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ラグビー コラム 2023年10月7日

「この戦いは死闘になる」。ラグビー日本代表HC・選手コメント。アルゼンチン戦メンバー発表会見

ラグビーレポート by 斉藤 健仁
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ジェイミー・ジョセフHC(左)と姫野和樹キャプテン

ラグビー日本代表、勝てばベスト8進出となるアルゼンチン戦のメンバーを発表した。サモア戦からはWTB(ウィング)ジョネ・ナイカブラが控えに回り、シオサイア・フィフィタが今大会初先発。SH(スクラムハーフ)は引き続き、齋藤直人が入り、ケガからの復帰を目指した流大はメンバー外となった。

控えメンバーはFW(フォワード)が下川甲嗣に代わり、サウマキ アマナキ、BK(バックス)は、李承信、長田智希がメンバー外となり、山中亮平が入った。

◆ジェイミー・ジョセフHC

「ワールドカップは非常にプレッシャーのかかる試合だ。どうやってアルゼンチンのパワー、プレッシャー、力強いパックに立ち向かって行くか。

私たちには経験豊富な選手がいる。この試合は我々にとっては、準々決勝か準決勝のようなもので、負けたチームはホームに帰ることになる。選手たちは肉体的にも、そしてもっと重要な精神的にも、本当に自信を持っている。

WTBシオサイア・フィフィタはアンラッキーだった。ここ数年、日本代表でプレーしてきたが、パシフィック・ネーションズカップの直前にケガをしてしまったが、それでもチームのために献身的に働き、ハードワークを重ねてプレーできるほどになってきた。

山中亮平も多くのテストマッチをプレーしてきているし、彼のような強くて経験値の高い男がベンチからフレッシュな空気をチームに与えてチームに貢献してくれることを期待している。

ナントの「スタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール」

私たちは今後、決勝を勝ち取れるポテンシャルがあると思う。ただ、まだ道の途中なので、キャプテンが言ったように、80分間ベストのラグビーをして、自分たちのスタイルで最高のラグビーができるようにしなければならない。僕らにとってはビッグゲームだし、この3年間、このトーナメントのために本当に準備してきた」

姫野和樹キャプテン

◆NO8(ナンバーエイト)姫野和樹キャプテン

「すごくフィジカルなゲームになると思うし、この数試合、フィジカルな試合をしている自信がある。何が来るかわかっているので対策しやすい。

アルゼンチン代表のフィジカリティ、情熱的なラグビーに対して、受けずにドミネイトすることでゲームの流れをつかむことができると思う。そこをしっかりFWパックはやらないといけないし、そこを抑えれば自分たちのラグビーができると思う。

日本のゴールデンの時間でやるということで、注目の一戦になると思うが、自分の役割を100%遂行することしか考えていない。

スタジアムで練習する日本代表

プール戦を突破するには、自分の役割を理解して100%発揮すること。それはキャプテンだからと言って変わらない。15人、23人、メンバー外が、それをできれば自分たちの欲しい結果がついてくると考えている。

この戦いは本当に大一番になるし、死闘になると思う。その中で選手たちの背中を押す声援をファンからいただきたいし、選手にとって声援はパワーになる。

我々、日本代表だけでなく、日本中でしっかりワンチームとなって戦うこと。それが死闘を制するキーポイントになると思うので、テレビの前で、そして観戦する方、日本代表に大きい声援をよろしくお願いします」

◆HO(フッカー)坂手淳史

「アルゼンチン代表はスクラムに自信をすごく持っている。組み方もずっと分析してきている。(コーチの長谷川)慎さん、フロントローを中心に対策をたくさん練っている。

まずは8人で固まって、同じ方向を向けるようにしたい。ジャパンのスクラムを組んでいければ、うまくいくと思う。まずはセットアップ、相手との間合い、レフリーとのコミュニケーションをうまくやっていければ、いいスクラムが組めるのでは。

ラインアウトはプレッシャーをかけてくると思っている。マイボールももちろん、相手ボールでのモール、中盤でもモールも狙って組んでくる。そういうところでのプレッシャーのかけ方も練習しているので、それを出せればいいプレッシャーをかけられるし、自分たちのボールもいいところで取れるのではと思う」

