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ラグビー神社を訪れたリーチ マイケル
8月7日から、東京・丸の内の丸ビルにある「ラグビー神社」。世界遺産である京都「下鴨神社」の境内にあり、ラグビーとゆかりの深い「雑太社」(さわたしゃ)の神様をお祀りし、ラグビー日本代表の勝利を祈願するために設置されたが、ワールドカップ決勝を終えた10月29日に設置期間が終了した。
最終日に「大会前から、大会の間も含めてファンの方の応援に感謝したい」とラグビー日本代表FL(フランカー)リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)が参拝に訪れ、ファンサービスをするとともに報道陣にも対応した。
「証明」と書かれた絵馬を奉納するリーチ マイケル
リーチは大会前もラグビー神社に「証明」と書かれた絵馬を奉納した。2日前まで家族で10日ほどフィジーに行って「メンタルがリフレッシュできた」というリーチは「日本ラグビーは絶対に強くなっていることは証明できたかなと思う」。
「大会中に相手にプレッシャーをかけることもできて、2試合勝つこともできて、まだ強いチーム2つ相手に60分、すごくいいプレッシャーかけて最終的に負けてしまったが、強くなっていることは証明できたかと思う」と前を向いた。
29日の早朝、ワールドカップ決勝が行われ、南アフリカ代表がニュージーランド代表を下して優勝した。その感想を聞かれてリーチは「レッドカードが出て、大会を通してヘッドタックルへの厳しさがまた出た。その中でも、1点差でニュージーランドが負けたのは悔しいが、本当にいい試合だった」と話した。
改めて、プール戦でアルゼンチン代表に負けた夜は、どんなことを考えたかという質問には、「最後の夜、いろいろな思いも、悔しい思いもあって、4年間も準備を振り返ってみて、本当に全力を尽くしたと思った。また次のワールドカップ、どうやって強くなっていくかを考えたり、このジャージーをもう1回、着たいと思ったりして夜を過ごした」と振り返った。
3位決定戦では日本代表が予選プールで対戦したイングランド代表とアルゼンチン代表が激突した。「3位決定戦の試合を見て、前回大会もそうだったが、層の厚さが必要だと今回も感じた」。
参拝するリーチ マイケル
「プール戦4試合の中でメンバーを入れ替えて、フレッシュな状態で立つのが1番。そこに立つために、コンタクトの強度もあげないといけないし、60分からの戦いを学ばないといけないし、見ていて新しい課題を見つけられてよかった」。
日本代表の課題について聞くと、「試合数がチームにとっては重要なこと。2019年から2023年の間、言い訳にはならないが、もう少し試合ができて、もう少しいろいろな選手が経験できたらよかったと思う」。
「自分たちのラグビーはトライも取れるし、ディフェンスもできる。これからはどうやって勝っていくのかが最大の課題。リーグワンは必ずレベルも上がるし、あとは選手をどうやって育てていくかが、新しい課題。4年後、個人的にはどうなるかわからないが、どんどん成長したい」と率直に話した。
そして、2027年、5度目のワールドカップに対する意気込みを聞くと、「多くの人に今大会で最後と言われ続けたが、僕は最後じゃないなと思っているし、リーグワンでのプレーが良ければ選ばれると思うので、しっかり自分のプレーにどんどん集中して選ばれるように頑張りたい」。
そして、「次の大会に出たい気持ちは変わらずです」と言うと、会場に集まったファンからは拍手も聞こえた。
新しい日本代表の新HC(ヘッドコーチ)人事に関しては、「日本ラグビーを良く知っているコーチがいい。日本の文化を知っているコーチが一番チームにとっては必要と思う」。
「エディー・ジョーンズもジェイミー・ジョセフもすごく日本にいる時間が長くて、日本語も喋れた。候補の名前がいくつか上がってきて、すごく楽しみにしている。どっちに転んでも日本のラグビーにとってはいいと思う」と話すにとどめた。
いよいよ、12月9日からは3シーズン目となるリーグワンが開幕する。リーチは「たくさん海外のスーパースターが集まってくるので、どの試合も勝つのが難しくなる。個人としては、タックルを磨いて自分のプレーに集中したい」。
リーグワン開幕に意欲を燃やすリーチ マイケル
そして「また、日本代表にジャージーをつかめるようにやっていきたい。一番やりたいのは東京サントリーサンゴリアス。11月18日に行われるサンゴリアスとのプレシーズンマッチには出たい。開幕から最後までスタメンで続けるように頑張りたい。11月5日から行われる鹿児島合宿からフル合流する」と語気を強めた。
東芝ブレイブルーパス東京には、ニュージーランド代表SO(スタンドオフ)リッチー・モウンガ、FLシャノン・フリゼルが加入し、チームメイトになる。「2人ともあまり面識がなく、リフレッシュして早く合流してもらって、たくさん学びたいと思った」。
「日本のことを教えるというよりも、東芝にしっかり合流して、たくさん交流してもらいたい。外国人選手同士はどうして固まってしまうので、できるだけ日本の選手のたくさん触れ合う時間を作ってほしい」と話した。
改めて今季の意気込みを聞くと、35歳のリーチは「個人の目標はまずはメンタルも身体も作り直していきたい。東芝ブレイブルーパス東京としての目標は優勝。3~4年、トッド・ブラックアダーHCの下でやってきて、そろそろ優勝しないといけないと思っている」。
「大事なことは試合に勝つこと。たくさんいい選手もいるので、リーグ戦を通して、どのメンバーが出ても活躍できるチームを作っていきたいと思う」と意気込んだ。
昨季は16試合すべて出場して元気な姿を見せたリーチ。オールブラックスの2人が加入し、戦力が大きくアップすると東芝ブレイブルーパス東京のリーグワン初優勝に向けて、ボールキャリーとタックルでチームを引っ張っていく。
文/写真:斉藤健仁
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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