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POMの平翔太
関東大学対抗戦も中盤に差しかかった第4戦目の相手は立教大学。『コンプリート80』を今試合のテーマに掲げ、明治大学は終始、ペースを崩さず80分間試合を展開した。相手に失点を許すも、明大は前に出るアタックが光り、97−7と圧勝した。
試合が動いたのは前半5分。相手がキックしたボールが自陣深いところに落ち、それに反応したFB(フルバック)竹之下仁吾(政経1=報徳学園)が、30m以上のゲインで敵陣深く攻め込み、パスを受けた左CTB(センター)平翔太(商2=東福岡)がグラウンディング。
「遠慮せずにボールを持ったら、自分で行こうと決めていた。抜けられたところがあったので試合の入りは良かった」(竹之下)。
ボールキャリーをする木戸
これで明大は波に乗り、左右にパスを展開。ゴールライン付近でフェーズを重ねる。前半19分には、相手のペナルティから素早い攻撃でディフェンスのスキを突き、NO8(ナンバーエイト)木戸大士郎(文3=常翔学園)がインゴールへ。「ゴール前で相手が下がるのが遅くて、これはいけるなと思った」(木戸)。
その後も、スピードのあるアタックと安定したセットプレーで点数を積み重ねていく。前半37分、自陣10mライン辺りでのマイボールスクラムで立大を押し、アドバンテージを得るとBKに展開。相手ディフェンスをかわしながらハーフウエーラインからゴールラインまで平翔太が走り切り、ハットトリックとなる3本目のトライを挙げる。
「相手が詰めてくるディフェンスに対して、スペースが開いていたのでそこを狙った」(平翔太)。前半は相手に流れを渡すことなく、40−0で試合を折り返した。
「まず、クイックセットを意識して、そこからモメンタムをやっていこう」(ゲームキャプテン・左LO/ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)と挑んだ後半。
後半4分、敵陣10mラインのマイボールラインアウトの好機を生かし、右WTB(ウイング)安田昂平(商3=御所実)がインゴールへダイブ。その後もテンポの良い試合運びで、さらに点差を広げていく。「自分の持ち味はテンポ。後半にかけては結構いい形で運べた」(SH/スクラムハーフ大越勇気・営4=茗渓学園)。
ラグビー 関東大学対抗戦2023
【ハイライト動画】立教大学 vs. 明治大学|明大、圧巻の15トライ
だが、後半22分、ディフェンスのスキを突かれ、失点を許してしまう。しかし、これを機に、明大がさらに勢いづいていく。SO(スタンドオフ)伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)や安田がハットトリックを遂げ、BK(バックス)陣の勢いが止まらない。
「後半はFBに入って、ボールを持って自分からランする機会が増えたので、そこが自分のトライにもつながった。チームが苦しい時にトライを取り切れたのは良かった」(伊藤耕)。
後半38分には、檜山蒼介(営1=尾道)のゲインからチャンスをつかみ、伊藤龍之介(商1=国学院栃木)のキックパスに反応した平翔太がグラウンディング。明大は15トライを挙げ、立大を圧倒。97-7と大きく点差を離し、大勝を収めた。
今試合のPOM(プレイヤー・オブ・ザ・マッチ)に輝いたのは、80分間チームに勢いを与えた平翔太だ。「いつもは13番をしているが、初めて公式戦で12番として出場した。スペースがあったら、しっかりキャリーしてボールをつなげられて良かった」。
また、今試合では初紫紺、初対抗戦メンバーも多くおり、チームに新たな風を吹かせた。「この紫紺のジャージーを着るためにきつい練習を頑張ってきたので、これまで下のチームで一緒にやってきた先輩方や後輩たちのおかげ。感謝している」(柳田治久・法4=明大中野)。
明大ラグビー部の1人1人の思いが、力強いプレーや声援から伝わった。次戦は、11月5日に行われる慶應義塾大学戦。「今日やり切れたところを慶大相手でもしっかりぶつけて、もっといい形で帝京大学に挑めるような試合にしていきたい」(伊藤耕)。
今試合で見せつけたアタック力を継続し、さらなる進化を遂げていく明大に期待がかかる。
文:井垣友希/写真:安室帆海(明大スポーツ新聞部)
明大スポーツ新聞部
1953年(昭和28年)創部。現在明治大学において唯一の学生新聞部。明治大学体育会43部の競技成績や、学内外の話題を幅広く紙面・WEBサイト上にて掲載、発信。 現在の部員数は56名。
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