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戦いはいよいよノックアウトステージへ。ここまで好調のウェールズと、上り調子のアルゼンチンが激突。ラグビーワールドカップ2023準々決勝展望
ラグビーレポート by 直江 光信
9月8日の開幕から1か月あまり。フランスで開催されているラグビーワールドカップ2023は、いよいよ今週末より決勝トーナメントに突入する。プールマッチを勝ち抜いたトップ8による「負ければ終わり」のノックアウトステージの戦いは、ここまでのゲームから緊迫感と強度がもう一段上がる。いずれの試合も力のこもった80分になるだろう。
14日(土)と15日(日)にマルセイユとサン=ドニの2会場で行われる準々決勝4試合の中で、最初にキックオフを迎えるのはプールC1位のウェールズ対プールD2位のアルゼンチンの一戦だ(日本時間15日00時キックオフ@マルセイユ)。10月9日発表のワールドラグビーランキングでは、ウェールズの7位に対しアルゼンチンは8位。過去のテストマッチはウェールズが14勝6敗1分けとアルゼンチンを上回っているが、2007年以降のワールドカップの戦績はともに4強2回、8強1回と拮抗しており、初めて決勝トーナメントで激突する今回の一戦もタイトなゲームになることが予想される。
それぞれのここまでの勝ち上がりを振り返ると、ウェールズはフィジーとの初戦に32-26で競り勝ち、第3戦であとのないオーストラリアを40-6と粉砕して決勝トーナメント進出一番乗りを果たした。2022年はテストマッチ12試合でわずか3勝と苦しんだが、同年12月に復帰した名将ウォーレン・ガットランド監督のもと、今大会にきっちりとピークを合わせてきた印象だ。特に仕上がりのよさが目を引くのはディフェンスで、タックル回数(1試合平均166.8回)、タックル成功率(88パーセント)ともベスト8進出チーム中トップの数字を残している。
メンバー構成はNO8タウルペ・ファレタウやSOダン・ビガー、CTBジョージ・ノース、FBリアム・ウィリアムズら経験豊かなベテランを軸に、WTBルイス・リース=ザミットやWTBリオ・ダイアーら気鋭の若手が勢いをもたらすバランスのとれた布陣。活力みなぎる若き闘将、FLジャック・モーガンも持ち前のハードワークで絶大な存在感を示している。大会前の過酷なキャンプで鍛え上げたフィットネスをベースに攻守とも粘り強く体を張り続け、要所で得点を挙げるスタイルがチームの隅々にまで浸透している。
対するアルゼンチンは今夏のザ・ラグビーチャンピオンシップでオーストラリアにアウェイで勝利し、南アフリカにも21-22と肉薄するなどいい状態でワールドカップに向かうと思われたが、プール初戦でレッドカードにより75分以上を14人で戦ったイングランドに10-27と完敗。続くサモア戦もチグハグなプレーに終始し、19-10で勝ったものの、本来の実力には遠く及ばないパフォーマンスだった。しかしプールステージ突破をかけて臨んだ日本との第4戦は、終盤に底力を発揮してハイプレッシャーのゲームを39-27で勝利。ここにきてチーム状態は上向きになりつつある。
キャプテンのHOフリアン・モントージャを筆頭に、LOギド・ペティやLOトマス・ラバニーニ、WTB/FBエミリアーノ・ボフェリら2019年大会の経験者が28~30歳のベストエイジを迎え、こちらも戦力は充実している。日本戦で3トライを挙げた23歳のWTBマテオ・カレーラス、弾丸ボールキャリーが魅力の24歳のPRトマス・ガージョら若いメンバーもインパクトある活躍を見せており、波に乗ればどの相手にも勝利できる力を秘めているのは確かだ。心身両面の柱であるFLパブロ・マテーラが日本戦で負傷したのは痛手だが、FWは各ポジションともファイターぞろいで、マテーラの思いも背負ってチーム一丸で挑んでくるだろう。
発表された登録メンバーを見ると、ウェールズは1週前のジョージア戦からスターター6人を入れ替えた。HOにライアン・イライアス、右LOにアダム・ビアードが入り、ジャック・モーガン主将は左FLで先発。前節6番のアーロン・ウェインライトが負傷のファレタウに代わって8番を背負う。HB団もSHガレス・デーヴィスとSOダン・ビガーの主戦コンビに戻り、前回大会トライ王のジョシュ・アダムスが11番に入るというベストに近い陣容だ。
対するアルゼンチンの日本戦からの先発変更は2人。ケガのマテーラに代わってファクンド・イサがNO8でスタメン入りし、前週8番のファン=マルティン・ゴンザレスは6番にシフトした。また34歳のベテラン、ワールドカップ3大会連続出場のトマス・クベリが、ゴンサロ・ベルトラノウに代わってSHのスターターを務める。
世界ランキングの上位4チームが勢ぞろいするサン=ドニでの2試合に視線は集中しがちだが、スタジアムの熱気ならこちらマルセイユも負けてはいない。ノックアウトステージの流れを左右する準々決勝の1試合目。熱闘を期待しよう。
直江 光信
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。熊本高校→早稲田大学卒。熊本高校でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に「早稲田ラグビー 進化への闘争」(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。
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