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藤井雄一郎新監督(左)と山谷拓志社長
10月21日(土)、リーグワンディビジョン1の静岡ブルーレヴズが新監督就任会見を行った。登壇者はラグビーワールドカップ2023でラグビー日本代表のナショナルチームディレクターを務めていた藤井雄一郎新監督と、山谷拓志代表取締役社長兼強化部部長/ゼネラルマネジャーの2人だった。
まず、山谷社長が「今回、藤井さんをブルーレヴズの監督としてお招きできたことをうれしく誇らしく思っています。過去2シーズンは8位と戦績が上がらず、チームをかつての時代のように、優勝争いをしていきたいという強い思いがあり、指導者をどうするか考えてきた」。
「藤井さんは、かつてサニックスを指導して、予算など制約ある中で成果を出してきた方で、日本代表、サンウルブズの経験もあり、世界に挑むチームも作っていくことに長けている。我々が日本一に挑んでいくにあたり、必要な知識、経験を持っているということで、お招きした次第です」と説明した。
藤井監督は2005年から宗像サニックスブルースで監督を務め、2017年からはサンウルブズのGM(ゼネラルマネジャー)などを経て、2019年からは15人制男子の日本代表強化委員長(2021年からナショナルチームディレクター)として2度のワールドカップで、ジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)を支えた。同じタイミングで日本代表のスクラムコーチだった長谷川慎氏もブルーレヴズのコーチとなる。
藤井雄一郎新監督
「どちらかというと長谷川コーチに口説かれた」という藤井監督は「もともと現場にいたので、次やるなら監督をやりたいと思っていた。いくつかのチームから話をもらったが迷いなく、一番、好きなチームに来られた。長谷川慎が(ブルーレヴズに)いたことも大きかった」という。
藤井新監督は「今からブルーレヴズに入って、選手とともに歩んでいく。昨季8位ということで、どのチームも8位を超えないと上にいけないので、上に7つ、下に4つのチームがあるが、上のチームは8位に負けたら昨季より悪くなる。下のチームは勝たないとベスト8にいけない。全チームが勝ち星をこのチームに数えていると思う。そう簡単に勝ち星を渡さない、しぶといチームを作っていきたい」と語気を強めた。
静岡ブルーレヴズの新監督となった藤井雄一郎
FW(フォワード)、特にスクラムの強さはブルーレヴズの伝統だが、どんなラグビーをしたいか?という質問に対して藤井監督は、「精度ややり方は上から4チームと比べて惜しいところもあるが、伸びシロはまだまだあるし、選手が持っているポテンシャルは他のチームと変わらないので、そこを上げていければいいチームになる」。
「どこで勝つかというより、いろいろなことができるチームにしないとトップ4に勝てない。偏ったチームではなく、今いるチームで個人もチームも強みをしっかり磨いて、その中でゲインラインを切って、ゲインラインを止めて、前に進む、進められないチームとなりたい」と話した。
日本代表でジョセフHCとともにチームを強化していた経験はどう活きていくかという質問に対して、藤井監督は「スクラム、ラインアウト、モールの知識、使い方は今まであまりなかった。コンタクトエリアの強さ、強化の方法はジェイミーの一番得意とするところで、そこを一番勉強してきたので、頭の中は変わっている」と話した。
長谷川アシスタントコーチはスクラムだけでなくFW全般を任せ、昨季まで指揮官だった堀川隆延コーチはディフェンスを担当する。また、有賀剛、田村義和アシスタントコーチもおり、藤井監督のコーチ陣をまとめる手腕が問われることになろう。
今季の目標に関して新監督は「優勝を目指してやろうと選手には言っています。トップ4に勝つためには、それぞれの選手が代表クラスにならないといけない。どのチームも(ブルーレヴズを)勝ち星に入れている。全員がそれをしっかり理解して、トップ4にしっかり入れるチームを作っていきたい」と意気込んだ。
12月9日(土)、東芝ブレイブルーパス東京との開幕戦まであと1ヶ月半あまり。藤井新監督はサニックス、サンウルブズ、そして日本代表での経験を糧に、宮崎合宿でチームを急ピッチで作り、リーグワンで旋風を巻き起こせるか。
文:斉藤健仁/Photo by Yuuri Tanimoto
斉藤 健仁
スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント
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