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ラグビー コラム 2023年10月26日

【ハイライト動画あり】慶應義塾大学、体現したいラグビーを見せて成蹊大学に勝利。ラグビー関東大学対抗戦

ラグビーレポート by 慶應スポーツ新聞会
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モールでボールを奪ったシュモック

10月22日、3週間ぶりの試合となった慶應義塾大学、対する成蹊大学とは4年ぶりの顔合わせとなった。舞台は岩手県・北上市。試合開始の13:00時点で気温は13度と、東京より5度も低い寒さだったが、それを感じさせない熱い試合が繰り広げられた。

早速、開始2分で慶大がチャンスを迎える。成蹊大のSO(スタンドオフ)石原幸亞のダイレクトタッチで、22mライン付近からのラインアウト。ラインアウトからのモールに自信を持っている慶大だが、ここはモールを組まずに展開。

HO(フッカー)中山大暉(環3・桐蔭学園)が当たって起点を作ると、LO(ロック)中矢健太(総3・大阪桐蔭)の内側に返したパスを受けたシュモック オライオン(環4・Mount Albert Grammar School)が大きく前進。

そして、LO中矢がピック&ゴーでインゴールまで2mのところまでゲインすると、あとは外に展開するだけ。WTB(ウィング)佐々仁悟(総4・國學院久我山)にボールが渡り、悠々とトライをあげ、5点を先制する。

PG(ペナルティゴール)で3点を返されるが、観客席からは「慶應、ディフェンスから!」という叫び声。攻め込まれても規律を守りながらディフェンスし、絡む時に絡んでペナルティを誘った。

その後は慶大の攻撃へと移り、20分には今度はHO中山がピック&ゴーで30mほど前進。相手をステップで交わし、最後はオフロードでWTB大野嵩明(法4・慶應)がパスを受けトライ。

26分には、得意のスクラムで、右PR(プロップ)岡広将(総4・桐蔭学園)が完全に組み勝ち、コラプシングを誘った。SO山田響(総4・報徳学園)が正面からPGを決め、3点を追加し13-3。

さらにFW(フォワード)陣が魅せる。30分、慶大がトライまであと5mと攻めこんだ中、相手ボールでのラインアウト。相手はボールをキープし、一旦モールの体制に持ち込むが、ここで慶大がモールで押し返す。結局、オライオンがモール内でボールの獲得に成功し、一気に慶大のチャンス。

ここまでの集大成ともいえる山田のトライ

直後に同じ地点で成蹊ボールのスクラムとなるが、ここでも慶大が猛プッシュ。成蹊大がボールをインゴールにつけたため、慶大ボールの5mスクラムに。このスクラムでも組み勝ち、コラプシングのアドバンテージを得ると、大胆に攻められる慶大は展開を選んだ。SO山田は外にパスするふりをしながら縦に切り込みトライ。20-3として前半を終えた。

後半も慶大の攻撃は止まらない。13分には相手のノットロールアウェイでタッチに蹴り出しラインアウト。モールを組み、中山がトライ。26分にも、敵陣で相手のペナルティをもらいつつ、FWで攻め、最後はCTB(センター)永山淳(総4・國學院久我山)に渡り、トライ。この時点で34-11と相手を大きく突き放した。

ノーサイドまで5分、攻撃の手を緩めなかった。終盤に強い慶大、体力は依然衰えず畳みかけるかのようにモールで攻撃し、「Ready Go!」の掛け声に合わせて突き進んだ。2試合ぶりに復帰したLO中矢が2つ目のトライをあげ、SO山田がコンバージョンを決めたところでノーサイド。ラストワンプレーまで集中力を切らさなかった。最終スコアは46-16で、勝ち点「5」を獲得した。

予想通り、FW陣が力勝負で圧倒し、BK(バックス)陣の展開も冴え勝利したこの試合。特に前半34分の山田のトライは、選手自身で判断する中、FW陣がスクラムで圧倒し、BK陣で確実に取り切るという、ここ4戦の中で慶大が一番体現したいラグビーだったように思える。

「ディフェンスをしながら前に出て、少ないチャンスをモノにしてトライを上げる」というラグビーが完成形に近づいており、戦術がはっきりしていることも勝利の要因だろう。青貫浩之監督の考えるラグビーが、試合を重ねるにつれて浸透し、グラウンドで表現できている。

特にWTB佐々は声による躍動感、相手を抜き去るスピード、そしてタックルを受けても倒れないフィジカルを披露し、常に慶大を盛り上げていた。

次戦は11月5日の明治大学戦だ。強敵だが、優勢時も劣勢時も、慶大のやりたいラグビーを80分間続け、戦うのみである。

文:野上賢太郎/写真:愛宕百華(慶應スポーツ新聞会)

慶應スポーツ新聞会

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慶應義塾大学文化団体連盟所属の公認サークル。通称ケイスポ。全40ある体育会の取材から記事の執筆、年7回の新聞製作まで全て学生の手で行う塾内唯一のスポーツ新聞サークル。部員数約50名、35年の歴史を持つ。»慶應スポーツWebサイト

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