HO坂手淳史(左)、PR稲垣啓太

◆PR(プロップ)稲垣啓太

「すごいプレッシャーの中で試合を続けてきたと感じている。初戦もすごいプレッシャーを全員感じたと思う。イングランド戦もそう。

そして、先週のサモア戦も負けたら予選プール通過の可能性がすごく低くなってしまうプレッシャーの中で、自分たちが準備したものを出して勝ったことが先週の全て。その意味では、チーム状態はすごくよくなっている。次のアルゼンチン戦のために、全てを持ってきている、みんな覚悟の表れがこの1週間すごく見えた。

だから、自分たちが準備したものを全て出すの一言に尽きる。間違いなく選手、個人個人の能力は上がっていると思うし、チームの能力というのも比例して大きくなっていると思う」

―― 藤井雄一郎NTD(ナショナルチームディレクター)が、「稲垣がミーティングで『刀を振り抜く』という話をした」と話していました。

「ディフェンスのミーティングでその話をした。日本人の昔に習う文化として、サムライが刀を抜くことはすごく厳しい状況だった。刀を抜いたら相手を殺すときか、自分が死ぬかの二択しかない状況。

今、チームの状況がすごく似ていると思って、勝たなければ次に進めない。まさしくそういった状況だと思う。そういう状況の中で、刀を振る準備をしてきた自信を持っている。振らなければ自分たちはやられてしまう。

全員が自信を持って振る準備をしてきたつもり。姫野主将も刀を振るための準備を、1年間いや、今までずっと何年もかけてやってきた、刀をずっと研いできた、振るための技術をみんな積み上げた、と自信を持って言っていた。今、その刀を振るときだと思っている」

CTB中村亮土(左)とWTBシオサイア・フィフィタ

◆CTB(センター)中村亮土

「FW(フォワード)がトライを取ってくれるのが一番いいが、しっかりスペースを見ながら、BK(バックス)がスペースにボールを運んでトライを取れるように、いつものようにコネクションをとって、外の選手が、フィフィタがトライを取ってくれるように、いろんなことをオーガナイズしたいと思う。

キックの使い方が今回も重要。具体的には言えないがキックの使い方と、ジャパンらしいアタック、しっかりとしたディフェンスは、今までよりレベルアップして臨まないと接戦で勝ちきれないと思う。そのあたりはフォーカスして、僕自身も注力してやっている」

―― 日本の未来がかかった大一番です

「特別。特別な気持ちだが、本当に毎試合、毎回、より責任感やプレッシャーをどんどん重ねていっての今なので、間違いなくしっかり自分の中で覚悟して試合に臨む。

日本のラグビーにとって、今回の一戦は非常に大事だと思うし、もちろん結果を求めるし、勝てばいいと思っているが、僕はその1つ1つのプレーが子どもたちや、未来の日本代表にとって大事なものになってくると思っている。1つ1つ、1分1分、集中しながら魂を込めて、自分の全力を尽くしてプレーしたい」

◆WTB(ウィング)シオサイア・フィフィタ

「今まで、すごくハードワークしてきたので、あとは試合でしっかり楽しみたい。ジェイミーには「しっかり準備しとけよ!」と言われた。

最初にブラウニー(トニー・ブラウン コーチ)に「来週あるよ」みたいに言われたので、準備をしていた。メンバー発表されたとき、僕の名前が11番に上がった時、うれしい気持ちがあった。自分の役割をしっかりやってから、トライとか考えたい。

負けたら終わりということで、しっかり勝つために、しっかり仲間とコネクションしあって、あと明日も合わせの時間があるので、その時間をしっかり大事にして、完璧にしていきたいと思っている。

2015年大会の日本vs.南アフリカの試合を見て、いつかワールドカップの舞台で、自分も世界と戦いたいと思っていた。やっとチャンスが来て、すごくワクワクしている」

フリアン・モントージャ キャプテン(左)とマイケル・チェイカHC

◆マイケル・チェイカHC(アルゼンチン代表)

「すべての選手の仕事ぶりとパフォーマンスには満足している。どの選手も成長し、一貫性を持っている。選手間の競争は非常に激しいが、8人のリザーブを含めても、この布陣はバランスが取れていると信じている。

選手の選考は、毎週起こることに反応するのではなく、大会全体を通して考えていく。さらにこの数試合のパフォーマンスだけではなく、今年、去年の全試合を考慮する。それがこのレベルのラグビーでは当然であり、厳しい選択をしなければならないということだ。

