 敦輝(同志社大学)

2023年度のムロオ関西大学ラグビーAリーグは第5節に入った。

11月5日(日)、開幕4連勝で暫定2位(勝点19)の天理大学と、4敗で同8位(勝点2)の同志社大学がぶつかる。

同志社大は開幕4連敗だが、直近2試合は2点差の接戦だ。

3戦目の関西大学戦は29-31。終盤スクラムでのペナルティから逆転PGを許した。

前回4戦目は摂南大学に32-34。今度は終盤スクラムで、フル出場のPR山本敦輝主将を筆頭にペナルティを奪い、“逆転サヨナラPG”のチャンスを呼び込んだ。結果的にPGは外れたが、高いエナジーを最後まで持続させた。

しかし接戦を落としがちな傾向はリーグ3位(3勝4敗)だった昨季もあり、4敗のうち3敗が5点差以内。

ただ能力は高く、昨季リーグ最終第7節では4勝目を奪取。5位から大学選手権出場権内の3位に浮上し、土壇場で4季連続の選手権出場を決める“ミラクル”を披露した。

その最終戦の相手が昨季2位の天理大だった。

昨季の天理大戦に出場した4年生は、メンバー23人中10人(先発7人、リザーブ3人)。3年生以下は13人。試合後赤キャップの梁本旺義主将(現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)が涙した歓喜を知るメンバーは少なくない。

本稿執筆時点でメンバーは未発表だが、大学屈指のスクラムマンであるPR山本主将をはじめ、フロントローはHO大山卓真、PR上野聡大らが頼もしい。

バックスはエース級が多数。

熟練度が増したSO嘉納一千、スキルフルな副将のFB芦塚仁

そして立命館大学戦や摂南大学戦で独走トライを決めた岡野喬吾、足技も利く市川亮太のCTBコンビは強力だ。ルーキーWTB上嶋友也は今後の同志社大BKを牽引する存在だろう。

かたや昨季2位の天理大は、まずはリーグ王座奪還へ向けて連勝を伸ばしたいところ。

選手権出場3枠の確保は当然として、関西王者として大学選手権に乗り込み、現4年生が1年時に経験した「大学日本一」を今季こそ勝ち取りたい。

今季はフィジカル強化に再注力。大学王者の時代を支えた強力スクラムにも磨きをかけ、今季は8対8の勝負でさらに圧倒する場面が多い。

前戦の立命大戦は68-0の完封劇。前半は接戦模様(14-0)だったが、後半は圧倒的なスクラムなどセットプレーを土台として突き放した。

効果的なラインアウトモールでは、得点感覚に優れるHO寺西翔生が小気味よくフィニッシュする。副将で台湾・竹園高校出身のLO鄭兆毅は注目のハードワーカーだ。トンガ出身のNO8パトリック・ヴァカタは問答無用の突進力でトライを奪う。

3年生以下が中心のバックスは将来性豊か。

下級生から重用されてきたSO筒口允之(3年)はキック、ランの正確性が目を引く。上ノ坊駿介(2年)と上野颯汰(3年)のCTBコンビはスキル豊富な業師であり、高速展開で光る存在だ。

大きな焦点はやはりセットプレーの攻防だろう。

同志社大は、絶対的な武器となりつつある天理大のスクラムに対して対抗し、安定性を確保したい。また天理大のラインアウトやモールにおいて効果的なディフェンスができれば、相手の大きな武器を一つ消すことができる。FW戦の攻防に注目が集まる。

同志社大、念願の初勝利か。それとも天理大の開幕5連勝か。今季の舞台は大阪・鶴見緑地球技場。キックオフは14時だ。

文:多羅 正崇
多羅正崇

多羅 正崇

スポーツジャーナリスト。法政二高-法政大学でラグビー部に所属し、大学1年時にスタンドオフとしてU19日本代表候補に選出。法政大学大学院日本文学専攻卒。「Number」「ジェイ・スポーツ」「ラグビーマガジン」等に記事を寄稿.。スポーツにおけるハラスメントゼロを目的とした一般社団法人「スポーツハラスメントZERO協会」で理事を務める。

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