日本はとてもよく訓練されたチームで、とてもとてもよく働いている。彼らはあらゆる分野で、私たちにチャレンジしてくる能力を十二分に備えている。私たちも同様に、あらゆる分野で彼らに挑まなければならない。

日本はあらゆる面で競争力があり、攻撃や守備のシステムも他のチームとはまったく違う。彼らはジェイミー・ジョセフとトニー・ブラウンという、私がとても尊敬する優秀なコーチと一緒に仕事をしてきた。ただ、私たちも準備とプランニングは、日曜日に向けて細かいところまで整っている。

(日本の注目選手は)よく知っているというのもあるが、(NECグリーンロケッツ東葛で一緒だった)レメキを挙げざるを得ない。本当に正直、とんでもない選手だよ。自分がワラターズにいた頃、若い時にプレーしていた松島もいる。BKは危険だ。さらに姫野、リーチらバックローのいるFWも脅威だ。

日本はとても規律正しいチームで、どの試合でも自分たちのやりたいことが明確だし、とてもよく訓練されている。この状況を変えたい。どうすれば彼らを困難に陥れることができるか、どうすればプレッシャーを与えることができるか、どうすれば我々の勢いに乗れるか、どうすればそれを利用できるかを見極めたい。

相手は14人のディフェンスラインを敷いてくるので、我々はスペースを作って攻撃する能力を持たなければならない。ワールドカップのテストマッチだから、彼らのベストプレーヤーと我々のベストプレーヤーが対戦することになる」

◆HO(フッカー)フリアン・モントージャ キャプテン(アルゼンチン代表)

「イングランド戦に敗れて以来、すべての試合が決勝戦になると思ってやってきた。日本は規律の高いチーム。いいキッカーがいる。私たちは自分たちのプレーに集中し、自分たちのプランを尊重し、我々ができるだけ点を取るためには、効果的なプレーをしなければならない。今週はいい1週間だったし、チームの雰囲気もいい。

ピッチ上のリーダーは、キャプテンの私、副キャプテンのパブロ(・マテーラ)とフアンキ(フアンクルス・マリア)。23人の中には経験のあるトマス・クベリとニコラス・サンチェスがいて、私たちの役割はピッチでベストを尽くすことだ」

WTBカレラス(左)とLOラバニーニ

◆LO(ロック)トマス・ラバニーニ選手(アルゼンチン代表)

「重要な試合だ。この1週間、とてもいい準備ができた。目の前にあるこのチャンスをものにし、自分たちの目指すチームを見せなければならない。

日本は手強い相手だ。フォーメーションがうまく、とても組織だってプレーしているチームだ。我々としては、FWがスクラムとモールに重点を置き、そこを強くしなければならない。

どのチームもレベルアップを図り、あらゆる面で安定したプレーをすることを求めている。私たちはそれを求めているし、それができたら素晴らしいチームになるだろう。

私たちは日本についてというよりも、自分たち自身について、セットプレーの改善について話している。ひとつのキーポイントはラックだ。我々にとって非常に重要で、そこからゲームが生まれる。

私たちとしては、BKにクリーンなボールを与えること。サモア戦ではあるべきパックを見せられたし、チリ戦ではうまくいった。僕らにとっては、チームとに良い結果を残すために、それを掴み取る責任がある。

また、メンバーから外れた選手たちにとっても、我々と同じようにハードワークしているのだから。グループのためにもそうしないといけない」

◆WTBマテオ・カレラス選手(アルゼンチン代表)

「『楽しみなさい』。それが偉大な選手たち、そして何人かのスタッフたちが毎日私たちに送ってくれるメッセージだ。どんな瞬間も楽しむべきだ。プレッシャーや緊張はあるかもしれないが、それは普通のことで、素晴らしい選手はそれに対処している。僕の頭の中は、楽しむこと、ポジションを獲得することで、1週間いっぱいいっぱいなんだ。

日本には正確なキッカーがいる。バックスはいい選手たちだし、パスの展開もいい。自分たちはいいパフォーマンスをして、相手の攻撃に対抗しなければならない」

取材/文:斉藤健仁

斉藤健仁

斉藤 健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーと欧州サッカーを中心に取材・執筆。エディー・ジャパン全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「エディー・ジョーンズ 4年間の軌跡」(ベースボール・マガジン社)、「ラグビー日本代表1301日間の回顧録」(カンゼン)など著書多数。≫Twitterアカウント

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